「ヴィーナスはぁと」バックナンバー バックナンバー一覧

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2001年12月20日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはあと』 第6号

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  ***   ***  「ヴィーナスはぁと」は超党派の女性国会議員19人が集まり、
 *****v*****  情報を発信していくメールマガジンです。
 ***********  購読者はついに、3000人を突破しました。
  *********  今月は、それぞれの議員が一番力を入れている政策を
   *******  語っています。「議員の個性が感じられる」と好評です。
     ***  来月は、読者からのご質問、ご要望に答える予定です。
      *  どうぞ、ヴィーナス議員へのご質問をどしどしお寄せください。



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  目次
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 ■私がいちばん力を入れている政策

  千葉景子(民主党)  山内惠子(社民党)
  八田ひろ子(共産党)  広中和歌子(民主党)
  中林よし子(共産党)

 ■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

 ■編集後記

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  私がいちばん力を入れている政策
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 ヴィーナス議員たちは、平和、環境、安全、教育、人間の尊重…といった
ことに熱心に取り組んでいるようです。いずれも、日本の、そして子どもた
ちの未来に、深く関わってくる問題。あなたは、どの議員に、この国の将来
を託したいですか?


■◇■==============================================================
  千葉景子(民主党・参議院・神奈川)
  「選択的夫婦別姓を中心とする民法改正がテーマ。
  個人が尊重され、多様な生き方が認められる社会を実現したい」
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 私が参議院議員になって以来、一貫して取り組んできた課題の最大のもの
が、選択的夫婦別姓制度を中心とする民法改正です。個人が尊重され、その
多様な生き方が認められる社会が私の理想であり、その実現には課題も多く
存在しますが、象徴的なものとして夫婦別姓を追求してきました。
 そもそも個人がどのような人間関係を持つかは自由なはずで、男性と女性
の人間関係の一類型だけに、姓の同一化を強制する必要はないと思うのです。
法律で同姓を強制したからといって、その人間関係が維持されたり、一体感
が生まれたりするものではないでしょう。国際的にも、夫婦同姓を強制して
いるのはむしろ異例な形でもあるのです。
 しかし、夫婦別姓の課題が奇異に感じられないようになったのは最近です。
そのきっかけは、1996年に法制審議会が「夫婦別姓」を選択できる民法
改正案を答申したことからでした。お堅い法制審が答申したのだから実現は
容易だと思ったのが大まちがい!そんなことを許したら「家族の一体感がな
くなる」とか「子どもに悪影響を及ぼす」とかの理由で反対の大合唱が起こっ
てしまいました。法務省も先に進めず立ち往生、そのまま現在に至っている
のです。その間、私たちは議員立法を提出し続け、国会の議論を推進してき
ましたが、反対を続ける自民党の厚い壁に、なかなか突破口が見つからずイ
ライラはつのるばかり…。もう息切れしそうにもなりました。
 でも頑張ってきた甲斐がありました。実現に向けての道が拓かれてきたの
です。今年の夏、内閣府が実施した世論調査で別姓を認める意見が反対意見
を上回ったのです。「夫婦同姓」を強制することを支持する意見は、20〜
30代の女性ではわずか1割程度。男性でも2割以下。あの強固な反対派で
あった自民党内でも議論がされるようになったとのこと。更に期待が高まる
のは、責任者である法務大臣が森山真弓さんであること。自民党の中にあっ
ても推進論を唱え、大臣になられてからも強い意欲を見せられている。
 機は熟した。21世紀最初の年とはいかなかったけれど、2002年には
必ず!。”票にもならない”などと揶揄されながらもシコシコ続けてきてよ
かった。イヤイヤ安心してはいけない。確実に法律が成立するまでは…。


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  山内惠子(社民党・衆議院・北海道)
  「『きっぱり護憲・子どもに元気・核のない北海道を!』の実現を!
  『大臣! これで子どもは元気になりますか?』を問い続けます」
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 国会議員になって1年半が過ぎました。この間、文部に関わる大臣が、大
島理・町村信孝・遠山敦子大臣と3人も変わりました。私は、「大臣!この
法案で子どもたちは元気になりますか? 」と問い続けました。

教育改革国民会議と「戦後教育の悪平等論」の町村大臣

 国民会議座長の江崎玲於奈参考人は、「教育になぜ競争を持ち込むのか?」
の問いに、「人は持って生れた素質・遺伝情報があり、競争で伸びる」と答
えています。報告書の「教育を変える17の提案」を実践すれば、子どもた
ちは元気になるのでしょうか? そこには、子どもに対する優しい眼差しも、
苦闘している教職員に対する励ましもありませんでした。
 町村大臣は40人学級をそのままにして、習熟度別などの少人数学習を導
入しました。実施させるかどうかは、現場の皆さんのとりくみにかかってい
ます。

「教育改革関連3法案」は、「教育基本法」改悪の露払い

 本会議で、代表質問に立ちました。法案は、競争と管理への反省もなく、
「わがままになった子どもを奉仕活動で押え込もう」というものです。「奉
仕活動はボランティアや自然体験活動でもいい」等の歯止めを活用されるこ
とを期待します。国がやるべきは、教育予算の増額と子どもの権利条約の具
現化です。

「子どもの権利条約」を! 子どもの心に平和の砦を!

 子どもは権利を知ることで、元気になると思います。「子どもの権利条約
&憲法塾」を札幌と旭川で開催、全国各地に広げるつもりです。
 ユネスコ憲章は「戦争は人の心の中に生まれるものだから、人の心の中に
平和の砦を築かなければならない」としています。ドイツ国際平和村では
チャーター機で、世界の紛争で傷ついた子どもを救い治療し、支援物資を積
んで子どもを母国に帰しています。日本は自衛隊機など飛ばさず、ドイツに
学ぶべきです。

教育基本法「改正」の動き

 「文化芸術振興基本法」の「伝統を尊重する心を育てる」で危惧した通り、
「教育基本法」見直し論議が始まろうとしています。「端緒でたたけ!しか
して後を考えよ」の決意で、一つひとつに立ち向かう覚悟です。


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  八田ひろ子(共産党・参議院・愛知)
  「未来に生きる人たちに、平和な日本を手渡したい。
  海や山を無秩序に壊す環境破壊にストップをかけたい」
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 今、一番実現したい政策! それは、平和な社会で誰もが人間らしく生き
ることの出来る日本です。人間としての尊厳が大事にされることが本当に必
要だと思います。

 私は国会の活動の中で、所属する委員会はいろいろと変わっても5つの政
策をしっかりと位置づけ、女性の願い、活動を実現するために努力していま
す。選択制の夫婦別姓や非嫡出子差別の撤廃、DV法の成立とその充実、
「従軍慰安婦」問題解決と戦後処理はライフワークですが、基本は、女性の
視点を縦軸に、5つ問題を横軸にして意識的に追求する形と言えるでしょう
か。平和・環境・労働・医療福祉・子どもたちの問題。縦軸、横軸は相互に
重なり合った問題です。

 第一は、平和の問題です。憲法のつくられた年に生まれ、憲法と共に育っ
てきた世代として、子どもたちやその後の世代の未来に生きる人たちに、憲
法と共に育ってきた世代として、子どもたちやその後の世代の未来に生きる
人たちに、憲法が実現している社会、とりわけ平和な日本と世界を手渡せる
よう、侵略戦争反対を立党の精神としてきた日本共産党の一員として力一杯
頑張らなければと思っています。今回のテロ対応策を問う国会で「テロは絶
対許せない。報復戦争は反対」という国民の願い。とりわけ女性の過半数が
自衛隊の海外派遣や武器使用に反対しているという世論が、国会内では少数
として押し切られてしまいました。しかし、国会内外のたたかいの輪は拡がっ
ています。そのスピードと力をさらに高めるためにも、あらゆる分野で政策
決定に責任を持つ女性を増やすことが大切ですネ。

 二つ目にあげた環境の問題。私のふるさと愛知では、環境をテーマとした
『万博』を開こうと言いながら、「そのための道路整備は、予算がなくても
最優先!」、「中部新空港も、HSST(新交通システム)も万博に間に合
うよう最優先で建設」と、すさまじい勢い。採算の見通しもないのに、環境
破壊でムダな大型公共事業に莫大な税金をつぎ込む計画です。その上、設楽
(したら)の山に(この地方では国が直轄で建設する最後であろう?)巨大
ダムの計画の動きが始まっています。全国どこでも大問題になっている問題。
つじつまの合わない大型開発で海や山を無秩序に壊す環境破壊にどうしても
ストップをかけたいのです。

 汐川干潟という所へ行ったとき、数百羽のシギが私たちのまわりで飛び立
ち、いっせいに旋回して黒い影(背)がいっせいに白い姿(腹)に変わった
瞬間の感動。そんなに近くで飛ぶ群れを見たのは初めてということもありま
すが、千鳥格子そのままだ! と妙に納得しました。渡り鳥のやってくる藤
前干潟や汐川干潟などをラムサール条約に登録し、人と自然が共生できるよ
うにしっかり保全したいと皆さんと力を合わせ、実現を目指しています。

 第三の労働の分野では、女性も男性も人間らしく働くルールをどうしても
つくりたいですね。1日8時間以内で働き、残業は1年間に150時間以内
の労働でも生活できる賃金の実現。私は、サービス残業(ただ働き残業)の
根絶と長時間労働を規制する法律を提案していますが、雇用を守り、過労死
の心配なく若者たちが就職できるシステムづくりは、急務です。労働の場で
の真の男女平等、しっかりとした社会保障の充実はむろん基礎です!


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  広中和歌子(民主党・参議院・千葉)
  「日本は、地球環境問題でこそ、世界のリーダーになるべき。
  豊かでかつ環境にやさしい、環境立国をめざしたい」
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 私が政治の世界に入った1986年は、丁度ソ連邦のゴルバチョフ大統領が世
界政治の表舞台に登場した頃で、東西冷戦の雪解けが始っておりました。そ
して、地球環境問題が人類全体の共通の敵として認識され、その共通歩調の
一環として持続可能な開発をテーマに国連主催の地球サミットが計画されて
おりました。

 私が最初に所属した外務委員会でも世界の湿地を守るラムサール条約やフ
ロンの使用を禁じるモントリオール議定書など、環境関連の条約の審議が目
白押しでした。

 そうした中、これからの大きな外交課題は地球環境問題であり、日本が世
界の中でリーダーシップを発揮し、“名誉ある地位”を示すべき分野は地球
環境問題であると考えるようになりました。なぜなら、日本は戦後、荒廃の
中から、世界第2の経済大国に急速に成長した国であり、初めの頃こそ水俣
病をはじめ、多くの公害を出しましたが、次第に公害問題を克服した経験を
持っているからです。

 1993年細川内閣で環境庁長官に任命され、環境基本法の制定に携わると共
に、G7環境大臣会議やAPEC環境大臣会議を実現させ、国際的に活躍する場が
広がりました。

 環境庁長官を退いた後も、世界森林委員会や地球憲章委員会のメンバーと
して活躍すると同時に、環境が貧困や人口問題と深く関わっていることを認
識し、世界 100万世帯に自立資金を提供する運動“マイクロ クレジット
サミット”にも関わっています。

 国会では、これまで私は幅広くさまざまな委員会に所属して参りましたが、
いつも心にあるのは、日本が環境問題で世界のリーダーとなること、そのた
めには自からの国が環境を内部化した予算編成や施策をとることによって、
産業界も一般市民も、豊かでかつ環境にやさしい環境立国をめざしていくこ
とだと思っています。

 21世紀は環境の世紀と云われています。国土は狭く、人口も多い日本が、
持続可能な社会を築き、エコカントリーのモデルになれればと心から望みつ
つ、これからも政治活動を続けて参ります。


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  中林よし子(共産党・衆議院・中国)
  「食の安全と、日本の農林水産業を守ることに力を入れたい。
  安全な食べ物は日本の大地から。食糧自給率の向上を」
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 今回BSE(狂牛病)の発覚は日本の農家と消費者に衝撃を与えました。
1986年に世界で初めてイギリスで BSEがみつかました。イギリスではそ
の後、17万頭の牛にひろがり、しかも人にも感染しこれまで100人を越
える人が亡くなりました。 BSEはヨーロッパ各国に広がりそしてアジアで初
めて日本で発生ということになったのです。

 1996年、 WHO(世界保健機関)が日本を含む加盟国に対して”肉骨紛
の牛への供与禁止”の勧告をしました。しかし日本政府の対応は、農水省の
担当課長の通知を都道府県と関係団体に送ったにすぎなかったのです。豚や
鶏には、禁止されていませんでしたから、なんと今年の1月まで肉骨紛は輸
入が続けられました。しかも配合飼料工場での豚、鶏用の飼料と肉骨紛が禁
止されている牛用の混入防止のためのガイドラインは今年の6月にやっとだ
されたのですから政府に責任があることははっきりしています。

 畜産,酪農農家、肉関連業者、に与えた被害にたいして政府が全責任をもっ
て応えるのは当然のことです。そして国民への不安を取り除くために、危険
性のあるものは、一切流通させないあらゆる手だてをとることです。

 今回の BSE問題を通じてこれまでの日本政府の食の安全に対する施策の責
任の欠如には怒りを禁じえません。日本の食料自給率は40%。世界最大の
食料輸入国になっています。にもかかわらず検疫体制は、あまりにもおそま
つです。国内に入る時の水際の検疫が弱く危険なものが、するする入ってき
ているのです。輸入国の証明と水際のチェックの二重検疫が原則です。

 なによりも食の安全を第一に、そして”安全な食べ物は日本の大地から”
の農政への転換、自給率向上のためにますます力を入れてがんばります。


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  「ヴィーナスはあと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはあと」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。詳しいプ
ロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーンホームページで公
開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  石井郁子(共産党・近畿)  川田悦子(無所属・東京)
  瀬古由起子(共産党・東海)  武山百合子(自由党・北関東)
  中林よし子(共産党・中国)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子(民主党・栃木)  山内惠子(社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子(自民党・比例)  井上美代(共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子(民主党・神奈川)  西山とき子(共産党・京都)
  八田ひろ子(共産党・愛知)  広中和歌子(民主党・千葉)
  福島瑞穂(社民党・比例)  吉川春子(共産党・比例)

            計19名(敬称略)


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  編集後記
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 今回の「ヴィーナスはぁと」はいかがでしたか? みなさまから特定の
議員あてに寄せられたご意見は、私が責任をもって、議員の方に転送して
います。「ヴィーナスはぁと」あてに寄せられたご意見、ご質問は、1月の
「質問特集」に備えて、編集部で整理しているところです。

 来年の1月3日はお正月休みをいただき、1月10日から、「質問特集」
を開始します。

 「ヴィーナスはぁと」では、まだまだみなさまからのご質問を受け付けて
います。ヴィーナス議員に聞いてみたいことがある人は、ぜひ、この機会に
お寄せください。

 御意見、ご要望はこちらまでお願いします。vheart@rosetta.jp

 次回は「一番力を入れている政策」の最終回。先月、参加できなかった
松島みどり議員が初登場です。


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■次号予告
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次回は、12月27日(木曜日)発行。執筆者は

  松島みどり議員(自民党)  山口わか子議員(社民党)
  井上美代議員(共産党)  岡崎トミ子議員(民主党)
  西山とき子議員(共産党)  の5名です。




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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
 発行 :株式会社ロゼッタストーン
     (〒171-0021 東京都豊島区西池袋5ー27ー9ー101)
Copyright(C)ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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