━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年2月2日発行 ━
●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第73号 ━━━━━━━━●
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「憲法改正」という言葉が、にわかに現実味を帯びてきました。自民党は
2005年までに、民主党は2006年までに、憲法改正案をまとめるとか。「50
年以上前に制定された憲法なんだから、時代に合わせて変えるのは当たり前」
といわれると、なんとなくそんな気にもなるのですが、「いったい何をどう
改正するの?」という部分が、全然見えてこないのが不安です。政治家たち
は、日本という国をどんな方向へ導きたいのでしょうか。
今回も未来総理たちに、「日本をどんな国にしていきたいのか?」につい
て聞いてみました。また、新メンバーの小林議員からも、初原稿が届きまし
た。
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目次
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◎ 日本をどんな国にしていきたいのか?
■ 「住んでいて良かった」と思えるような誇りと愛情の持てる街づくり
大村秀章(衆議院議員・自民党・愛知)
■ 「私のめざすべき国」
鈴木康友(衆議院議員・民主党・比例東海)
■ 日本を「戦争をしない、希望の島」に
小池 晃(参議院議員・共産党・比例)
■ 「なぜ議員をめざしたのか」
小林 温(参議院議員・自民党・神奈川)
◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介
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■「住んでいて良かった」と思えるような誇りと愛情の持てる街づくり
大村秀章(おおむらひであき・衆議院議員・自民党・愛知)
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今や日本国民の1割強(約1600万人)が毎年海外旅行をするが、その際、
「外国の街は美しい。さすが長い歴史と伝統を誇るだけのことはある」との
感想をよく聞く。欧州の街がその代表だが、決して昔からすべて美しかった
訳ではない。その多くは、都市計画の基本に景観政策を据え、アイルランド
に代表されるように、地道な街づくりの積み重ねや不断の努力で作り上げて
きたものだ。
ひるがえって我が国をみるとどうか。都市には電線が張りめぐらされ、緑
が少なく、家々はブロック塀で囲まれ、ビルの高さは不揃いであり、看板、
標識が雑然と立ち並ぶ。千年を超える歴史を誇る古都にも奇怪な塔が建ち、
日本橋の上を首都高速道路が通過し、多くの伝説を持つ白砂青松の海岸にテ
トラポットが並ぶ。
一方で、北海道から沖縄まで南北約3000キロにわたる我が国はその気候・
風土の多様性、四季の変化ゆえに、豊かな自然景観・風景に恵まれており、
海外からも高い評価を得ている。
自然景観に比べて人工景観が著しく見劣りがするのではないか。戦後、我
が国は驚異的な経済発展をとげ、その基盤をなす社会資本の整備も飛躍的に
進み、量的には充足したが質の面でおろそかにしてきたのではないか。これ
らの点を率直に反省し、住んでいて誇りが持て満足感の得られる"美しい"街
づくりに、今こそ踏み出すときではないか。
このような思いを共有した同志の議員が集まり、一昨年秋から街並みや景
観、美しい国土づくりの勉強をスタートさせた。私はそのまとめ役を引き受
け、歴史的街並み、水と緑、屋外広告物、電線類地中化などを中心に精力的
に検討を行い、昨年12月に今後我が国が取り組むべき景観施策の方向をとり
まとめた。
これを受けて、政府は、この通常国会に、(1)景観に関する基本理念、責
務、規制、誘導方策や地方公共団体や住民、NPO等が景観に関して協働で
きる仕組みを盛り込んだ、景観に関する基本法、(2)立て看板や張り紙、広告
旗など屋外広告物の規制を強化。市町村が簡単に撤去できるようにする法制、
(3)大規模ビル開発などの際、敷地の一定割合の緑化を義務付ける法制、など
を提出する。
街が10あれば、10の個性、歴史、文化があるはずだ。それを地域の住民や
町内会、行政、商工関係者、JC、NPOなどの皆さんが法律に基づいて設
置される「景観協議会」で存分に議論をし、それぞれの街のシンボルや個性
を景観条例(既に27の県と450の市町村が策定)の中に位置づける。国も財政
面でも積極的に後押ししていく。
21世紀において求められる真の豊かさとは、こうした「住んでいて良かっ
た」と思えるような誇りと愛情の持てる街づくりにあり、美しい街並み・景
観はその突破口になるものと確信している。今こそ夢の持てる街づくり、"美
しい"国土づくりに国民運動として取り組んでいくべきであり、引き続き先頭
に立って進めていきたい。
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■「私のめざすべき国」
鈴木康友(すずきやすとも・衆議院議員・民主党・比例東海)
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「志士の会」という政治団体で、未来総理のメンバーでもある野田佳彦さん
たち同志とともに、日本の将来ビジョンを作ったことがあります。そこで私
たちがめざしたのは、日本をプライドをもてる国にしようというものでした。
日本人一人ひとりが、自分の足で立つ自立した国を築くことが、日本を活力
ある国に再生させる道だと考えています。
現在の日本は、自由主義という仮面をかぶった社会主義国家と言っても過
言ではありません。何から何まで中央集権的に国が主導するやり方は、国民
から自立心と責任感を奪い取り、甘えの精神を蔓延させてしまいました。
国、地方あわせて700兆円を超える借金を背負い、さらにその状況が深刻化
している現実は、国全体が負担を嫌い、取れるものは何でも取ってやろうと
いう、たかりの構造に侵されている証しです。私たちは日本が自由を大切に
する国だと錯覚していますが、実は束縛が多く、不公正で閉塞した社会だと
言えるのではないでしょうか。
日本を再び元気な国に蘇らせるには、本当の意味での自由主義社会に造り
かえなければなりません。国民一人ひとりが公平、公正に自由な活動ができ
るように、政治、行政、教育、福祉など、あらゆるしくみを変える真の構造
改革を断行しなければなりません。
自分自身の足で立つ自由な社会は、反面厳しい社会でもあります。自由で
ある代わりに甘えがきかない。チャンスがある代わりに、厳しい競争もある。
自分でできることは自分で行い、自分の行動には自分で責任を取り、社会の
ために必要なことには積極的に貢献し、必要とされる負担は正しく担う。こ
うした自立社会を築くことこそが、21世紀の日本のめざすべき方向だと考え
ます。
但し、単なる弱肉強食社会をつくるつもりはありません。一方でしっかり
としたセイフティネットを構築することも必要です。がんばりたくてもハン
デを背負って思うようにならないような人々を、冷たく突き放すような社会
であってはなりません。ただ基本はあくまでも自分の足で立つ自立した社会
をめざすことです。そうすれば、懸案の行財政改革も、道路公団などの特殊
法人改革も、地方分権改革も自ずとめざすべき方向は明確になってくると思
います。
日本を「プライド」の持てる、活力ある国に再生させるためにがんばりま
す。
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■ 日本を「戦争をしない、希望の島」に
小池 晃(こいけあきら・参議院議員・共産党・比例)
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私は、21世紀の日本を「戦争をしない、希望の島」にしたいと思ってい
ます。
現実はその正反対に動いています。小泉内閣は、21世紀の初頭に、現に
戦争がおこなわれている地域への自衛隊派兵という、戦後の歴史を塗り替え
る憲法じゅうりんを強行しました。しかもイラク戦争の唯一の「大義」だっ
た大量破壊兵器も、米国のイラク調査グループ(ISG)のデビッド・ケイ
責任者によって「そもそも存在しなかった」と完全に否定されました。だと
すればあの戦争は「侵略戦争」です。このような戦争への加担など断じて許
されません。
力をあわせて、ただちに派兵を中止させましょう。そしてあらためて憲法
9条に書かれた通り「戦争をしない国」を世界に宣言しようではありません
か。
さらに、2017年まで続く年金制度の大改悪まで準備されています。政
府の提案には、深刻化する若者の年金不信や空洞化を解消する手だては一切
示されていません。ありていに言えば、政府案は「これから年金は自動的に
削減していくから、年金財政が破たんすることだけはありません。しかし、
年金で老後の生活を支えることはキッパリあきらめてください」というもの。
これでは未来に希望を持てないし、消費もいっそう冷え込ませます。
いま求められているのは、大型公共事業や軍事費など歳出を徹底的に見直
すこと。そして、国が国民に向かって「年金制度を国が責任をもって支えま
す。その第一歩として、国民に約束した基礎年金への国庫負担2分の1への
引き上げを今年4月から実施します」と宣言することです。
「戦争をしない、希望の島」の実現に向けて、政治の流れを転換させるた
めに全力をつくしていきます。
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■「なぜ議員をめざしたのか」
小林 温(こばやしゆたか・参議院議員・自民党・神奈川)
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私は、ワシントンD.Cで国際政治の研究をしていたときに、父親を亡くし
ました。
急遽実家のある福島県の猪苗代に戻り、古い商店街の中にある従業員4名の
文具書店の経営に関わることになりました。弟が後を継いでくれるまでの5年
間を、私は家業に従事したわけですが、この期間を通じて零細企業の厳しさ
を身をもって経験しました。
リゾート地であったため、バブル崩壊後の売上の減少は著しく、コストダ
ウンのためのリストラも手がけました。また、毎月末には資金繰りに頭を悩
まし、俗に言う貸し渋りも経験しました。どんどんと疲弊し、シャッターが
閉まっていく商店街の一員としても活動しました。この期間を通じて、なか
なか町の声が政治の場には伝わらないものだということを実感したものです。
その後、東京に戻り、ITベンチャーを立ち上げました。アメリカで見たよ
うな、政治とビジネスとのダイナミックな関係、特に新しい産業の核となる
ベンチャーを育てる、あるいは育つ土壌が日本にはないということを痛切に
感じました。日本の産業構造全体に改革が必要な中で、構造的にそのマーケッ
トが萎んでいく産業と、これからの日本経済の浮沈を決定するような新しい
分野と、この両方の分野のビジネスに関わらせていただいた経験を活かして、
自分が果たすべき役割が政治の中にあると再認識したのが36歳の時でした。
運良く自由民主党神奈川県の公募によって候補者に選ばれ、参議院選挙に
出馬をし、今日に至っています。その意味において、政治の世界における私
の役割は中小企業・零細企業の実状をしっかりと国政に伝え、政策に反映さ
せていくこと、そしてこの日本の競争力を回復するために、新しい経済分野
での競争力を高めるような政策立案をしていくことだと思っています。
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編集後記 弘中百合子(ロゼッタストーン)
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野球、サッカー、水泳、映画……最近、日本人の世界的な活躍が目につき
ます。経済だけでなく、文化でもスポーツでも、一流の国になってきたのだ
と嬉しくなります。一方で政治の世界では、清潔さを売りに当選した議員に
学歴詐称疑惑が持ち上がるなど、相変わらずスキャンダルが続いています。
お願いだから、もっと政治に「希望」をもたせてちょうだいよ…と、思わず
ボヤきたくなってきます。
昨日行われた大阪府知事選挙でも、投票率は40.49%と、過去最低でした。
行きたくなくなる気持ちもわかりますが、政治への関心が薄れるほど、政治
の質はますます落ちてしまいそうな気がします。政治家が信頼回復につとめ
るのと同時に、有権者側にも本当に信頼できる政治家を選ぶ目が必要なのだ
と思います。
「未来総理」たちのやる気は、みなさまの心に届いているでしょうか。
※前回までの発行年が「2003年」となっておりました。もちろん、「2004
年」の間違いです。訂正してお詫びいたします。
ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
す。ご協力、よろしくお願いいたします。
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次号予告
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次週の配信は、2月9日です。
丸谷佳織議員(公明党)、山井和則議員(民主党)
長島昭久議員(民主党)、中根康浩議員(民主党)
が登場する予定です。
※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。
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未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」には、超党派の30名が参加しています。
(敬称略・※が新メンバー)
◇衆議院
石破 茂(自民党・鳥取) 上田 勇(公明党・神奈川)
大村秀章(自民党・愛知) 吉良州司(無所属・大分)※
楠田大蔵(民主党・比例九州)※ 近藤昭一(民主党・愛知)
近藤洋介(民主党・比例東北)※ 鈴木康友(民主党・比例東海)
武正公一(民主党・埼玉)※ 達増拓也(民主党・岩手)
樽井良和(民主党・比例近畿)※ 樽床伸二(民主党・大阪)
手塚仁雄(民主党・東京)※ 中塚一宏(民主党・神奈川)※
中根康浩(民主党・比例東海)※ 長島昭久(民主党・東京)※
西村康稔(無所属・兵庫)※ 野田佳彦(民主党・千葉)
福島 豊(公明党・大阪)※ 三日月大造(民主党・滋賀)※
細野豪志(民主党・静岡) 丸谷佳織(公明党・比例北海道)
山井和則(民主党・京都)
◇参議院
荒木清寛(公明党・比例) 有村治子(自民党・比例)
小池 晃(共産党・比例) 小林 温(自民党・神奈川)※
櫻井 充(民主党・宮城)※ 福島瑞穂(社民党・比例)
宮本岳志(共産党・大阪)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。
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