━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年10月20日発行 ━
●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第59号 ━━━━━━━━●
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選挙が近づいています。政策を見くらべて投票……と思い、各政党の政権
公約などを眺めたりしていますが、ム、ムツカシイ。マニフェストが流行っ
ているおかげで、具体的な数字が書いてあるのはよいことですが、肝心の自
分に、そのマニフェストのよしあしを見抜く力がないのです。読者のみなさ
んはいかがでしょう。各党の政権公約は、投票の参考になっていますか？
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傷ついた心の癒し方を語っています。「未来総理」メンバーの
丸谷佳織議員(公明党)、細野豪志議員(民主党)、宮本岳志議員(共産党)
にもインタビューしました。テーマは、「ストレスだらけの日本を
どう変える？」です。詳しくはこちら http://www.rosetta.jp/
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目次
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◎「1人でも生きられる。でも一緒に生きられるといいね」
福島瑞穂（参議院議員・社民党・比例）
◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介
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■1人でも生きられる。でも一緒に生きられるといいね
福島瑞穂（ふくしまみずほ・参議院議員・社民党・比例）
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日本は、女性を活用することに失敗している社会である。日本をもっと住
みやすい社会にするためには、住民の１人ひとりが、本当に住みやすいと思
える社会を作るしかない。日本は、人口の半分を占める女性の住みやすい社
会であろうか。答えはNOである。
オーストラリアで、1997年、ある日本人の女性が難民認定を受けた。決定
文によると、彼女は、シングルマザーとなり、自分の父親に「結婚をしない
で子どもを生むなんて」と殴られた。また、子どもが病気になったので会社
を休もうとすると、会社の上司に「やとってやっているだけでありがたいと
思え」と言われて、休暇をとることができなかった。
確かに彼女は日本の社会でひどい目にあっている。殴られるなんて、もっ
てのほかだ。しかし、と私は思う。この程度の（？）経験をしている女性は、
一杯いるだろう。
その女性は、「社会的迫害を受けた」として、オーストラリアで難民認定
されたけれど、この基準でいくと、日本の多くの女性たちも、もしかしたら
ほとんど難民認定されてしまうのではないだろうか。
会社で休暇をとれないなんて、本当によくあることだ。シングルマザーに
なって、自分の親に理解してもらえないということだって、よくあることだ。
日本の女性は、ほとんど難民認定されてしまう。
日本は、女性が１人で生きて、働き、子どもを生み、子どもに食べさせる
だけの賃金を得ることが、非常に難しい社会である。
もちろん、そうでない女性もたくさんいる。しかし、パートタイマーを入
れると、女性の賃金は、半分。正社員では、約６４パーセント。そして、女
性の場合、働いている人の半分が非正規雇用である。パートタイマーの人た
ちは、正社員と同じように仕事をしていても、「正社員との均等待遇」は実
現しておらず、しかも、最近、時給が本当に伸びていない。朝から夜遅くま
で働いても、生活保護の基準にも満たない人たちがいる。
働く場所で、そして、社会政策の上で、最近まで「夫は主たる家計の保持
者」、「妻は従たる家計の保持者」とされてきた。今は、妻の労働なくして
家計は維持できないにもかかわらず、「補助的労働」の位置づけであった。
税金の控除制度、年金のシステム、会社における家族手当や財形の制度、
賃金のあり方、働き方……さまざまなものが、「夫は主たる家計の保持者」
で、「妻は従たる家計の保持者」と考えられてきた。
しかし、これでは女性も男性も「１人の人間」としてきちんと評価されて
生きていくということにはならない。
数年前、厚生労働省が作った年金についてのパンフレットを見たときは、
驚いた。2025年、夫が働き続け、妻は専業主婦で子どもが２人いるという「家
族モデル」で試算をしていた。家族のあり方は、多様化するだろうし、実際
しているし、「おとうさんとおかあさんがいて、子どもが２人いて」という
家族モデルだけで、やっていけるわけがない。
女性は、「主たる家計の保持者」である「夫」がいることが前提なので、
賃金年金が低くおさえられ、１人になったときに食べていけない構造になっ
ている。離婚すると、３号保険者は、基礎年金の部分しかもらえない。これ
では生活できない。だからこそ、「離婚のときの年金の分割の必要性」が議
論されるのである。
「子どもを生まなかった女性については、高齢者になっても税金を使わな
い」と述べた首相経験者の人がいたが、とんでもない。人は、いろんなライ
フスタイルの人がいる。望んだ場合と望まないでそうなるという人もいる。
しかし、結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、病気になって
もならなくても、生きていける社会をつくることが、政治の責任ではないか。
家庭内暴力の事件を担当し、また、職場の賃金差別やセクシュアル・ハラ
スメントの裁判をしていくなかで、つくづく思ったことは、家庭のなかで、
地域のなかで、職場のなかで、まだまだ女性がきちんと対等なパートナーと
して位置づけられていない。個人として尊重されていないということであっ
た。
女性が１人でも生きられる。でも、一緒に生きられる。そんな社会をつく
らなければ、ドメスティック・バイオレンスもセクシュアル・ハラスメント
もなかなかなくならない。本当の意味で、「社会の構造転換」が求められて
いる。
そして、女性も年金の保険料や税金を払える賃金が確保され、女性と男性
がともにこの社会を支えることができる、そんな社会を作っていきたい。
男性が働きすぎて過労死したり、失業して自殺に追い込まれるような社会
はおかしい。男の人たちの肩にのみ、ずっしりと金を稼ぐことが負担として
かかり、子どもと話す時間さえないような働き方を強いられる。男の人にとっ
ても過酷なあり様を変えていきたいものである。
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編集後記 弘中百合子（ロゼッタストーン）
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福島議員の原稿に、「住民１人ひとりが本当に住みやすいと思える社会」
とあったので、日本は誰にとって住みやすくて、誰にとって住みにくい国な
のかなあと考えてみました。
最近狙われることが多い子どもたちには、あまり住みやすい国ではなくなっ
ている気がします。自殺者の多い中高年男性は辛そうだし、お年寄りもいろ
いろ大変そうです。独身男女、裕福な主婦、安定した職についている会社員
などにとっては、自由で刺激の多いこの国は、けっこう暮らしやすいかもし
れません（もちろん人によりますが）。
それぞれの政党が「国民」という場合、実際には、どんな国民を中心に考
えているのでしょう。自分はその想定された「国民」のなかに含まれている
んだろうか……、そんなことをふと思いました。
ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
す。ご協力、よろしくお願いいたします。
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次号予告
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次週は、有村治子議員（自）、大村秀章議員（自）、山村 健議員（無）、
植田至紀議員（社） 細野豪志議員（民）が登場します。
※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。
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未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。(敬称略)
※解散前の肩書で、紹介しています。
◇衆議院
石破 茂（自民党・鳥取） 上田 勇（公明党・比例南関東）
植田至紀（社民党・比例近畿） 大村秀章（自民党・愛知）
近藤昭一（民主党・愛知） 鈴木康友（民主党・静岡）
達増拓也（民主党・岩手） 樽床伸二（民主党・大阪）
野田佳彦（民主党・千葉） 春名直章（共産党・比例四国）
細野豪志（民主党・静岡） 丸谷佳織（公明党・比例北海道）
山井和則（民主党・比例近畿） 山村 健（無所属・比例東海）
◇参議院
荒木清寛（公明党・比例） 有村治子（自民党・比例）
小池 晃（共産党・比例） 福島瑞穂（社民党・比例）
宮本岳志（共産党・大阪）
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。
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発行人・編集人：弘中百合子
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