━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年9月8日発行 ━
●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第53号 ━━━━━━━━●
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自民党総裁選は、本日告示。20日の投開票に向けて、いよいよ選挙戦が
スタートします。再選を目指す小泉純一郎首相に亀井静香前政調会長、藤井
孝男元運輸相、高村正彦元外相の3氏が挑みます。若手議員たちのなかにも、
独自候補を擁立する動きがあったようですが、この原稿を書いている時点で
は、若手の結束は難しそうです。小泉首相が有利といわれる総裁選ですが、
実際は、どんな結果になるのでしょうか。
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目次
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◎「イラク訪問から思うこと」
丸谷佳織(衆議院議員・公明党・比例北海道)
◎「年金をいかに立て直すか」
小池 晃(参議院議員・共産党・比例)
◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介
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■「イラク訪問から思うこと」
丸谷佳織(まるやかおり・衆議院議員・公明党・比例北海道)
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7月31日から8月6日までの間、衆議院イラク特別委員会の調査団の一
員として、バグダッドに行って来ました。先の通常国会でイラク支援法が成
立し、今後派遣の在り方について基本計画がたてられるわけですが、立法に
向けた審議を担当した委員会として現場を知る必要があるとの判断から超党
派で結成された調査団となりました。
バグダッドまではお隣のヨルダン・アンマン空港から国連機に便乗。空港
に着いた途端熱砂の嵐に見舞われ、気候の厳しさをいきなり実感。気温も
55度を超える暑さ(というよりも痛さ)で、イラクにおける切実なニーズ
が水であることもよくわかりました。バスの中から見るバグダッドはCPAの警
備隊と戦車、ピンポイント攻撃を受けた建物など、戦後の様相。
バグダッド市内に入ると渋滞がひどく、停電のため信号機が機能していな
いからだとか。1ヶ月程前は停電と断水だったというパレスタイン・ホテル
は私達が宿泊した時には幸い停電もなく、水もお湯も石油臭いながらちゃん
と出ていたことから、復興も徐々に進んでいるのかと思われます。蛇足です
が、ホテルの1階ロビーの売店でフセインの似顔絵入り腕時計が15$で売ら
れているのには少しビックリ…
目下のイラクの最大の問題は電力。発電所が完全には機能していないので
作業を急がなければならないのと、給水も未解決な大きな問題点。小児病院
に行ったところ、電気・水がストップした中、医師は確保できていても医療
品等が不足。未熟児で生まれた1000gに満たない赤ちゃんのお母さんの、
「この現状を日本に帰って伝えて、そして助けて欲しい」という言葉に胸が
詰まる。病気で寝ている子供にお母さんが出来ることは、団扇で扇いであげ
ることだけという状況で、ベッド脇に置いてあるペットボトル2本の水が切
実さを訴えているようでした(水不足のイラクで与えられる水は一人あたり
ペットボトル1日2本となっている)。
イラク人の雇用計画はUNDPによって行われ、夏休みの間学校の教室に電気
と黒板を取り付ける作業や、米・英の攻撃時から収集されなくなったゴミを
回収する作業など、生活に密着したイラク人のための細やかな策がとられて
います。空き地を子供達のためにサッカー場に変える工事もUNDPと日本政府
の協力で行われており、サッカー場予定地に建てられた看板には二者に対す
る感謝の辞が書かれていました。
さて、イラクで会談をした相手先は、イラク統治評議会のバルザーニ氏
(クルド民主党党首)、タラバーニ氏(クルド愛国同盟党首)、パチャーチ
氏(イラク民主独立運動議長)、ハーシミ氏(元外務省国際局次長)、デ・
メロ国連特別代表、CPAブレマー代表、ベルカCIC議長、サンチェス司令官で
すが、総括するとバグダッド北部のスンニートライアングルといわれる地域
は今もなお危険度は高く、それ以外の地域では警察の力で治安維持が可能で、
実際にイラク警察の人員募集には何千人もの長い列ができるほど。
統治評議会を中心に大臣を任命し省庁を編成、憲法を創案し今年か来年に
は国民による国会議員選挙も行われるなど、新統治機構の設立はとても早い
スピードで進んでいる。また、10月には新通貨もできることから中央銀行
の創立や、企業を民間と国営に分ける作業など経済面でも改革がなされ、産
油量も現在の120〜160万バーレルから戦前並みの250万まで来年後
半には戻るであろうし、そうすると120億ドルの収入になるという予想で
した。
おそらく与党調査団や各政党の調査団が行った頃より、私達の訪問時には
格段に復興は進んでいたと思います。一部地域を除けば、治安維持の必要性
ではなく町の秩序回復と物資の輸送、各機構を立ち上げる準備段階での知的
貢献が日本に出来る支援のあり方だと思って帰国しました。
しかしながら国連やシーア派に対するテロを見ると、治安の確保はまだ難
しい状況だと判断せざるを得ないわけですが、復興のスピードに合わせた迅
速な支援をすることも非常に重要であるとも思います。PKO議論など、日本
が紛争後・戦後に果たす役割と在り方について充実した議論は重要であり、
今が過渡期であるとするならば日本の支援に時間がかかることは仕方ないの
かもしれませんが、国連も含めて各国の支援は着々と進んでいます。
イラクの民主化と、国民が自由と民主主義を謳歌することを警戒する思想
的動機を持つテロリストには断固屈してはならないし、そのために犠牲になっ
たデメロ氏を始めとする国連職員、民間の方々のご冥福を心から祈るととも
に、時期を見極めた日本の支援を行うことが重要だと思っています。
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■「年金をいかに立て直すか」
小池 晃(こいけあきら・参議院議員・共産党・比例)
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年金改正の議論が盛んに行われています。将来のくらしの支えとなる年金
の問題は、若い世代にとっても重大な関心事。いかに立て直すかは、政治家
にとって大事なテーマです。
社会保障審議会の意見書や厚生労働大臣の試案も出されましたが、一番大
事なことが抜け落ちています。それは国庫負担の引き上げ問題です。
そもそも今回の年金制度改正の最大のテーマは、前回の年金改正時に確認
し、法の附則に盛り込まれた「基礎年金への国庫負担を3分の1から2分の
1に引き上げること」だったはず。これを行えば保険料の引き下げも可能と
なります。
国民年金の納付率は62%と空洞化は深刻であり、くい止める手だてが必
要なのです。それなのに、年金審議会の意見書案でも、坂口厚労相案でも、
国庫負担をただちに2分の1に引き上げるとはしていません。年金の給付削
減ばかりを打ち出しておきながら、国庫負担の引き上げという約束を実行し
ないのは、あまりに無責任です。
政府は「財源が確保できない」と言いますが、それは言い訳にもなりませ
ん。本来ならば、4年前の年金改正時に引き上げるべきだったのを先送りし
たのですから、準備する時間は十分にあったはず。大型公共事業の見直しや
軍事費の削減、政党助成金の廃止など、ありとあらゆる歳出削減の努力を行っ
て、来年度からの国庫負担引き上げを実現すべきです。国民に対する約束を
守らずに、年金改正を云々する資格はありません。
政府の打ち出す年金改正案は、どれも「保険料引き上げ、給付削減」を当
然の前提としています。しかし果たして「まず削減ありき」だけの議論でい
いのでしょうか。老後の生活保障としての年金は、現役給与の6割程度はど
うしても必要なはずです。そのために、国庫負担の引き上げの他にも行うべ
きことはあります。
まずは、積立金の取り崩しです。
今までの積立金は財政投融資の資金として公共事業に投入されてきました。
また、保養施設の「グリーンピア」などへの投資でも、ばく大な赤字をつく
りました。こうした施設が厚生官僚の天下りの受け皿になってきたことも見
逃せません。
さらに厚労省は「自主運用」と称して年金資金の一部を株式投資などにま
わし、2001年だけの運用実績で3兆608億円の赤字、累積で6兆717
億円の利差損を出しています。このように失敗続きであるにもかかわらず、
自主運用に年金積立金の全額をまわそうとしていますが、とんでもありませ
ん。国民の財産を食い荒らす年金積立金の株式運用はただちに中止すべきで
す。
そもそも厚生年金の積み立て金は2000年度末で177兆円、給付費な
どの支出総額の6、1年分です。アメリカが1、4年分、イギリスが2ヵ月
分、ドイツが1ヶ月分、フランスが若干の剰余金程度であるのに対して、日
本は突出しています。巨額の積立金を計画的に取り崩し、給付と保険料軽減
にあてるべきです。
「坂口試案」では、積立金の取り崩しを初めて打ち出しました。このこと
は率直に評価したいと思いますが、95年後の2100年でもまだ1年分も
の積み立てを残すという提案です。もっと早く高齢化はピークを迎えるので
すから、さらに踏み込んで積立金を活用できるはずです。
さらに、「少子化」を不動の前提とせずに、少子化の克服や女性、高齢者
の就労促進で、本気になって年金財政の支え手を増やす政策に取り組むべき
です。そのためには、小泉内閣によるリストラ、倒産を加速する政策や、規
制緩和で派遣や有期などの不安定雇用の増大をもたらす労働政策をストップ
させることが前提となります。
子育てと仕事の両立で女性の就労を支援するために、カギを握っているの
は保育所の増設です。たとえば、2万6000人といわれる保育所待機児童
を解消するのに必要な保育所は100人規模で260カ所。用地費を除く国
の負担は約170億円足らずです。来年度予算でも実行できるような規模に
過ぎません。こうした政策とあわせて、年金制度の将来を設計すべきです。
年金財政の枠内だけの「勘定論」では、希望の持てる年金政策は生まれませ
ん。
さらに将来の年金制度については、老後の最低生活保障の年金は無拠出で
受けられる「最低保障年金制度」を確立すべきです。この場合は新たな財源
も必要になると思いますが、あくまで消費税ではなく、累進制の直接税と大
企業課税によってまかなうべきだと思います。
老後の最低生活を国が保障することを明確にすることで、無年金や低額年
金の発生を防止し、現役世代の安心感を高めて消費を拡大して経済を活性化
することこそ、年金制度の安定をはかるための大道だと考えます。
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★★★「ヴィーナスはぁと」100号記念イベント参加受付中!★★★
おかげさまで、女性国会議員メルマガ「ヴィーナスはぁと」はこの秋、
第100号を迎えます。ロゼッタストーンでは、100号記念イベントとし
て、ヴィーナス議員と読者との交流会を開催することにしました。
●日時 10月8日(水)午後6時半〜8時半(午後6時開場)
●場所 日本外国特派員協会 メディアルーム
(千代田区有楽町1−7−1 有楽町電気ビル北館20F)
●参加費 3,000円
(食事・飲み物つき,バイキング方式の立食パーティ)
●参加人数 先着70名様
●参加予定議員 有村治子議員(自民党)、福島瑞穂議員(社民党)、
吉川春子議員(共産党)、広中和歌子議員(民主党)etc.
参加ご希望の方は、
1)住所、2)氏名、3)電話番号、4)参加人数、
5)ヴィーナス議員に聞いてみたいこと、
を明記して、vheart@rosetta.jp までお申し込みください。
※件名に「100号記念イベント参加希望」と書いてください。
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編集後記 弘中百合子(ロゼッタストーン)
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前回のメルマガで「政治家に何を期待しますか?」と呼びかけたら、女性
の読者から“私は「政治に期待していてはいけない」のだと思います。今は
やりの言葉で言えば、政治に「丸投げ」で「おまかせ」ではいけない。市民
ひとりひとりが、政治を動かす「意志」と「責任」を持ってほしいと思いま
す。「私たちが政治なのだ」と言ってもいいと思います(以下略)”という
ご意見をいただきました。本当にその通りです。私よりも読者の方のほうが、
よっぽどしっかりなさっていますよね。
先日、ロゼッタストーン本誌の取材で、丸谷議員にお会いしました。その
際、イラク訪問の時の写真を見せていただきました。お仕事で世界各地を訪
れた経験がある丸谷議員ですが、もう一度行きたい国の筆頭はイラクだそう
です。悲惨な話ばかりが伝わるイラクですが、現地は「ゼロから国を創りな
おそう」とする熱気やエネルギーが満ちていたのだとか。なんとか一刻も早
く、復興してほしいですね。(日本がどう支援に関わっていくのかは、難し
い問題ですが)
小池議員の年金の話も、国民の関心事です。とはいえ、年金がいまどんな
状況なのか、いったい何がどう問題なのか、一般人で正確に把握している人
は少ないのではないでしょうか。「未来総理」たちには、折にふれて、年金
改革の現状など報告してもらいたいと思います。
ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。
※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
す。ご協力、よろしくお願いいたします。
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次号予告
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次週は、樽床伸二議員(民主党)、有村治子議員(自民党)、
福島瑞穂議員(社民党)、近藤昭一議員(民主党)が登場します。
※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。
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未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。(敬称略)
◇衆議院
石破 茂(自民党・鳥取) 上田 勇(公明党・比例南関東)
植田至紀(社民党・比例近畿) 大村秀章(自民党・愛知)
近藤昭一(民主党・愛知) 鈴木康友(民主党・静岡)
達増拓也(自由党・岩手) 樽床伸二(民主党・大阪)
野田佳彦(民主党・千葉) 春名直章(共産党・比例四国)
細野豪志(民主党・静岡) 丸谷佳織(公明党・比例北海道)
山井和則(民主党・比例近畿) 山村 健(無所属・比例東海)
◇参議院
荒木清寛(公明党・比例) 有村治子(自民党・比例)
小池 晃(共産党・比例) 福島瑞穂(社民党・比例)
宮本岳志(共産党・大阪)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。
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発行人・編集人:弘中百合子
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━━━━━━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』(毎週月曜配信) ━
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