ロゼッタストーン コミュニケーションをテーマにした総合出版社 サイトマップ ロゼッタストーンとは
HOME > 未来総理 > バックナンバー > 第45号
バックナンバー
←次の号を読む 前の号を読む→

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年7月14日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第45号  ━━━━━━━━●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 先日、土屋埼玉県知事が、資金管理団体「地方行政研究会」を巡る政治資
金規正法違反(虚偽記入)事件を受け、辞職を表明しました。政治家による
スキャンダルを聞いても「またか」と驚かなくなっているのが、いまの日本
です。こうした従来の「政治家像」を、ぜひ、「未来総理」たちには打ち破っ
てほしいものです。
 今回は、社民党の植田議員と、民主党の鈴木議員から原稿が届きました。

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[PR]━━━━┓

    ★★★季刊ロゼッタストーン第14号 7月9日発売!★★★

   ●大特集「ケンカ」
  フジ子・ヘミングさん、蓮池透さん、猪瀬直樹さんらに、それぞれの
  「闘い」について聞いています。自民党の大村秀章議員と、民主党の
  近藤昭一議員による「未来総理」対談も!

  詳しくはホームページをご覧ください。http://www.rosetta.jp


 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
────────────────────────────────☆★
 ◎ 「私が取り組んできた具体的な政策」
  ▼植田至紀(衆議院議員・社民党・比例近畿)

 ◎ 「マニュフェストによる選挙を実施しよう!」
    ▼鈴木康友(衆議院議員・民主党・静岡)

 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「私が取り組んできた具体的な政策」
      植田至紀(うえだむねのり・衆議院議員・社民党・比例近畿)
──────────────────────────────────
 秋には解散総選挙がほぼ確実とされる情勢のなかで、地元の選挙区が気に
ならないわけはありませんが、閉会まで国会での活動に集中しています。

 私の所属する社会民主党は言うまでもなく野党ですから、小泉内閣の政治
姿勢を厳しく批判し追及しているのは当然のことですが、ただ「けしからん」
「ダメだ」と言っているだけではこれまたけしからんことですから、私はで
きる限り具体的な政策提案を質疑や議員立法などを通して提起することを心
がけてきました。

 今回はそのいくつかを紹介させていただきます。

(1)ヤミ金融対策

 ヤミ金融対策は超党派で取り組んできたもので、私もメンバーの一員とし
てそのとりまとめに参画してきました。ヤミ金融による被害者は激増してお
り、わずかの借金で一家心中にまで至った痛ましい事件も起こっています。
私は、まず被害者救済に実効性を持たせるためには法定金利を超えるものは
違法なのだから契約無効であることを明確にし、その場合元本返済も不要と
すべきと強く主張してきました。

 その結果109.5%を超えるものについては契約無効とすることが明記
されることになりました。これだけでは元本は返済しなければなりませんが、
民法708条の「不法原因給付」が認められれば、元本返済不要となります。

 今回十分詰めることができなかったのが上限金利引き下げの問題。現在
29.2%ですが、超低金利のご時世でこの利息はやはり高いと言うべきで
す。今後の大きな課題です。

(2)無認可共済問題

 景気が悪いと、怪しげな儲け話がはびこるのですが、この無認可共済もあ
る種のマルチ商法と言えなくもありません。共済はあくまで特定の者を対象
にしており、不特定多数を対象とする保険とは違うのですが、根拠法がない
無認可共済の場合、その実態が不特定多数を対象にしている疑いが濃いもの
が多いのです。そこで、消費者保護と広い意味での保険市場が適正・公正な
ルールのもとで機能させなければならないとの観点から、この間国会で取り
上げてきました。

 当面、根拠法のある共済はともかくとして、無認可共済については金融庁
が実態を把握し、適切な監督とルールの確立を図るよう求めているところで
す。

(3)人権擁護法案への対案づくり

 法務省が丸抱えする人権委員会では実効性が乏しいばかりか、むしろ公権
力による人権侵害が隠蔽されてしまう危険が高すぎるため、国際水準を満た
した、人権侵害の被害救済と差別の解消・人権の確立に資する「国内人権機
関」の創設をめざして、いま社民、民主、自由の野党三党で対案づくりを進
めています。

  新たに創設する「人権委員会」は法務省から切り離し内閣府の外局とする、
各都道府県にも「地方人権委員会」を設置し救済の実効性を確保する、委員
会の構成はジェンダーバランスに配慮するとともに、人権や差別に関わる問
題について精通した専門家、NGO関係者を登用することなどが合意できま
した。

 テレビ討論などを見ていると、政治の舞台で論じられるのはかなり大きな
話題が多いように見受けられますが、実際はかなり細かい個別具体的な政策
論議をやることの方が多いのです。私の場合、初当選以来大蔵委員会、財務
金融委員会に所属するとともに、法務委員会にいる期間も長かったのでなお
さらですが、いわゆる利権とは直接関わりがなく(ある人もいるのかも知れ
ませんが)、しかも非常にテクニカルな法案審議をすることが多かったので
余計そう感じるのかも知れません。

 政府・与党=賛成、野党=反対という構図はわかりやすいので、マスコミ
報道はいわゆる「対決もの」に偏りがちですし、実際ダメなものは私も断固
反対の姿勢を貫きますが、議員という仕事をしていて一番充実するのは、「つ
くること」にこだわっているときであることは確かです。

 まだまだ「つくりたいもの」がたくさんありますから、当分この仕事を続
けたいと思っています。もちろん厳しい「選挙」という洗礼をくぐり抜けな
ければなりませんが・・・。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「マニュフェストによる選挙を実施しよう!」
          鈴木康友(すずきやすとも・衆議院議員・民主党・静岡)
──────────────────────────────────
 最近マニュフェストという言葉が、脚光を浴びています。マニュフェスト
とは、一体何でしょうか?小泉総理は、クエスチョンタイムでマニュフェス
トを簡単に公約と訳しました。確かにマニュフェストを公約と理解しても大
筋では間違ってはいませんが、公約とマニュフェストはその具体性において
決定的に違います。

 これまで公約といえば、「景気回復」「個性あふれる教育の実現」「財政
再建」など、抽象的なものばかりでしたが、マニュフェストは、数値目標、
実現までの期限、必要な財源など、具体的な計画を有権者の皆さんに提示す
るものです。つまり抽象的な公約よりはるかに具体的な、国民のみなさんと
の契約といえるものです。

 従って与党にとっては、マニュフェストにより計画と実績を評価されるこ
とになりますし、野党にとっても政権交代後のビジョンを具体的に提示しな
ければなりませんので、いい加減なことは発表できなくなります。マニュフェ
ストは、民主主義をより進歩した、高度なものにしていくために是非とも必
要です。

 情報の伝達手段が未成熟で、情報公開が進んでいなかった時代には、閉じ
られた空間の中で、官僚と政治家により政策が作られていくということがあ
たり前になっていました。一方、多くの国民は意思決定から排除されていま
したが、あまり文句もでませんでした。

 しかし情報公開が進み、政策決定過程の内幕や問題点が白日の下にさらけ
出され始めると、政治に国民の意思が反映されていないという認識が生まれ
始め、途端に閉塞感が漂うようになりました。「選挙に行って、一票投じて
も何も変わらない」という諦め。政治と有権者の溝は、日に日に拡大してい
ます。

 ところがマニュフェストを元に、政党や政治家の選択をするようになれば
どうなるでしょうか。与党が具体的に数字まで含めた政策を国民に約束して、
それを実現できなかったら、次の選挙で政権から引きずりおろせばいいし、
また政権交代をして与党になった党が、マニュフェストを実現できなかった
ら、再び政権交代をさせればいいわけです。

 マニュフェストによる政治のよいところは、これまで国民のイライラの原
因となっていた、日本の政治の持つ独特のあいまいさを許さないということ
です。言い換えれば、官僚に頼りきっていた日本の政治のいい加減さを、認
めないということでもあります。絶えず緊張した状況の中で、政治家が責任
を持って政策を実現していかなければならなくなります。

 むろんこうしたマニュフェストの長所を最大限発揮するためには、マスメ
ディアがしっかり監視をすることと、有権者がマニュフェストの中身と実績
を正しく判断して投票を行うという前提が成立していることが必要です。

 民主党は次期総選挙に向け、マニュフェストの作成に入りましたが、是非
全ての党、特に与党各党には、選挙までにマニュフェストを用意して頂きた
いと願います。


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記              弘中百合子(ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 以前、ロゼッタストーン本誌で、借金トラブルを専門に扱う弁護士さんの
ところに取材に行ったことがあります。そこの待合室では、OLや、サラリー
マン風の人たちがたくさん順番を待っていました。ごく普通の人たちが借金
に悩む時代なのだなあと驚きました。ヤミ金融対策が一歩前進したことは、
よかったと思います。

 最近流行りの「マニュフェスト」ですが、本当に各党が選挙前に用意して
くれるなら、選挙がちょっと面白くなりそうです。有権者も、政策で判断し
て投票することが求められます。具体的な中身ができたら、ぜひ、このメル
マガでも披露してほしいですね。

 ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
   とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
   い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
   す。ご協力、よろしくお願いいたします。


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  次号予告
────────────────────────────────☆★
 来週は、上田 勇議員(公明党) 春名直章議員(共産党)
 石破 茂議員(自民党) が登場します。

 ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  未来総理メンバーの紹介
   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。(敬称略)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)     上田 勇(公明党・比例南関東)
  植田至紀(社民党・比例近畿)  大村秀章(自民党・愛知)
  近藤昭一(民主党・愛知)    鈴木康友(民主党・静岡)
  達増拓也(自由党・岩手)    樽床伸二(民主党・大阪)
  野田佳彦(民主党・千葉)    春名直章(共産党・比例四国)
  細野豪志(民主党・静岡)    丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・比例近畿)  山村 健(無所属・比例東海)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン   許可無く転載することを禁じます
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
━━━━━━━━━若手国会議員メルマガ『未来総理』(毎週月曜配信)━

←次の号を読む 前の号を読む→
未来総理配信登録
上に戻る▲
Copyright(c) ROSETTASTONE.All Rights Reserved.