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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年3月31日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第30号 ━━━━━━━━●

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 内閣府の調査によれば、「日本が戦争にまきこまれる危険性がある」と考
えている日本人が、4割を超えたそうです。
 イラク戦争のニュースを見ても、「きれいな戦争」なんてありえないこと
を実感します。
 考えている手段は違っていても、「戦争」を望んでいる議員はいないはず。
なんとか知恵を出し合い、この国の平和を守ってほしいと思います。今回も
テーマは「防衛論」。近藤議員と小池議員が、イラク戦争に対する考えを中
心に意見を述べてくれました。

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  ●大特集「ハンディキャップに負けないで」
  ●未来総理にきく(1)「日本の防衛に有事法制は必要か?」
     ・石破茂防衛庁長官インタビュー
     ・特別寄稿
      上田勇議員(公明党)/細野豪志議員(民主党)/
      達増拓也議員(自由党)/福島瑞穂議員(社民党)/
      春名直章議員(共産党)
  ●未来総理にきく(2)「日本の政治はハンディのある人に優しいか?」
   ・山井和則議員(民主党)インタビュー

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  目次
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 ◎「防衛論」
  ▼近藤昭一(民主党・衆議院議員・愛知・44歳・当選2回)
  ▼小池 晃(共産党・参議院議員・比例・42歳・当選1回)

 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

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 ■「武力による防衛論には限界がある」
      近藤昭一(こんどうしょういち・衆議院議員・民主党・愛知)
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 民主党・衆議院議員の近藤昭一です。

 3月20日に米英軍によるイラク攻撃が始まりました。「イラクの大量破
壊兵器の問題は国連による査察を通じて解決していくべきであり、決して武
力攻撃をしてはならない」と訴えてきた自分にとっては、本当につらい日と
なりました。

 何とか米英によるイラク攻撃をやめさせたいと地元での集会やデモにも参
加し、仲間の国会議員と共にブッシュ大統領あてに「武力でなく平和的手段
による解決を」と訴える手紙を米国大使館に届けたりもしてきました。最終
的には全員で91人分の署名入りの手紙が集まったと思います。

 3月20日は急なことで15人しか集まることができませんでしたが、有
志の国会議員でアメリカ大使館を訪れ、武力攻撃を即時中止するよう要請し
ました。

 しかし、攻撃は始まり続いています。この原稿を書いている今も戦闘は繰
り広げられ、開始当初の予想に反して、長期戦になる様相を呈してきていま
す。米英軍、イラク軍双方に死傷者が出ているばかりか、多数の民間人にも
被害が及び始めています。

 私は武力による防衛論には限界があると思っています。

 ご承知のように、一昨年9月11日にアメリカ同時多発テロが発生しまし
た。私たちがそこから学んだのは「あの強力な軍事力をもつアメリカでさえ
テロを防げなかった。すなわち、武力では物事を解決できない」ということ
だったのではないでしょうか。

 武力紛争やテロの背景となる元のところを無くしていかなければ、真の問
題解決にはならないと思うのです。背景があるからテロも仕方ないといって
いる訳ではありません。今必要なものは、社民党の植田至紀議員も「未来総
理」第26号でおっしゃっておられるような、軍事力によるのではなく人道支
援を中心とした「人間の安全保障」だと私も考えるのです。

 この考え方の基本は、武力による手段は国と国との関係を決着させること
はできるかもしれませんが一番大切なことがらである「人間に対するケア」
を欠落させてしまうということであります。武力行使の過程では多くの罪の
ない人々が戦闘に巻き込まれ、生命を失ったり負傷を負ったりします。

 戦いは結局、弱い立場の市民を傷つけ、人間相互の憎悪を生み出すものな
のです。かつての湾岸戦争で米軍が使用したウラン劣化弾の放射性物質によ
りイラクの多くの子どもたちが白血病などの病気に今なお苦しめられていま
す。人々にとっては正義の戦いなどはあろう筈がないということを強調した
いと考えるのです。

 もちろん、こんなことを言うと「平和ボケ」と批判されるかもしれません。
しかし、「目には目を!」「近くに脅威があるのだから戦力をもたなくては
ならない!」「日本は独自で持てる力には限りがあるので米国の軍事力に頼
らなくてはいけない!」という考え方は危険きわまりないと思うのです。む
しろ、そんな考え方こそが戦争の悲惨さをいつの間にか忘れてしまっている
という点で「平和ボケ」ではないのか?と思います。

 この3月31日に日本と韓国の国会議員が「北朝鮮の核開発問題の平和的
解決に向けて」というテーマでシンポジウムを行ないます。両国とも与野党
の議員が参加するのですが、韓国からは18名の国会議員が来日される予定
です。

 彼らの思いは「万が一北朝鮮が暴発すると、境界を接している韓国と海一
つしか隔たっていない日本にも大きな被害が及ぶ。アメリカにはお願いだか
ら武力攻撃しないでほしい。平和的に解決していこう。しかし、そのために
は、韓国一国ではなく日本、中国、ロシアそして米国などが協調して事にあ
たっていかなくては影響力が発揮できない」ということだと思います。

 力による抑止力を全く否定する訳ではありません。しかし、力による抑止
力というものは「本当に行使する」という不断の「戦争の覚悟」というもの
が不可欠です。そして、この点が最も問題なのですが、最大の抑止力は結局
は核武装であるということなのです。しかし、考えてもみてください! 万
一すべての国が核を持つなどということになったら、それは世界滅亡への危
機的な事態ではありませんか。

 日米安保というものは、自衛権をもっていても行使しないという日本をど
う守っていくかという中で、次善の方法として出てきたものだと思います。

 日本が平和であるためのベストの善なる追求は、もちろん国連であったと
思います。第二次世界大戦後に突入した東西冷戦の中、「とりあえず」とい
う条件で生み出されたのが次善の策の日米安保ということだったのだと思い
ます。

 もちろん、その果たしてきた役割を決して全否定するつもりはありません
が、東西冷戦の終わった今こそ、あるべき国連中心の平和維持と推進という
姿をめざして世界が努力をしていかなければならないと思うのです。

 その意味で、今回の米英軍によるイラク攻撃には悲しみを覚えます。

 国連を分断し、イスラム諸国やアラブ諸国と西側諸国(と言っても、米、
英、スペインなどですが、残念ながらそこに日本も入っています)との溝を大
きくし、かえって世界を不安定にさせてしまいました。北朝鮮の問題につい
ても、今のアメリカのやり方が「結局、アメリカは攻撃してくる。これを抑
止するのはやはり核武装しかない」と北朝鮮を追い込んでしまっているので
はないかと心配です。

 今日の情勢をみていると、北朝鮮が「多国間による話し合いよりも、とに
かく米朝で話し合いをしたい」と執拗に主張してきた理由がわかるような気
さえします。

 世界のいかなる国も単独では生きていけません。立国できないのです。

 東西冷戦が終わり、ソ連や中国からの支援をほとんど期待できなくなった
北朝鮮は、その点では想像以上の苦しい状況におかれているのだと私は思い
ます。

 北の「核武装による威嚇外交」という手段はもちろん承認できるものでは
ありません。日朝間の様々な問題を考えると難問は山積しているとも思いま
す。しかし、それだからこそ、北朝鮮という国が国際社会の中で生きていけ
るよう平和的話し合いの場・環境を私たちこそが早急に作り上げていかなく
てはならないと考えるのです。

 一言で結論を言えば、私は国連を中心とした国際協調により世界の平和と
繁栄は維持され、地球上の全ての人々の希望に満ちた未来に向って推進・拡
大されていくべきであると考えるものです。

 そのために私は粉骨砕身努力してまいる覚悟です。

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 ■「イラク戦争には、ひとかけらの道理も大義もない」
         小池 晃(こいけあきら・参議院議員・共産党・比例)
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 イラクに対する戦争が始まりました。無法な先制攻撃を断じて許すわけに
はいきません。戦争に突入した米英とそれをいち早く支持した日本政府を、
怒りを込めて糾弾します。

 小泉首相は開戦直前まで「国際協調」を繰り返していましたが、世界の大
勢は「査察継続」だったのですから、アメリカに戦争阻止を働きかけること
こそ「国際協調」だったのではないでしょうか。「その場の雰囲気で」戦争
支持を決めた小泉首相には、憲法9条をもつ国の首相の資格はありません。

 この戦争はどこから見てもひとかけらの道理も大義もありません。

 第1に国連憲章に対する明白な違反であり、ルール破りの無法な戦争です。

 米英や日本政府は過去の国連決議で合理化していますが、武力行使を認め
た「国連安保理決議678」は、13年前の湾岸戦争の時にイラクがクウェー
トから撤退しない場合の武力行使を認めたもの。すでに12年前、イラクは
撤退しているのですから、この決議で武力行使など認められるはずがありま
せん。

 自民党の久間章生政調会長代理も「いったん終わった戦争が続いていると
いう理由で攻撃をするのは常識的には無理」(2月14日『朝日』インタ
ビュー)と言っています。

 だからこそ米英は、買収工作までして新しい安保理決議をあげさせようと
したのでしょう。それが国際社会から支持されないと見るや、「今までの決
議で戦争できる」というのですから、あきれた身勝手さです。

 第2に、せっかく平和解決の道が開かれようとしていたときに、それを乱
暴にうち切るものだからです。

 国連査察団は、大量破壊兵器の廃棄のためには「数ヶ月間の査察延長」が
必要だとしていました。国際世論の圧力で、大量破壊兵器の査察をようやく
イラクが受け入れ始めようとしていたのです。

 平和解決という人類の理性が発揮されようとしていた矢先に、米英は「も
う待てない」と武力行使に走ったのです。これではそもそも平和解決したく
なかったと言われても仕方ありません。

 武力でアメリカ言いなりの政権をつくるなどということは最悪の内政干渉
であり、世界を「ノンルール」にします。

 第3に罪なき人々の命を奪う戦争だということです。地上戦も始まり多く
のイラクの民間人が殺されています。国連の調査でも50万人の被害者、
300万人の国内外の難民が発生するとのこと。とりわけ5才未満の子供、
妊娠中、授乳中の女性に深刻な健康被害が出るといわれています。絶対に許
せないことです。

 政府・与党からは「北朝鮮問題があるからアメリカを支持するしかない」
などという声も聞こえます。しかし、これはあべこべではないでしょうか。

 自分の気に入らない政権を武力で押しつぶすなどということがイラクで行
われれば、北朝鮮の問題も、「戦争で解決」となりかねません。あの国際常
識の通用しない国に、武力一本槍の対応をすればどんな危険なことになるか、
背筋が寒くなります。

 北朝鮮のミサイル発射などは日朝平壌宣言に違反しており許せませんが、
北朝鮮問題の平和的解決のためにも、イラクで「査察による平和解決」とい
う前例をつくる必要があるのではないでしょうか。

 戦争勢力を、後ろから世論と運動ではがい締めにしてでも、戦争を即時中
止させましょう。私も国会論戦、街頭での宣伝、選挙戦での訴えなどあらゆ
る場面でNO WARを訴えます。

 戦争を憎むみなさん。毎日どこかで反戦集会やパレードが行われています。
ご一緒に戦争反対をアピールしましょう。


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  編集後記             弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 「武力」が戦争の抑止力になるかどうか、という点に関しては、読者の間
でも意見が分かれています。

 「常識の通じない無法者国家がある以上、警察が必要なのと同様に、時に
は武力の行使もやむをえない。自国の安全を確保するには、当然、武力の備
えが必要」というのが一つの考え方。

 もう一つは、「武力による解決は、暴力の連鎖を生むだけ。結局、犠牲に
なるのは、もっとも弱い民衆だ。武力を抑止力とすれば、各国の軍拡に歯止
めがなくなる」とする考え方。

 あなたはどちらの意見に共感しますか? また、日本は、世界のなかで、
どんな役割を果たすべきなのでしょうか。

 ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。


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  次号予告
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 次号は「防衛論」の最終回。発行は4月7日です。

 福島瑞穂議員(社民党)、山井和則議員(民主党)、
 荒木清寛議員(公明党)が登場します。

※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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  未来総理メンバーの紹介
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「未来総理」に参加してくださったのは、次の19名の方々です。(敬称略)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・比例南関東)
  植田至紀(社民党・比例近畿)  大村秀章(自民党・愛知)
  近藤昭一(民主党・愛知)    鈴木康友(民主党・静岡)
  達増拓也(自由党・岩手)    樽床伸二(民主党・大阪)
  野田佳彦(民主党・千葉)    春名直章(共産党・比例四国)
  細野豪志(民主党・静岡)    丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・比例近畿)  山村 健(無所属・比例東海)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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発行人・編集人:弘中百合子
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