山本聡子 ★★★☆
細かいことは抜きにして、とてもパワフルな娯楽映画。刑務所の中だって、処刑台の上だって、人生はショータイム。 囚人だろうが、死刑囚だろうが、だれもが舞台の主人公なのだ。ショーと現実の錯綜する場面の変化もテンポ良く、歌も踊りもとても痛快。
1920年代のシカゴの危険な雰囲気も魅力的。これは女性による、女性のための映画ですね。一番光っていたのはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。 リチャード・ギアはちょっと弱かった。やっぱりミュージカルは楽しい。うじうじ考えても仕方ない。自分も舞台の主役を演じる気分で、人生を楽しまなきゃ損。
そんな気持ちにしてくれた。
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中沢志乃 ★★★☆
ご存知アカデミー賞12部門に輝いたハリウッド大作。第一次大戦が終わり、好景気に沸いて社会が急激に変化した1920年代のシカゴ。 人々が都市へ都市へと出てきたRoaring20s(狂騒の20年代)と呼ばれた時代に有名になることだけが生きがいだった2人の女性がいた。
そのためには手段を選ばない2人の栄枯盛衰を描いた作品だが、なんといってもパワフルなダンスが素晴らしい! たくましく生きる力がズンと伝わり、実生活でも元ダンサーのキャサリン・ゼタ=ジョーンズが理想の美しさで圧倒する。
ストーリーは思ったより単純だが、編集もスピーディで飽きさせず、是非また、舞台でも見てみたい作品。
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増田統 ★★★☆
素人のスター志願は、禁酒法時代よりも現代にこそ身につまされる。開巻早々、舞台上でスポットライトを浴びるヴェルマの雄姿に、 自らの憧れを重ねたロキシーの妄想を目の当たりにした瞬間、監督ロブ・マーシャルの作劇は成功した。ミュージカルは肉体の躍動こそがモノをいう。
ロキシー役にレニー・ゼルヴィガーが起用されたのもそれゆえだろう。『ブリジット・ジョーンズの日記』では消防署で大胆な尻もちをついたレニーの、 そんな共感を誘わずにはおかない身体性は、平凡な主婦のつかの間のシンデレラ・ストーリーを説得力あるものにする。それに加えてあの声だ。
こうして、夢物語の中で活きたレニーの親近感に裏打ちされた普遍性は、誰もがスターになりえる今、現代のリアリティを生み出した。
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にしかわたく ★
なんだぁーこの退屈さ。2時間が長いこと長いこと。(オスカー作品なのであえて辛口で行きます)まずお話が陳腐。 ホンチャンの舞台ならこのシンプルさが生きるのかもしらんが、映画としてみるとひたすら嘘くさいだけ。もとがいくら良くても、
舞台をフィルムに置き換えただけじゃあ面白い映画にはなりまっせん!そして主役のレニー・ゼルヴェガーが悲しいかな完全に役不足。 ライバル役のゼタ=ジョーンズがかなり強烈なので、完全に喰われてました。「ミュージカル映画ってもっと楽しいはずだ!」と思い、
口直しにビデオで『オールザットジャズ』を見直してしまいました・・・。
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