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「今日の夕食、何を作ればいいんだろう・・・」。そう思って頭を悩ませているあなたは善い人です。なぜなら、食卓へ集う者たちに幸福なひとときをもたらさんがため、自ら苦しみの中に答えを見出そうとしているのですから。このブログは、そんな愛ゆえに迷える子羊たちの道しるべ。何を作ろうかと悩んだ人は、チラッとのぞいて見てください。あなたが望んでいた、お手軽&愉快な料理のレシピが待っています、PER-HAPS、MAYBE!
| 唐突ですが、皆様は「チキンミヤビヤ」という料理をご存知でしょうか。 あそう、知らない・・・・まあ、それもしょうがないですね。この料理は東海地方のごく一部でのみ知られた古い洋食で、聞くところによるとメニューに載せているレストランも今や老舗の何軒かしか残っていないとのこと。ただ、我が家では祖父から母へとこの料理が伝えられておりまして、私もその伝承者として今もたまに作ってみたりするのであります。 ちなみにこの料理の主要な材料のひとにキノコがあるのですが、うちの祖父も母も使っていたのは、なぜか必ずマツタケ。じいさんの時代はマツタケも安かったので比較的気軽に使えたのでしょう。ただ、さすがにそれだと試しづらいし、秋の今時分以外は作れないので、今回はエリンギを使ってアレンジしてみました。
「平成流チキンミヤビヤ」
【材料】 鶏モモ肉 1枚 エリンギ 1パック(シメジやシイタケなどでもOK) タマネギ 1/2個 卵 1〜2個 バター 大サジ2杯 ビーフシチューもしくはハヤシの素 1カケ(商品によって適宜調整を) トマトケチャップ 大サジ1〜2杯 塩・コショウ 粉チーズ適宜
【作り方】 @鶏モモ肉はひと口大、タマネギは5mm幅程度、エリンギは縦半分くらいに裂いてから2〜3cmの長さに切っておく。 Aフライパンを強火にかけてバターの半量をとかし(焦がさないように注意)、塩・コショウを振った鶏モモ肉を入れてこんがり色づくまで炒める。 B一旦、フライパンから鶏モモ肉を取り出し、残りのバターを入れてタマネギとエリンギをしんなりするまで炒める。 C再び、鶏モモ肉をフライパンに戻し、ひたひた程度に水を加える。沸騰したら火を弱めてビーフシチューの素を加え、よく溶かしてからトマトケチャップと塩・コショウで味を調える。 D耐熱性の器に移して中央に卵を割り落とし、弱火のオーブントースターに入れて4〜5分加熱する。 E白身が固まってきたら粉チーズを上に振りかけ、オーブントースターの火を強めて焦げ目が付くまで熱したら出来上がり。
ところで、この「チキンミヤビヤ」という名前の意味ですが、いろんな人が調べたみたいですが結局、はっきりしたところはわかっていない模様です。私も子供の頃、祖父に聞いたのですが、答えはというと「これは本当は、チキンミヤービヤーっちゅうんだ」・・・。全然回答になっておりません。 まあ、名前の意味はともかく、古きよき時代の洋食の味、一度お試しください。 2014/10/22 |
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| 先日、家庭画報の仕事で日本の伝統食材について取材をする機会がありました。話を聞くと、昔は当たり前のように家庭で利用されていた伝統食材も、今ではすっかり出番が減ってしまったうえ、作るのに手間ひまがかかることもあって、どこも後継者難。いつまで作り続けられるかわからない、というケースが多いんですね。 確かに自分の周りを見ても、派手なパーティー料理などに興味を示す者はいくらでもいるけれど、伝統食材を使った料理を習い覚えようとする者なんて、とんと見かけませんから。こうして古きよきものは次第に失われていくんでしょうなぁ・・・。 そんな愚痴を垂れていてもしょうがないので、今回は日本の伝統的保存食オンパレードで作った簡単料理をご紹介いたしましょう。
「乾物尽くしの小鉢」
【材料】 高野豆腐 3枚 寒干し大根 5〜6個(凍み大根や割り干し大根でもOK) 干しシイタケ 4枚 凍みこんにゃく 4枚 ゴマ油 大サジ1〜2杯 白ダシ 大サジ3〜5杯(商品によって適宜調整を) 水 適宜
【作り方】 @高野豆腐、干しシイタケ、寒干し大根、凍みこんにゃくをそれぞれ袋の表示に従って戻す。干しシイタケと寒干し大根の戻し汁は、あとで使うので捨てないように注意。 A戻した具材をすべて一口大に切る。 B鍋を中火に掛けてゴマ油をひき、高野豆腐以外の材料をサッと炒める。 C寒干し大根と干しシイタケの戻し汁を合わせて鍋に入れる。量は、具材がひたひたに隠れる程度が目安。そこに高野豆腐と白ダシを加えて、お吸い物よりちょっとしょっぱい程度の味に調える。 D煮汁が煮立ってきたら弱火にして10分ほど煮る。 E一度冷まして味を含ませたら出来上がり。
ちなみに、凍みこんにゃくというのは、茨城県の奥久慈地方で作られている伝統的な保存食。一度は作る人が絶えそうになり、幻の食材になる寸前だった郷土の味です。もし、凍みこんにゃくがなければ、普通のこんにゃくで代用していただいてもOK。好みでニンジンやゴボウ、サヤインゲンなどをプラスしていただいてもけっこうです。 すべて保存食品で作れますから、覚えておくといざというときに便利。先日の大雪のときも、買い物に出るのがたいへんだったので、これの出番となりました。乾物を戻すのが面倒とかぬかす人がいますが、やってみたらたいした手間ではありません。 色合いは地味ですが、味は滋味たっぷりでご飯にも日本酒にもよく合います。ぜひお試しあれ。 2014/02/24 |
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| 気が付けば、あんなに暑い暑いと言っていたこの夏も終わりを迎えようとしております。それにからんで思うことがひとつ。 不動産物件を見る際、好条件のひとつとして絶対に出てくるものに「日当たり良好」ってのがありますね。でも、こうまで暑くなってしまった日本において、日当たりがいいって、そんなにうれしい話なんでしょうか。 というのも、今の我が家っていうのは北向きの一階で、たいして日当たりのいい部屋ではないんですよ。しかし、ここへ引っ越してから痛感するのは、なんて夏が過ごしやすいんだ、ということ。昼間でも天気予報で騒いでいるほど暑いとは思わないし、夜に冷房を入れるのなんて寝る前のちょっとの間だけでOKですから。今年、本気で夜中まで暑いと思ったのは最低気温が30度を越えた8月11日くらいでした。前に住んでいたのが真南に向いた最上階の部屋で、夏になると午前6時過ぎには30度をはるかに越える蒸し風呂状態になり、夜になっても汗びっしょりだったのに比べると雲泥の差であります。今の建物はすぐそばを荒川が流れていて、ヒートアイランド現象の影響が少ないというのもあるんでしょうが、それにしても前はよくあんな暑い部屋に住んでいたな・・・と思います。 もちろん、「冬は寒いだろ」っていうのはありますが、夏の暑さの鬱陶しいことに比べたら、自分にとってはずーっとマシ。何年か先には、そう考える人が増えて、北向きの間取りが人気を増すかもしれませんねぇ。 さて、今回の料理は何かというと・・・涼しくなって食欲も増してきたことと思いますので、魚の空揚げをば。それもちょっと贅沢にオリーブオイルで揚げた地中海風の空揚げです。これと白ワインの取り合わせは、もう絶品。ホームパーティーのメニューにもバッチリです。作り方自体はきわめて簡単だし、最近はオリーブオイルも安く買えるので、揚げ物はどうも・・・などと言わず、ぜひチャレンジを。
「地中海風 小魚の空揚げ」
【材料】 ●新鮮な白身魚(メゴチ、ハゼ、キスといった天ぷら向きの小魚のほか、ワカサギ、キビナゴ、ウマヅラなどでも◎) 好きなだけ ●オリーブオイル 700cc〜1000cc ●塩、コショウ 適宜 ●片栗粉 適宜
【作り方】 @キビナゴやワカサギなら、頭と内臓を取って塩水で洗えばOK。それ以外は三枚におろすか開きにして中骨を取ります。魚をさばきたくない方は魚屋にやってもらってください。 Aさばいた魚の身に片栗粉をまぶし、余分な粉をよくはたき落とします。 Bオリーブオイルを熱して魚を揚げます。温度は高めの180度前後(割り箸を油に突っ込んだとき、表面が勢い良く泡立つくらい)。時間は中骨が付いたもので1〜2分、下ろした身なら30〜40秒でOK。揚がった魚は、すぐキッチンペーパーに取って余分な油を切ります。 あとは、揚げたはしからテーブルに運んで、熱いうちに食べるだけ。味付けは塩、コショウだけでもけっこうですが、それでは寂しいならレモンやライムを添え、市販品でいいのでジェノベーゼソースやタプナードなんかを一緒に出しときましょう。塩も普通の食塩ではなく、塊の岩塩と小さなおろし金をセットで出し、各自にすりおろしてもらうと、ちょっとしゃれた演出になります。 2013/09/20 |
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