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ロゼッタストーン日記

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第21部 「鶴の里からの恩返し」


女編集長起業奮戦記
ロゼッタストーン日記
ついに書籍化!
「ロゼッタストーン日記」第1部(ロゼッタストーンは本当に創刊できるのか)が、
『女編集長起業奮戦記』という本になりました!
>>詳しくはこちら

いつもご愛読ありがとうございます。

今年はロゼッタストーン創立20周年の年。山口県の鶴の里、八代(やしろ)から初めて書籍を発行します。

昨年「世の中を逆に見る」をテーマにしたら、突然地元に帰ることになり、本当に視点が変わって地方から全国を眺める立場になりました。今年は「恩返し」をテーマにしたので、お世話になった方々への恩返しの始まりの年になるとよいな…と願っております。

本年も波瀾万丈のロゼッタストーン日記をどうぞよろしくお願いいたします。

ロゼッタストーン 弘中百合子


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◆山口出版チャレンジ…11月15日日記
今年になって自費出版のチラシを配ったり、「あなたも出版プロデューサー」という企画を始めたりと、山口の著者発掘をめざしてきたのだが、有望な著者が3人見つかったので、来週から「山口出版チャレンジ」と題して、著者と一緒に出版をめざすことにした。本を2冊以上購入してくれるサポーターが500人集まるか、購読予約が1000冊を突破したら1年以内に全国発売する。ハードルは高いのだけど、実力のある著者がそろったので、出版できる可能性は十分あると思う。

1冊目は野菜ソムリエの西川満希子さんと吉田聡さんがタッグを組んだ『ヤサイコトバ』。西川さんは山口県の人で、山口放送の「熱血テレビ」にお料理コーナーで出演している。「野菜ソムリエアワード」という全国の野菜ソムリエが集まる大会で銀賞(第2位)を受賞した野菜ソムリエ界の実力者だ。花言葉のような野菜言葉を考えだし、野菜の魅力の普及に務めている。吉田さんは福岡の人で、「野菜ソムリエアワード」で金賞(第1位)を受賞したことがある。野菜の絵を得意とし、絵の個展なども開催している。『ヤサイコトバ』では、文章を西川さん、絵とデザインを吉田さんが担当し、野菜ソムリエ1位2位コンビで、出版をめざす。

2冊目は、私と同じ名字の弘中勝さん(親戚ではない)の『厳島戦記』。弘中さんが発行する「ビジネス発想源」というメールマガジンは、発行部数10万人以上。メールマガジンを発行する「まぐまぐ」で「まぐまぐ総合大賞」に輝いたこともあるメルマガ界の第一人者。『厳島戦記』は、岩国の戦国武将、弘中隆包(たかかね)の戦いを描く歴史小説だ。弘中さんは、直系ではないが、隆包の子孫の一人。祖先について調べたものを、ドラマティックな歴史小説にまとめている。山口県といえば維新のイメージが強いけれど、戦国時代も面白いのだ。

3冊目はライターや映画コメンテーターとして活躍している大橋広宣さんの『発達障害で何が悪い!』。山口朝日放送の情報番組「どき生てれび」で映画の紹介・解説を担当し、周南映画祭実行委員会委員長も務めている。大橋さんは発達障害のADHD(注意欠如多動症)、LD(学習障害)で、学生時代はずいぶん苦労したという。この大橋さんが自分自身の体験から、「発達障害で何が悪い!」「発達障害で良かった!」「発達障害だからこそ、今がある!」そう思えるようになった軌跡を綴ってくれるのだ。

山口関連でいい企画が3本も揃った。あとは、この企画が実現するよう、著者とともに頑張らねば! みなさんも応援してくださいね!


◆どんなに田舎でも世界とつながっている…11月5日日記
最近、インターネット上で、外国人に日本語を教えている。たまにしか依頼はないし、ギャラはほんの僅かなので、副業というよりも趣味の領域なのだが…。

インド、韓国、台湾など、国籍はさまざま。日本に興味を持っていたり、日本で働いている外国人と話すのはとても楽しい。八代という山口県の田舎にいて外国の人と喋れるなんて、インターネットというのは素晴らしいなあ。

レッスンはインターネットを使ったテレビ電話(ビデオ通話?)で行われる。画像も音声もかなりクリアだ。これなら面と向かって話すのとそんなに変わらない。

子供の頃、SF小説に出てきたテレビ電話が、いま現実のものとなり、八代と世界をつなげている。空飛ぶ車もいま開発が進んでいるようだし、人口知能を持ったロボットも開発されている。私は過去に描かれていた「未来」の世界に生きているのだ。SF作家の想像力ってすごいと思う。

最近はすぐに役立つ技能ばかりを重視しがちで、国語教育も、文学を学ぶ時間が減り、より実用的な文章に時間が割かれる傾向にある。でも、子供の頃にわくわくして読んだ小説のイメージが、将来の大発明を産むことだってある。ノーベル賞を受賞した科学者が基礎研究の大切さをよく訴えているけれど、想像力をはぐくむ文学の力も軽視してほしくない。人間は自分が想像できるものしか生みだせないのだもの。

それにしても、日本語を学ぼうとする意欲がある外国人は、みんな日本語が上手で感心する。私の英語なんかよりも、はるかにレベルが高い。

人口が減少していく日本では、今後、労働力不足で外国人の数はもっと増えていくだろう。価値観の衝突も起きるに違いない。そこを埋めるのは、やっぱりコミュニケーションだ。質の高い日本語学校と並行して、外国人労働者やその子供たちが気軽に日本語でお喋りできる場が各地にできるといいのに。


◆「獺祭」の蔵元を見学…10月25日日記
先週、東京でお世話になった方々が山口に遊びに来てくれた。「獺祭」(だっさい)の蔵元(旭酒造)見学に行くというので、私も便乗した。地元にいると、わざわざ蔵元見学に行く機会はなかったので。

獺祭の蔵元があるのはロゼッタストーンがある八代から車で30分くらいのところ。八代と似たり寄ったりのかなりの田舎である。そこにどーんと12階建てのビルが建っているのにまずびっくり。細い道をはさんで反対側には、これまた山口とは思えないおしゃれな獺祭ストアが。それもそのはず、この建物は、東京オリンピックのための新国立競技場を設計した建築家、隈研吾氏が手がけたものなのだ。

「山口の山奥の小さな酒蔵」みたいな看板が立っていたが、小さくないじゃん! 近々ニューヨークにも酒蔵を建設するそうだ。

酒蔵の内部は明るくきれいで清潔に保たれ、酒蔵というよりも「工場」のイメージ。仕込み中のお酒は、温度の変化などがそれぞれのタンクごとにグラフ化され、きっちりデータ管理されている。職人さんが長年のカンに頼ってやっていた作業を、誰がやっても安定した品質のお酒になるように作業工程が改良されているのだ。

私は運転役だったので飲めなかったが、見学のあと試飲もできる。「純米大吟醸50」「磨き二割三分」「磨き三割九分」「発泡にごり酒スパークリング50」の飲み比べだ。「どれも美味しい。こんなに飲めるなんて試飲のレベルを超えている」とみんな大喜びだった(たくさんお土産用のお酒を買っていたから、獺祭側も喜んだと思う)。

こんな田舎から世界に進出する有名酒造が出たことは地元民として誇らしい。リニューアルしたロゼッタストーンWEBに掲載した弊社のキャッチフレーズは、「山口県ナベヅルの里にあるちいさな出版社」。キャッチフレーズは似てるんだけど、うちの場合は、正真正銘の「小さな」なんだよなあ……。もっと頑張ろう!!


◆「萌えサミット」と「山の中のクラフト展」…10月15日日記
こちらに戻ってきて初めて知ったのだが、周南市には他県からも来てくれるようなイベントがいくつかある。

今月13日には、周南市の徳山駅周辺で、「萌えサミット」が開催された。これは、アニメ、マンガ、ゲーム、コスプレなどの「萌え」が集まる集い。徳山が一日だけ東京の秋葉原のような街になるのである。

いったいどんな感じなのか、ちらっと見学に行ってみた。マニアが集合する濃いつどいには入ってみる勇気が出なかったが、駅や商店街を歩いてみたり、駅構内で開催されていた作家の室積光氏のトークショーを聴いたり、少しだけ萌え気分を味わった。

アニメのコスプレをした若者があちらこちらにたむろしている光景は新鮮だ。日頃、人通りの少ない商店街にも活気が出ている。どのぐらいが地元の人で、どのぐらいが他県から来た人かわからないけれど、イベントの力はすごいなあ。

13日、14日と、八代から車で10分くらいのところで「山の中のクラフト展」というのも開催されていた。こちらにもちらりと顔を出してみたが、色とりどりのテントの下に、ガラス製品や、食器、革製品、アクセサリーなど、さまざまな手作り品のショップが並んでいる。山口県内だけでなく、福岡や広島からの出店もある。緑に囲まれた広々した場所なので、歩くだけでも気持ちがいい。食べ物や飲み物などのお店も出ている。まさか、八代からこんなに近いところで、こんな大がかりなイベントが開催されていたとは! 

どちらのイベントも、最初に「やろう!」と思いついた一人の人物がいたはずだ。そのアイデアを形にし、多くの人を巻き込みながら、大イベントに育てた実行力に感心する。


◆あなたも出版プロデューサー…10月5日日記
10月から「あなたも出版プロデューサー」という企画を開始した。
http://www.rosetta.jp/topimg_new3/producer.pdf

「この著者なら同じ本を2冊でも買いたい」と思うくらいの熱狂的なファンが500人はいる、という本の企画を募集するのだ。賛同者が500人集まれば(あるいは合計1000冊の購読予約が入れば)、ロゼッタストーンが著者と交渉し、本を出版する。無事企画が実現したら、印税として2%(定価×発行部数×0.02)を企画提案者に支払う。(1500円の本なら1000部で3万円。もし、何度か増刷されて1万部発行したら30万円)

いまの時代、情報の収集力も発信力も、マスコミと一般の人々の差がなくなりつつある。ある特定の分野に関しては、マスコミ人はとても「その世界が大好きな方々」にはかなわない。

この企画は、一般の販売ルートにのせるほど著名ではないけれど、500人くらいは確実にファンがいる著者の本の発売を実現させようというもの。価値観が多様化した今、ニッチな市場にも書籍化の可能性を広げることをめざしている。

書籍の世界は、出版社の企画による出版か自費出版がほとんどだが、一般人でも気軽に本の企画を立て、出版流通を可能にする仕組みをつくれば、不況が続く出版業界も、少しは活性化するのではないだろうか。草の根出版が広がれば、もしかすると、その中から思わぬ大ヒットが生まれるかも……??

山口(長州)といえば、吉田松陰が草莽崛起(そうもうくっき)論で在野の人々の決起をうながし、高杉晋作が武士以外の人々も起用して奇兵隊をつくったお国柄。これぞ、出版界の草莽崛起じゃー(←おおげさ)。

ロゼッタストーンには時々、出版の相談もあるのだが、資金力のない小さな出版社ではリスクを負うのが難しく、期待に応えられないことがほとんどだった。でも、インターネット上で購読予約者を募るのなら、どんな人にもチャンスを与えてあげられる。著者自薦も受け付けるので、本を出したい方は、ぜひチャレンジしてみてくださいませ。(著者の原稿料は50万円。増刷時からは印税8%を予定)


◆美味しい「くまげ」♪…9月25日日記
昨日、熊毛地域での経済的な人的交流や特産品づくりなどをめざす「くまげ地域経済活性化実行委員会」というのに参加した。参加者は、 熊毛地域の農家や、農産物加工所の方、地元レストランの店主、地元高校の校長、中小企業診断士、地域の銀行支店長、日頃から地域活性化のために活動している方々など。

そこで出たお弁当とスイーツが、めちゃくちゃ美味しかった。「タベルナタベタ?」という地元のレストランが作った、地元の食材を使った創作料理なのだが、東京のデパ地下で売っている高級弁当よりも美味しいんじゃないかしら。いちじくのチーズケーキがまた絶品だった。こんなに美味しいチーズケーキは、滅多に食べられない。外食歴が長く、食いしん坊の私が言うんだから間違いない。

先月は、野菜ソムリエの西川満希子さん、吉田聡さんが開催した「ヤサイコト画」という展示会を見に行った。会場は熊毛の三丘温泉にある割烹旅館「三水園」で、希望者は野菜の会席料理をいただくことができた。こちらもシンプルに見えてかなり凝った創作料理で、とても美味しかった。

熊毛にはレストランというものが数えるほどしかないのだけど、存在するレストランのレベルが非常に高い。「四季音」というレストランも雰囲気がよくて美味しかったし、「ピッツェリア ヴェントゥーノ」というピザのお店は人気があって、私が行った日は満席で入れなかった。

昨日の参加者の一人が「熊毛の人は美味しいものを食べ慣れているから、美味しいことに気づかない」と言っていたけれど、 熊毛の食の偏差値はかなり高いと思うな。 摘みたての野菜や獲れたての魚を食べるのが普通だしね(だから太ってしまうのだが)。


◆秋はなにかと忙しい…9月15日日記
まだまだ暑い日が続いているが、畑ではトマトなどの夏野菜が終わり(ナスはまだ残っているが)、冬野菜を植える時期である。我が家の畑でも今月に入って種や苗を植えた大根、白菜、ほうれん草、カブ、春菊、ブロッコリーなどが順調に育っている。

あれからムカデは姿を見せず、時々部屋に遊びに来るのはコオロギだ。コオロギは襲ってこないので、見つけたらティッシュでつまんで外に出してやっている。野菜の苗を食べてしまいそうだから、本当は駆除しなくちゃいけないのかもしれないけど。

今日は採れたての新米が届いた。八代には梨・ぶどうをつくる農園が一軒あり、いまが最盛期だ。今年はサンマは不漁らしいけど、イワシは安くて美味しい。味覚の秋。うーむ。これ以上太らないように気をつけねば。

これまでは賃貸のアパートやマンションに住んでいたので「庭」というものに縁がなかったが、大した庭でなくても庭木があると「剪定」という作業が必要になる。今まで母親が自己流にやってきた作業を、最近私も時々手伝っている。

私がやるのは「剪定」というより「木の散髪」で、明らかに伸びすぎているような枝をカットするだけ。どの枝を残すとか、難しいことは全然わからない。ツツジや生け垣などは、大きなギザギザの刃が電動で動く剪定機を使って頭を平らにしていく。この剪定機は素人でも簡単に見た目が揃うので面白がってやっていたら、うっかり刃で電気のコードを切ってしまった(しかも2回目)。ああ……。私ってば作業をするたびに、何かを壊している気がするなあ。


◆ムカデとの対決again…9月5日日記
今年の春駆除業者に来てもらって以来、部屋の中でムカデの姿を見ない平穏な日々が続いていた。ただ、業者の人は「薬の効き目は3ヶ月」と言っていたので、若干の不安を感じていたところ……でたーっ!!

3日前の夜、寝ていると背中にチクリとした痛みを感じた。上手な看護師さんが打ってくれる注射くらいの痛みで大したことはなかったのだが、もしや…と布団をめくってみると、長さ3cmくらいのムカデの赤ちゃんが布団の上を歩いていた! すぐに駆除したが、赤ちゃんがいるってことは、親もいるっていうこと。このままじゃ安心して寝られないではないか。だけど、駆除業者に頼むと料金が高いし、11月になればムカデは冬眠するわけだし、あと2ヶ月の辛抱なのよね……。

よし、今回は自力でなんとかしようと、床下に「アース 虫コロリ霧タイプ」(くん煙剤)を入れてみることにした。翌日、ちょうど姉が親の様子を見にきたので、ムカデ退治に引っ張りこんだ。

駆除業者さんは、畳を1枚はがし、そこから床下に入って家全体に薬剤をまいてくれたのだが、今回は、とりあえずムカデがよく出没する私の寝室の下だけにくん煙剤を置くことにした。(なぜか母の部屋にはムカデが出ないのだ。母は、私が太っていておいしいのだろうと言っている。霜降りか!)

このくん煙剤は、足で踏むと一気に霧状の薬剤が広がっていくしくみ。畳をめくると、シートが張ってあり、シートをめくると、板が並んでいる。板を1枚めくって、床下にくん煙剤を置き、ペダルを押し、すぐに板をかぶせ、シートで覆い、その上に畳を置く。薬剤が部屋に充満しては肝心の床下に広がらないので、スピードが重要である。

姉が床下に置いたくん煙剤のペダルを長い棒で押した。たちまち白い霧が噴出する。「わーーっ」と騒ぎながら、2人で板をかぶせ、シートを敷き、畳を元に戻す。シートは多少よじれてしまったが、細かいことを言ってはいられない。女二人の共同作業、まあまあ短時間でできたんじゃないかな。

次の日の朝、私の寝室の横の廊下で、ムカデの赤ちゃんが1匹死んでいるのを発見。その後はムカデの姿を見ていない。ムカデは無事駆除できたのだろうか。

ただ、このくん煙剤の侵入防止効果は1か月とのこと。あと1回は、同じ作業が必要かなあ…。


◆ロゼッタストーン創立20周年!…8月28日日記
8月20日、ロゼッタストーンは創立20周年を迎えた。リニューアルした「ロゼッタストーンWEB」には、ロゼッタストーンとナベヅルを組み合わせた新しいロゴが掲載されている。「ロゼッタストーン」は、2000年以上も前に古代エジプトで刻まれた石碑。「鶴は千年亀は万年」と言われるぐらい、鶴は長寿の象徴。これからも、ながーく読まれる本を作っていきたいと思っている。

ちなみに、ロゴを作ってくださったのは、地元のデザイナーで岩亀さんという女性。鶴と亀だし、ストーンと岩だし、会うべくして会った最強の組合せなのである。

WEBリニューアルで、「5日、15日、25日更新」という縛りがなくなったので、日記はこれから不定期更新になる。なるべくこれまで通り更新したいと思っていたのだが、さっそく更新がずれてしまった。人間ってやっぱり弱いわね…(というより、私がだらしないのだが)。→ということで、また5日、15日、25日更新に戻すことにしました。

8月25日に東京大塚の中華料理店「同心居」で「ロゼッタストーン20周年記念食事会」を開催した。ロゼッタストーン関係者だけでなく、昔勤めていた会社の同僚や高校の同級生、太極拳仲間なども参加してくれた。「同心居」は、私の太極拳の先生(中国出身)のお勧めの店。美味しくてボリュームたっぷりだと好評だった。

ここで、『大腸がん』の本を監修してくださった都立駒込病院の高橋先生と私の太極拳仲間がなぜか意気投合。高橋先生が、近々太極拳教室に見学に行かれることになったという。人間の出会いって、どこで何があるかわからないのが面白いなあ。

「これからは地方の時代だから、地方で頑張れ」とたくさんの人に励ましてもらった。地方ならではのメリットを最大限に生かし、今後は地元に根差した出版社として歩んでいくつもりだ。

秋には、参加者のなかから希望者を募って、「山口ツアー」を開催することも決定した。 ナベヅルが毎年八代を訪れてくれるように、たくさんの「渡り鳥人間」を呼び寄せることは私の今後の目標の一つ。「ながーく続くロングセラー」と「渡り鳥人間の渡来地」を目標に、30周年に向けて頑張ろう!


◆「肩をすくめるアトラス」…8月15日日記
知人に教えてもらって『肩をすくめるアトラス』(アイン・ランド著・アトランティス発行)という本を読んでいる。文庫本で3冊。1冊が550ページから750ページぐらいある大作である。いま3冊目(第三部)の途中まで読んだところ。真偽は不明だが、帯に「アメリカで聖書の次に読まれていると言われているアイン・ランド」と書いてあるだけあって、いかにもアメリカ的な本である。

この本では、頭がよく才能も勇気も決断力もお金を稼ぐ能力もあり、自分の行動に責任を持つタイプの少数派と、才能がなくろくに働きもしないのに分け前だけを望むような人々との闘いが描かれている。才能がなくても権力を持つ人たちは、コネクションによって法律をつくり、「公共のために」「弱者のために」「公正のために」と、仕事ができる人たちの取引や生産量を制限し、実力では勝てない自分たちの組織へと利益を誘導する。

物語として読む分には非常に面白く、容姿端麗で才能もあるヒロインや有能な人々に肩入れしたくなる。「公共のために」と言いながら、一部の人が私腹を肥やすのは人間社会ではよくある話だ。実際に、「正義」の名のもとに、金持ちや知識人を攻撃したり吊し上げた革命もある。自分よりも恵まれた者を妬む気持ちが、時として暴走することは事実だろう。

物語は「他者のために」という欺瞞を暴き、「自分のために」働くことの正当性を説く。理不尽な仕打ちに立ち向かうヒロインを応援していると、「才能のある一部の人だけが富を独占するのは不公平だ」とか「人の役に立つ仕事を」と思っている自分の価値観が揺さぶられる。

でもね…、と、ふと現実に戻って考える。才能がなくても真面目に働く人がちゃんと報われることは必要だし、困っている人には手をさしのべるべきだと思う。物語に出て来る有能な人たちと同じ価値観に立つのには抵抗がある。私はやっぱり「和をもって貴しとなす」DNAが沁みこんだ日本人なのかな(ヒロインのように容姿端麗で飛びぬけた才能があるわけではないから、同じ土俵に立ちようがないんだけど)。

先日の哲学カフェのテーマは「自由と平等」だったが、この本は「自由と平等」を考えるのにぴったりだ。

いまの時点で、ヒロインの心はまだ、理想の資本主義の世界と欠点だらけの現実の世界の間で揺れ動いている。どんな結末を迎えるのか、さて、先を読まなくちゃ。


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