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ロゼッタストーン日記

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第26部 「体力をつけよう!」


女編集長起業奮戦記
ロゼッタストーン日記
ついに書籍化!
「ロゼッタストーン日記」第1部(ロゼッタストーンは本当に創刊できるのか)が、
『女編集長起業奮戦記』という本になりました!
>>詳しくはこちら

今年、ロゼッタストーンはいよいよ創立25周年を迎えます。なんと四半世紀! 超低空飛行ながら、よく続いたものだと思います。これも、株主様、スタッフの皆様、著者の方々、読者の皆様、取引先の皆様、家族や友人・知人などなど、多くの人がロゼッタストーンを応援し、見守ってくださったおかげです。心より感謝しております。ロゼッタストーンはまだまだこれからも頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。。

ロゼッタストーン 弘中百合子


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◆「未来総理」から2人目の総理大臣誕生!…10月5日日記
先日総理大臣に就任した石破茂氏は、ロゼッタストーンが2002年に創刊した超党派の若手国会議員メルマガ「未来総理」(2006年まで発行)の初代メンバー。「未来総理」メンバーが総理大臣になるのは、野田佳彦氏に続いて2人目だ。お祝いに当時の石破氏の文章を掲載します(この頃は防衛庁長官に就任したばかりだった)。


■「有事法制の整備と、真に実効性を発揮しうる防衛力の整備」
         石破 茂(いしばしげる・衆議院議員・自民党・鳥取)
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高い志あって政治家をめざしたわけでは決してない。政治家の家庭に育った私は、むしろ自分が政治家となることに否定的であったように記憶している。それがなぜ政治家になったかと言えば、参議院議員であった父が昭和56年に他界した折、父の親友でもあった田中角栄元総理から強い勧めを受けたから、というのが本当のところである。もちろん、最終的には自分で決断をしたことであり、田中元総理にその責任を転嫁するつもりは毛頭ないが。

政治家として何をすべきかが自分の中で明確になったのは、消費税導入と湾岸戦争が大きな契機であった。「たとえそのときは有権者に歓迎されないことであっても、国にとって必要なことを説得し、実行するのが政治の務めである」「冷戦後の日本はそれ以前の対米従属から脱し、自らの戦略を構築していかねばならない」そのような思いである。

私が安全保障問題をライフワークとして掲げるようになったのはこのような理由によるものである。

戦後半世紀あまり、我が国は平和を論ずる際に、とにかく戦争を憎み、そこから目を背けること、そして平和の尊さを訴え続けることこそが、その本質とされてきたのではなかったか。

しかしながら、残念なことではあるけれども、現実の世界は日本国憲法前文に謳われているような平和を愛好し公正と信義にみちみちた人々ばかりで出来ているわけではない。我が日本人が民主主義の下、享受している様々な権利や自由、そして福祉など、すべて国家の存在が前提であればこそである。

その国家が危機に瀕することのないためになにをすべきか。大切なものはそれに見合う努力によってこそ守られる、という実に当たり前の発想を我が国において確立することの必要性を痛感するものである。

具体的には、有事法制の整備であり、真に実効性を発揮しうる防衛力の整備である。さらには、自衛隊とはいったい何なのか、との基本的な問題も解決をみなければならないものと考える。

我々はこれらの課題を正面から国民に向けて語りかけては来なかった。しかし今や多くの国民がそれに耳を傾ける環境が醸成されつつあるように思う。このたび防衛庁長官を拝命したが、まさにこのような思いの下、全力を尽くしたいと願っている。

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この頃は、かなりタカ派のイメージが強かったけれど、20年以上経つと、もっとタカ派的な人がいっぱい出てきて、石破氏はいつしか穏健なイメージに。時代が変わると評価も変わるのね。

ついでに、「未来総理」創刊の頃のメンバーがいまどうなっているか、調べてみた。

【自民党】
 有村治子→現・自民党参議院議員 元女性活躍担当大臣ほか
 石破 茂→現・自民党総裁・総理大臣 衆議院議員
 大村秀章→現・愛知県知事
【公明党】
 荒木清寛→元・参議院議員
 上田 勇→現・参議院議員
 丸谷佳織→元・衆議院議員
【民主党】  
 近藤昭一→現・立憲民主党 衆議院議員
 鈴木康友→現・静岡県知事
 樽床伸二→元・民主党衆議院議員 元総務大臣など 
 野田佳彦→現・立憲民主党代表 元総理大臣 衆議院議員
 細野豪志→現・自民党衆議院議員 元環境大臣など
 山井和則→現・立憲民主党 衆議院議員
 山村 健→元・民主党衆議院議員 
【共産党】
 小池 晃→現・共産党書記局長 参議院議員 
 春名直章→元・共産党衆議院議員
 宮本岳志→現・共産党衆議院議員
【社民党】
 植田至紀→元・社民党衆議院議員
 福島瑞穂→現・社民党党首 参議院議員
【自由党】
 達増拓也→現・岩手県知事

総理大臣1名、立憲民主党代表1名(元総理大臣)、共産党書記局長1名、社民党党首1名、愛知県知事、岩手県知事、静岡県知事、その他現役国会議員6名、現在議員ではない方6名。

「未来総理」をめざしたみなさん、まあまあ頑張っているではありませんか。


◆書店が変わると出版社はどうなる?…9月25日日記
世の中では「本離れ」が進んでいるようだ。文化庁が17日に公表した「2023年度 国語に関する世論調査」によると、本を月に1冊も読まない人が6割を超えているとのこと。みんなスマホをチェックするのに忙しいものね。

書店の数が年々減少しているというのは、ロゼッタストーンを創立した頃(25年前!)から言われている。昔ながらの小さな町の本やさんは次々に閉店してしまった。最近は、カフェを併設して、本を読みながら食事もできるスペースを提供する書店が登場している。本ではなく「本のある空間」を売ろうというわけだ。

本を自由に選べて、カフェでゆっくり読んで、時間をつぶして帰っていく。のんびりゆったり、優雅な時間。いいスペース。私も行きたい。

だが、出版社の立場の私は首をひねる。はて? 本にパスタのしみがつかないかしら? ただで読めるんだったら、買わないんじゃない?  つい悪い想像をしてしまうのだ。

本は基本的に委託販売なので、売れ残った本はそのまま返ってくるのである。書店はカフェで儲けることができても、出版社には、どどーんと、シミだらけの本が返品されてくる…なんてことにはならないだろうか。

書店が「本のある空間」を売ることで生き残りをはかるなら、カラオケボックスみたいに、カフェに持ち込んだ本1冊につき何円かが、出版社と著者に入る仕組みにならないかなあ。電子書籍なら可能かも。でも、それなら本人がスマホで好きな電子書籍を読めばいいだけで、わざわざブックカフェに行く意味ないわよね。

出版社としてはやはり、「何がなんでも手にいれたい」と思うような質の高い本をつくるしかないのだ。地道が一番。


◆「外」から見た山口県…9月15日日記
先日のロゼッタストーン25周年記念イベントに10人ちょっとの人が県外から来てくれたのだが、彼らからの感想で「なるほど」と気づかされることも多かった。

愛知県から来た男性は、徳山駅で降り立ったが、ホテルの位置などを示す案内板が見つからず、駅員に聞いたら駅員がスマホで調べてくれたとのこと。徳山駅周辺には、新しくビジネスホテルがいろいろ建ってるから、地元民もよくわかっていない。確かに案内板があると便利だろうなあ。

滋賀県から来た男性は、道案内の仕方が山口県は独特だという。「あなたに聞いても、ホテルの人に聞いても“駅の反対側ですよ”とまったく同じ言い方をされた。自分が知りたいのは、海側なのか、山側なのか、右側なのか、左側なのかということ。“駅の反対側”ではわからない。これは山口の方言だ」ですって。在来線側と新幹線口側しかない駅だから、地元民だと「反対側」で通じるけど、他県から来た人は戸惑ってしまうようだ。なるほど。気を付けよう。

栃木県から来た男性は、「周南市の太華山に徒歩で登ったら、眺めがよかった」という。ちょっとした山歩きが好きな人は、太華山にも登ってくれるのか…。私は登った記憶がない。車でも登れるらしいから、こんど行ってみようかな…。

神奈川県から来た女性は、周南市の高瀬峡に行ったという。高瀬峡は周南市の西のほうにある渓谷。私が住む八代は周南市の東側なので、まだ行ったことがない。そうか、今年は高瀬峡に紅葉を見に行こうかしら。

東京から来た女性は、帰りに広島県大竹市(山口県に近い)の下瀬美術館に寄ったという。下瀬美術館は、2024年「世界で最も美しい美術館」に選出されたそうだ。選出された7施設の中の3施設に対して、11月下旬に最優秀のベルサイユ賞、内装特別賞、外装特別賞が発表されるのだとか。勉強不足で知らなかった! これも行ってみなければ!

萩や長門、山口市、広島市に行った人もいる。ロゼッタストーンでも「錦帯橋・秋吉台ツアー」を組んで案内したのだけど、せっかく山口まで来たのだからと、イベントの前後にそれぞれ独自の観光をして帰った人が多かったようだ。私自身も「外からの目」が新鮮だった。


◆季節は植物が知っている…9月5日日記
八代の田んぼでは稲刈りが始まり、夜は秋の虫が大合唱。キュウリやナスなどの夏野菜は、畑ですっかり元気がなくなり、「もうこれ以上は実をつけられましぇ〜ん」と、息も絶え絶えである。日中はまだまだ暑いが、植物は季節をよく知っている。

母が秋野菜・冬野菜を植える準備を進めているので、今朝は私も少しお手伝い。母は朝5時ごろから畑仕事をしているが、私は6時半ごろからやっと加勢に入る。私が畑を打つ横から、母が土を整えてくれるのだが、92歳の母のペースの方が早い。腰はヨボヨボなのだが、やはり経験の差は大きいな。

「この前、大根を植えたのはあそこだったか、ここだったか…」と母が悩んでいた。野菜は同じところに同じ野菜を続けて植えないほうがいいらしいのだ。私は全然覚えていない。畑仕事をやるには、記憶力、もしくはきちんと記録する能力が必要だ。私のように、毎年、写真を撮っておけばよかったと後悔するようではだめなのだ。

畑仕事は母がメインで私は手伝うだけなのだけど、そうは言っても、もう6年ぐらいやっている。もう少し上達してもいいはずなのに、全然進歩がない。野菜をちゃんと育てている人たちはスゴイと、私は心から尊敬しているのである。


◆25周年記念イベント、無事終了!…8月25日日記
なんだか不思議な光景だった。8月20日に開催したロゼッタストーン創立25周年記念イベント「真夏のワンコインスクール」の会場は、5つの講義とも、ほぼ満席。前日まで各講義10人程度の予約しか入っていなかったのに、主催者の私が驚いてしまった。『ウンコはあなたがするのではない』の著者、葉船さんは、前日のチラシ配りを一緒にやってくれ、『精神疾患の元新聞記者と発達障害の元新聞記者がお互いを取材したみた。』の著者の一人、天地さんは、早めに来て当日の会場設営を手伝ってくれた。周南市立駅前図書館の交流室は、テーブルや椅子を全部主催者が並べることになっており、重いパーテーションは組み立て式。男性の腕力が非常にありがたかった。『小さな命のポートレート』の著者、山下さんは、ご自分が使うプロジェクターの設定だけでなく、私が手が回らないマイクの設定までやってくれた。こちらが頼んだわけではなく、みなさん、自主的な行動。なんと優しい著者たちでしょう。

司会をお願いしていた池内さんは、打合せゼロの状態で(打合せをする時間がなかった)、見事に進行をこなし、受付を頼んでいたデザイナーのヨシエさんと、『ピンクのキャップはラブカラー』の著者、稲井さんは、その場で講師たちの本の値札を用意してくれたり、名簿の不備を埋めてくれたり、自ら考え、パッパパッパと動いてくれた。なんと優秀な人たちでしょう。私が頼りない分を周囲がカバーしてくれる。この日だけではない。ロゼッタストーンは25年間、いつも周囲に助けられてきたのだ。

『錦帯橋』の著者、宮田さんの講義には、岩国在住の元衆議院議員・平岡秀夫氏も参加し、熱心に質問されていた。『精神疾患の元新聞記者と発達障害の元新聞記者がお互いを取材したみた。』のもう一人の著者、大橋さんと、『自由の国平等の国』の著者、小川先生はさすがの話術で、会場を盛り上げてくれた。会場には、中学校の同級生、高校の同級生、かつての職場仲間、商工会の仲間、親戚、いろんな人が顔を出してくれた。何十年ぶりの再会もあり、懐かしかった。

会場の後片付けに手間取り、次の祝賀会は、主催者の私が30分も遅刻するという大失態。東京都、栃木県、千葉県、神奈川県、長野県、滋賀県…、遠方から来たお客様も多かったのだが、あとで聞いたところでは、池内さんが来場者に話しかけたり、私のモノマネをしたりと、場をつないでいてくれたらしい。元の職場の大先輩は、相変わらず面倒見がよく、ありがたい存在だ。会場のホテルサンルートが時間を延長してくれ、出席者、それぞれが温かいスピーチ。祝賀会もとてもいい雰囲気で終わった。

時間設定の甘さ、準備不足や忘れ物…、反省すべき点はいろいろあり、私自身はちっとも進歩していないのだが(←進歩しろよ!)、25年間で築き上げたロゼッタストーンの財産はなんといっても「人」なのだ。たくさんの優しさを受け取り、また30周年に向けて頑張っていこうと決意できた1日だった。


◆一度に二つのことができない…8月15日日記
もともと不器用で要領の悪い人間だが、年とともに拍車がかかり、同時に二つのことをこなせなくなっている。

たとえば、夜、戸締りをしようとドアのところに行く。あ、郵便ポストを見ていなかったとドアを開けて外に出てポストを確認する。手紙がきていたのを見つけて家に入る。そのまま、ドアに鍵をかけるのを忘れて部屋に戻る。しばらくたって「あ、戸締りするのを忘れてた」となるのだ。

外出するときも、用事が2つも3つもあるときは要注意だ。用事があることは覚えていても、1つ目の用事に気を取られ、2つ目の用事に必要なものを持って出るのを忘れていたりする。困ったもんだ。

さて、20日昼間はロゼッタストーン25周年記念イベント「真夏のワンコインスクール」。その後、著者やスタッフ、株主さんたちとの祝賀会。21日は遠くから来てくれた人たちとの山口ツアー。本来なら準備に専念したいところだが、いまやりかけの仕事があって、結局、前日バタバタと準備をすることになりそうだ。大事なことを忘れてしまいそうで、不安である。

でもまあ、「どうなることやら」と思うのは、毎度のこと。時間が経てば、いつもなんとか終わっている。今回もなんとか終わるはずだ…と信じよう。


◆真夏のワンコインスクール「個性とは何か?」…8月5日日記
やばい、やばすぎる。ロゼッタストーン日記の更新が遅れがちになるのはいつものことだが、ロゼッタストーン25周年記念イベントの準備も思いっきり遅れている。会場はおさえた。講師も頼んだ。が、宣伝が全然できていない。お客さんが関係者だけだったりしたら、どうしよう…。

企画自体はとってもすばらしいのだ。タイトルは「ロゼッタストーン創立25周年記念イベント 真夏のワンコインスクール『個性とは何か?』」。ロゼッタストーンから本を発行した著者5人が「個性」をテーマに「授業」をしてくれるのだ。何もかもが値上がりしているこの時代に、人生を賭けて本を書いた著者たちの話がたった500円で聴けちゃうという、夢のような企画なのである。

講師(著者)は『錦帯橋』の宮田伊津美氏、『小さな命のポートレート』の山下稔哉氏、『ウンコはあなたがするのではない』の葉船草子氏、『精神疾患の元新聞記者と発達障害の元新聞記者がお互いを取材してみた。』の著者の一人、大橋広宣氏、『自由の国平等の国』の小川仁志氏。1人の授業は45分。この5人の話を1人だけ聴いても、5人分聴いても入場料は500円なのだ。いまどき、野菜だって、500円だとちょっとしか買えませんよ〜。

なぜこんなに安いかというと、ロゼッタストーン25周年企画ということで、採算度外視の企画だからなのである。「だったら無料にしろよ!」と思われるかもしれないが、残念ながら、そこまで太っ腹になれるほど儲かってもいない。でも、5人分の講義を聴いたら、1人の講義につき、たったの100円。いまどき、100円じゃ自動販売機でお茶も買えませんぜ、だんな(←誰??)。

宮田氏は錦帯橋の研究家で、従来とは違ったアプローチで世界遺産登録への道を探っている。岩国徴古館館長も務めた歴史学者だが、主流派ではないところがユニーク。昆虫画集を発行した山下氏は、昆虫画の個展が大好評でテレビニュースにも取り上げられた。昆虫たちが生き延びるために身につけた個性を語ってくれる。昆虫好きのお子様と一緒に話を聴いても楽しそうだ。葉船氏は、老子・荘子・仏教といった古典の教えを、わかりやすく楽しい切り口で書籍にしてくれた人。コストパフォーマンスとか、タイムパフォーマンスとか、効率重視の世の中だけど、「ありのまま」を重視する老荘思想は肩に入っている力を抜いてくれそうだ。大橋広宣氏は、数字が苦手な発達障害で、子どもの頃は凄絶ないじめにあったという。落ち着きがないADHDという特性もありながら、現在はライターや映像ディレクターとして活躍中。映画に詳しく、最近大橋氏が指導した中学校映画部は、高校生に混じった大会で優勝したらしい。小川氏は山口県のローカル局のテレビ番組でレギュラーコメンテーターを務めるなど、活躍中だ。弊社が発行した小川氏の本は、韓国で2万部以上売れている。今回は会場のみんなで「個性」について考える「哲学カフェ」を開いてくださる。

まったく専門が違う5人が「個性」について語るトークショー。「季刊ロゼッタストーン」をご存じの方は、ロゼッタストーン的だとわかってくれるだろう。今回のトークショーは、言ってみれば、「季刊ロゼッタストーン」のトークバージョンなのだ。

面白いことは間違いないのだけど、私がいま別の仕事に追われていて、全然宣伝ができない状態なのである。これを読んだあなたは、たぶんラッキー。8月20日午前10時(イベント開始は10時半から)、周南市立徳山駅前図書館3階の交流室2にぜひ、いらしてくださいませ〜。(1つの講義が終わるごとに10分休憩。15時10分終了予定)


◆欲張りカラス(童話)…7月25日日記
ある日、カラスのカァとクゥは、畑でおいしそうなキュウリを見つけました。2羽は大喜びで、キュウリを食べました。見ると隣には赤いトマトが熟れています。カァはキュウリを1本とトマトを1個、クゥもキュウリを1本とトマトを1個食べました。お腹いっぱいになって山へ帰りました。

大切に育てていたキュウリとトマトをカラスに食べられてしまい、人間はなげきながらも、「まあ、彼らもお腹がすいてるんだろうからね」とあきらめました。

次の日も、カァとクゥは同じ畑に行きました。2羽はキュウリを1本ずつ、トマトを1個ずつ食べました。「トマトのほうがおいしいよね」。2羽は、さらにトマトを2個ずつ食べました。お腹はいっぱいでしたが、やめられなかったのです。人間が「こらーっ!」と大声で怒鳴りました。2羽はあわてて逃げました。

その次の日も、カァとクゥは同じ畑に行きました。「たくさんあるんだから、ちょっとずつ全部食べようよ」。2羽は、赤くなっているトマトを全部、ちょっとずつ突っつきました。「あー、おいしかった。きょうは、人間もあらわれなかったし、よかったね」。2羽は満足してひきあげました。

その次の日も、カァとクゥは同じ畑に行きました。トマトの周りは、白い網でおおわれ、近づくことができないようになっていました。カァとクゥは、二度とおいしいトマトを食べられませんでした。……おしまい。

(これは、欲張ったらだめだという教訓が含まれた創作童話です)
弘中家のトマトは、もうカラスには食べさせてやらないのです。


◆カラスのおしゃべり…7月15日日記
先日、家の裏の畑のほうから、カラスのおしゃべりが聞こえてきた。まあ、うるさいったらない。

カァカァカァカァグヮグヮ……
カーカーカァグヮカァグヮ……

もちろん、正確に聞きとれたわけではないけれど、よく聞く「カーァ、カーァ」という鳴き声ではなく、本当に大きな声でおしゃべりしているのだ。思わず、窓を開けてのぞいてみると、2羽のカラスが畑から飛び立っていった。

そのあと、母が「やられた!」と顔をしかめてやってきた。手にはボロボロのキュウリ。どうやら、カラスたちは、やっとできはじめた我が家のキュウリを楽しくついばんでいたらしいのだ。

(想像〜カラスの会話〜)
「こんなところに、おいしいキュウリがあったなんて知らなかったね」
「ウンウン。これは、なかなか穴場だったね。新鮮でおいしいじゃん」

カラスたちは何本もキュウリをついばみ、食べ残しをばらまいて去っている。母の話では、ビニールをかけているトマトも被害にあっている。地面に近いところは50pぐらい空いているので、鳥のくせに上からではなく、下からもぐって入るのだ。畑にはスズメもやってくるから、どちらの仕業かはわからないけれど。

我々人間は、運よく鳥が見つけなかった野菜をとって食べている。去年もスイカが被害にあったが、キュウリやトマトは大丈夫だったのに。鳥たちのエサ場になってしまうと困っちゃうなあ。

カラスやスズメが逃げていきそうな大きな鷹の案山子(かかし)とかないかしら。不規則に動いて、時々羽ばたいて鳴いてくれたりするような…。で、「鷹 案山子」で検索すると、「鳥追いカイト鷹」というのを売っていた!「バードカイト」とも言うようだ。私が考えそうなことは、誰かがもう考えているのね。安いものだと1000円ぐらいから。試しに1個買ってみようかな。


◆「遺伝子解析」やってみたい?…7月5日日記
「遺伝子解析をやってみたいんです」と知り合いが言った。その知人のまわりでは、もう何人か遺伝子解析を経験しているという。「太りやすい原因とか、自分のルーツもわかるらしいですよ」とのこと。

いまはもうそんな時代なのか…と、「遺伝子解析」で検索してみると、複数社がサービスを提供している。たとえば「ジーンライフ」というところでは、「アジア人に特化した祖先遺伝子検査」980円、肥満遺伝子検査キット5980円、全ゲノム解析149.990円など。「ユーグレナ」では、「健康リスク・体質の遺伝的傾向と祖先のルーツの約350項目を解析できる遺伝子解析サービス32,780円。「ジーンクエスト」ではフルパッケージが32,780円で、「目的にあわせて、特定の体質と健康リスクの遺伝的傾向を知ることができるミドルパッケージ」16,280円など。お手軽価格のものから、かなり高価なものまで、いろんな種類がそろっている。すごいなあ。遺伝子解析も「商品」になる時代なのだ。

ダイエット、筋力、脳の老化、骨・関節、スキンケア、メタボ、アルコール…。遺伝子解析では、いろんなことがわかるらしい。

私の年齢になってくると、もはや「遺伝子解析」は答え合わせに近くなる。「太りやすい」とか「食欲を抑えられない」とか言われれば、「その通り!」。若い頃はやせてたんですけどね、年とともに、遺伝子様の力に抗えなくなってしまったんですよ。「筋力」の「速筋」「遅筋」なんていう項目もある。白身魚のように俊敏な動きをするか、赤身魚のようにゆっくり泳ぐかって話かしら。そりゃ「遅筋」でしょう。私がテキパキ動けないのは、遺伝子様のせいなのですよ。「脳の海馬容積」…、ああ、脳の中で記憶をつかさどるといわれる、「海馬」ですね。そんなの、ちっちゃいに決まってるじゃないですか。私が忘れっぽいのも、なかなか人の顔が覚えられないのも、みーんな遺伝子様が決めたことでしょう。自分のルーツって、そりゃアジアですよ。こんなペタンコな顔で、私のルーツがヨーロッパと言われたら、遺伝子解析の信ぴょう性を疑います。

いろいろ想像したら、すでに遺伝子解析をやった気分になってしまった。「あなたの遺伝子はすごい。天才だ。エジソン並です。どうして普通の生活をしているんですか?」とか、「あなたの祖先はクレオパトラかもしれません」なんて解析は、どう考えても出そうにない。つまんないの。


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