Shinobuのファッション・ファイル 第4回 BACK

ユニバーサルファッションショップ1号店誕生 !!
『 いなもとや 』( 藤沢さいか屋2F )


店主:寺田ももよさん
これからの店作りは、作り手がきちんと見えてくる様な 丁寧なものづくりがとても大切なのです。
店主:寺田ももよさん


リニューアルオープンの当日は、土曜日と言うこともあって「さいか屋」の 館内は家族連れなど、多くの人で賑わっていました。

いなもとや・店内「いなもとや」の店内を一歩入ると、「白」を基調とした明るく奥行きのある広々とした空間。

前面には「オーガニックコットン」を使用したウエアが、デイスプレイとともに「オフ・ホワイト」「ベージュ」「ライトグリーン」と並んでいます。
中央の落ち着いた木目のカウンターに座ると、目の前には深い紺の藍染めにひらがなで「いなもとや」と書かれた「のれん」。
呉服屋の前身として、これからも「和を大切にしていきたい」と言う気持ちから、「和装小物」や「浴衣類」また古布を使った「ひな人形」などが、置かれています。

そして、さらに奥のコーナーへ行くと、グッドデザインで使いやすい 「ユニバーサルデザイン」の楽しいグッズ類がずらりと展開されています。

「ユニバーサルファション」について、今回で3回目となりましたが、 ファイル3では、4月27日にリニューアルオープンをした「いなもとや」を取材し、寺田さんに「店づくり」から、独自の「ユニバーサルファッション哲学」などのお話を直接お伺いすることが出来ました。


〜 ファイル・NO.3 〜
『いなもとや』


創業158年、江戸時代から五代に受け継がれた藤沢の老舗呉服商「稲元屋」は3年前まで「呉服」を扱っていました。 「呉服」以外には「和装小物」「洋品」なども、一部置いていたそうですが・・

寺田:「呉服をやっている最中でしたから、平均65歳くらいの方が多く、 お客様を見ていたら着られる服がないとおっしゃるんです、結局は 柄もデザインも気に入らないけれど、サイズが入るから買うと言われる方がとても多くて・・・」

寺田さんは、そう言った「お客様の声」にきちんと向き合い、これからの 「店づくり」をどうしたら良いのかと真剣に考えていました。 そんな頃、朝日新聞で今井啓子さん(現在のユニバーサルファッションの理事長)らが協会を立ち上げたと言う情報を知り、 さっそく講演を聴きに行き、そこで「ユニバーサルファション」との出会いが始まりました。 その後協会員としてすぐに参加をして、運営委員をしながら年代別の方々にインタビュウー調査も行い、 2年間「ユニバーサルファッション」を勉強した結果、「やはりこれからの店作りには絶対に必要なものだ!」 と強く確信したそうです。

寺田:「着るものと言うのは自分の表現でしょ、だから60歳にはこの柄 だって、くくっちゃいけないと思ったの!
また、スタイル(体型)によってもそれぞれのお好みがあって 着るものって、本当に千差万別だと思うんですよ!」


そして現在「いなもとや」では、3本柱のコンセプトによって品揃えなどが行なわれています。
1.Eco−Friendly(エコ・フレンドリー)
2.UniversalFashion(ユニバーサルファッション)
3.JapaneseBasic(ジャパニーズべイシック)



水野信子さん * ここで、各コンセプトより商品を紹介していきたいと思います。 からだにも、環境にもやさしい「エコ・フレンドリー」からは、 「オーガニックコットン製品」を『ノブコーポレーション』の 代表である水野信子さんに紹介をして頂きました。
「オーガニックコットン」とは、いわゆる「自然な綿」のことですが、 原産地アメリカの南部テキサス、カリフォル二アなどを中心に無農薬、有機農法による原綿に科学薬品をいっさい使わずに作った製品だそうです。
ポストカード
先日こちらのTシャツのタイプが、カタログハウスの通販生活で紹介されました。 社会的な意味でお役に立てる様にと、寺田さんの思いが込められています
私自身これまで「オーガニックコットン」について日常では意識をしたことがありませんでしたが、 メリットとして、アトピーの方にも、この素材自体に「マイナスイオン」を含んでいるので直接素肌に着ても安心して頂けるそうです。

「エコ・フレンドリー」よりもう一つご紹介頂いたのが、障害をお持ちの子供たちが、 牛乳パックのリサイクルを利用して作っているとてもかわいいポストカードです。


ロングヒット商品のパンツ
↑内側のファスナーが、ひざまで開いているのでシップなどの張り替えや通院にも便利です
ユニバーサルデザイングッズ
*「快のマーケット」である「ユニバーサルファション」からは、 年間1500本も売れていると言う寺田さんお薦めのロングヒット 商品のパンツをご紹介して頂きました。

「ユニバーサルデザイン」のグッズのコーナーにも便利で楽しい商品がたくさんあります。
古布の人形 *「和」のエスプリを提案されている「ジャパニーズベイシック」からは伝統の手仕事の 和雑貨から古布の人形や小物です。

「いなもとや」のお店づくりに欠かせないもう一つのこだわりがあります。 それは、私が今まで見たことのなかった店内の「フィッティングルーム」です。
フィッテイングリームの手すり フィッティングルーム
ご試着の際に後ろ姿を気にされる方が多く、この様に真中に立つだけで全ての姿が見えるようになっています 木製のやわらかいデザインはとても持ちやすく、横にはステッキスタンドが備え付けられています 車いすの方でも対応出来る作りで、シューズがすぐに脱げる様なグッズも用意されています


「いなもとや」の取材を一通り終えて、最後にご案内をして頂いたのが、 「さいか屋」から歩いて5分ほどの場所にある「gineta(ジネタ)」と言うアトリエでした。
gineta(ジネタ) 「ジネタ」では、レザーグッズ・デザイナー上原正子さんによるバックや 小物などが、美しく置かれていました。(上原さんの作品は「いなもとや」でも扱っています)上原さんのお話によれば、 やはり革の素材には充分にこだわっていて、1点ずつどれもが全て手作りだそうです。上質感があってシンプルなデザインのバックは、イタリアンテイストの雰囲気でした。

アトリエの裏手には、以前倉庫にしていたと言う小さなスペースがありましたが、寺田さんはこの場所を利用して、今後は和装小物などを作る教室を開きたいとおっしゃっていました。 寺田さんは常に先を考え行動をされていて、何事にも本当に精力的な方です。

< クローズド・ファイル >

今回、3回にわたって「ユニバーサルファッション」を取材しながら感じたことは「ファッション」とは、実は年齢やスタイルなどの制限は全くなく、 本来「常に自分らしくあること」それが原点なのかもしれません。

これからの時代「モノを売る」と言うことが本当に難しいとされていますが、ただ本当に「モノ」だけを売ることだけに執着するのではなく、そこに「快適な心地よさ」「便利さ」「暖かみ」のようなものが「商品」や 「店づくり」にも加わると、私たちの気持ちは確実に変化していくのだと「いなもとや」を取材し感じました 最後に、寺田さんのおっしゃった印象的なお言葉です。

寺田:「ユニバーサルファッションの究極の目的は、選択肢。 お客様が我慢をしないで好きなものが着られること、 それが、最後の目的だと私は思っています」

「いなもとや」
251-0052
神奈川県藤沢市藤沢555 さいか屋2F
TEL・FAX 0466-22-3109


(C) 1999-2004 ROSETTASTONE, All Rights Reserved