Shinobuのファッション・ファイル 第2回 BACK

UNVERSAL FASHION

エイジレス・・・年齢を超えて
サイズレス・・・こだわりのない
バリアフリー・・・誰もが心地良く


私が「ユニバーサルファッション」という言葉をはじめて聞いたのは 3年前、夕方のNHKニュースで紹介をされていたのがきっかけでした。

その日、私は夕方のんびりと何気なくニュースを見ていましたが・・「うん!」と思い 突然テレビにぴったりと張り付いたのを覚えています。

その時にインタビューを受けていらしたのが、現在「ユニバーサルファッション協会理 事長」の今井啓子さんです。

今井さんは以前「ザ・ギンザ」で商品企画室長をされていたことがあり、私も同社で働 いておりましたから、よく存じていました。 その今井さんが、「トップブランド」や「ファッショントレンド」等とは、また別の分野 での「ファッション」に携わっていらしたと言うことが、私にとってはとても驚きでし た。

また、「ユニバーサルウエア」の存在についても私個人が、今までファッションに携わっ てきて全く気が付かなかった分野であったと言うことや、「 今までこう言ったウエアを 必要としている人は実際に、多かったのかもしれない」と言う印象をここで、ストレー トに感じました。


〜 ファイル・NO.1 〜

[ユニバーサルファッション]

「ユニバーサルファッション」と聞いてすぐにイメージを 抱くことのできる方は実際には、まだまだ少ないでしょう・・・。

私が3年前に感じたイメージは、主に障害者の方のためのウエアでした。

例えば、指先や腕などが自由に動かない方のために、ボタン使いのウエアにマジックテ ープを使って、フロント部分をひと工夫したもの。 また男性がネクタイをする場合いにも考え方は同様で、はじめから輪に結んだ状態でサ イドにスナップが使われたものなど、いかにスムーズに動作ができるかと言うような、 基本的に機能面を重視した商品が多かった様に思います。

今回の取材でクリアになったことは、 「ユニバーサルファッション」が3つに分類されていると言うこと でした。

1.サイズや体型に不満を持つユーザーに対応した一般商品

2.機能性に配慮した商品

3.介護用衣料や特定の障害に適応した専用品
高齢化社会に向けて、今まで以上に年齢やサイズ、 体型、障害にかかわりなくいつまでも身の回りを美しく保ち、健やかにおしゃれを楽しむことができる。 このカテゴリーに基ずいてユニバーサル協会では商品を推薦しています。
graph


photo1
←ウレタンボタンは実際に触ってみると、とても柔らかく軽く引っ張るだけで簡単にはずれます。
photo2
 
体型・年齢を問わずに、どのサイズでも身体をきれいに見せる独自のパターンで、コンテンポラリーなウエアです。(レナウンより)→


ここで「ユニバーサルファッション協会」についてご説明をいたします。

1999年3月に非営利団体として発足をいたしました。 「製造・流通・生活者(買い手)」を繋ぎ、「調査研究・開発・マーケティング」 などの様々な側面からの支援活動を行っています。 同時に情報の発信・収集、「ユニバーサルファッション」と「ユニバーサルデザイン」 にかかわるグローバルなネットワーク作り、と言ったことが主な活動内容です。

今回、協会より様々な資料をお送りいただき拝見することができましたが、 まず感じたことは、企業会員として登録されている会社が「約90社」と、予想してい たよりもずっと多かったことです。

photo3
第一回ユニバーサルファッション協会推薦商品の全てです。(2000年6月)
(株)レナウン本社1階・プレスルームにて。
例えば、衣料企業では「レナウン」「ナイガイ」「ワコール」他 繊維会社では「東レ」「帝人」「鐘紡」他 百貨店では「高島屋」「京王百貨店」他 また、スポーツメーカーの「アシックス」や時計メーカーの「シチズン」 化粧品メーカーの「資生堂」と言った様に、他にもまだまだございますが 幅広い企業が参加をしています。

また、個人でお店を展開されていらっしゃる方なども多く、今回直接お話をお伺いする ことのできた「いなもとや」の店主・寺田ももよさんもそのお一人です。 現在、神奈川県藤沢市のサンパール(藤沢さいか屋)2Fで「ユニバーサルファッション」 をテーマとしたお店を展開されておりますが、以前「いなもとや」は呉服屋として 百年以上の歴史をかけて営まれていたそうです。 きっかけは2年前、「ユニバーサルファッション」の講演で今井理事長のお話を聞き 以前から、「人の役に立つ商売」を模索していた寺田さんは、とてもそのお話に 共感をして、そのあと即座に業態転換を行ったそうです。

今年、4月27日に「いなもとや」がリニューアルオープンされるそうなので その様子はまた改めて、取材をしてからご紹介をしようと思っています。

ユニバーサルファッション通信です。
photo4
「ユニバーサルファッション協会」では、「ユニバーサルファッション通信」と言った会 員用の情報誌も、毎月発行しておりますが、その中で印象に残った部分をご紹介した いと思います。

これは昨年の記事になりますが、8月に神戸で行われた『神戸ファッションシンポ ジウム2001』の様子が掲載されておりまして、シンポジウムゲスト、山本耀司 さんがおっしゃった言葉ですが。

「ものづくりとは、実は強さから生まれるのではく、弱さから生まれるのではない でしょうか、その人が抱えてる、他人には分からない『弱さ』『辛さ』そう言うとこ ろから、ものが作られるのだと思います。」

「年齢的なことや身体的ハンディキャップなど、それに対する衣服だけに偏る必要は あまりないと思います。 要するに20歳の「いい女だと言う美女」も好きだけど、45歳の経験を積んだ 「美しい良い感じの女性」も好きだと言うことです。大切なのはこう言うことがもっと多く成立すべきことです。」


年齢を超えて、誰もが自分らしく生きいきと魅力を深めていくこと、その強い味方に 「ファッション」の存在がある様な気が、私はします。

「いくつになっても、もっともっと自由に!自分が着たい服を着ればいい!!」 私にとって「ユニバーサルファッション」は、そんなふうに感じられました。

「ファイルNO、2」では「ユニバーサルコレクション2002」 5月に行われる「東京新人クリエーターズコレクション」のデザイ ン公募の内容などをお伝えしたいと思います。


▲このページのTOPに戻る
Copyright (C) 1999-2004 ROSETTASTONE. All Rights Reserved.