Shinobuのファッション・ファイル 第1回 BACK

「サダコ」74歳

理解のあるところに恐怖や争いは生まれない・・・

恐怖と戦争のないところに難民は生まれない・・・

それが私の信じることです!
アフガニスタン支援首相特別代表   
緒方 貞子 氏


「アフガニスタン」と聞けば「難民問題」「復興支援」で活躍中の「緒方貞子さん」 (アフガニスタン支援主相特別代表)の名前がすぐに浮かんでくる方も多いのでは・・・。
緒方さんは日本だけでなく、今や世界中から最も信頼感の高い女性です。
私の場合は恥ずかしながら、正直なところ世界情勢にはとても疎く、今回取材をするまでは、 特にアフガニスタン周辺で起きている様々な出来事を理解するのにとても時間がかかりました。

ただ、こんな私がふと気になってしまったことがひとつ・・・。
それは、テレビのニュース等で拝見する緒方さんの口紅です。
緒方さんの口紅は「レッド」!!

74歳にして、「赤い口紅」がとても似合う緒方さんのエレガントな女性の部分と、 それとはまったく逆に特別代表として非常にアクティブに行動されている一面について私はもっと知りたい!!
第1回目の「ファッション・ファイル」ではそんな思いで、様々な視点から見た「緒方貞子さんの魅力」について、解いていきたいと思います。

緒方さんの今までのことから、現在の活動について、少し触れたいと思います。

1927年に東京で生まれ、緒方さんのお父様は外交官をされていたため幼少のころは米国で生活。
(緒方さんの祖父、芳沢謙吉氏は外務大臣をされていました)
祖母からよく当時の政治状況を聞かされて育ったそうです。 清心女子大学を卒業した後に、米カリフォルニア州立大バークレー校で博士号を取得。
*1976・78年(49歳) 国連日本政府代表部公使(日本女性では初) (第22・25・30〜33回 国連総会に日本代表として出席)
*1978〜79年 ユニセフ執行理事会議長
*1982〜85年(55歳) 国連人権委員会の日本政府代表 
*1991年(63歳) 「国連難民高等弁務官」に就任
*1995年(67歳) ユネスコ・ウフエボワニ平和賞を受賞
この賞はアフリカのコートジボワール共和国大統領であったウフエボワ二氏の提唱によってつくられ、教育・科学・文化を通して平和の推進に貢献した組織に贈られる賞だそうです。 そして現在は、ニュースでも日々報道されておりますが、 小泉首相より「アフガニスタン支援首相特別代表」として招かれ、 精力的に活躍されています。

以上、略歴をリストアップして見ましたが、ここでおそらく誰もがその当時の「年齢」に、大きく感じる部分があるのではないでしょうか・・・。

いくら政治家と外交官の血を受け継いでいらっしゃるからと言っても、現在の高齢まで活躍することは決して簡単なことではないと思います。
私が取材をして感じたことは、緒方さんのライフスタイルには常に「挑戦」と、そして「使命感」が燃え滾っている様な気がいたします。 98年に、自民党総裁選に勝ったばかりの小渕恵三氏から外相就任の打診を受けた際に、緒方さんは「(高等弁務官)の任期が残っているのに戻れません」と即座にお断りをしたそうです・・・ステキな「使命感」です。

■緒方貞子さんのファッション・ファイル

ここでファッションを通して、女性としての緒方さんの魅力に迫ってみたいと思います。

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薄いナチュラルピンクにパール系のグロス。
今一般的にナチュラルメークと同様に、こう言ったスタイルの女性が多く見られます。
とても若々しく好感がもてます。
photo2
同じ女性に「レッド」の口紅をつけて見るといかがでしょう・・・。
とても知的で美しく、アクティブな印象を感じますね。
女性にとって「色」は自分を表現するのに大切なアイテムのうちのひとつだと思います。
〜 ファイル 1 〜

はじめに「口紅」について触れましたが、口紅の色は十人十色で誰もが それぞれに好みがあるかと思います。

女性が「レッド」をつけるってどんな時でしょう・・・。
たとえ年齢が若かったとしても、実はわりと勇気のいることでは・・・。
でも、不思議なことに「赤い口紅」をつけている女性を見ていると、艶っぽい色気を感じると同時に、なぜか「元気」を与えられてしまう様なことがあるのは、私だけでしょうか。
「レッド系」をつける女性はどうしても、情熱的なイメージが強いですよね。

緒方さんはきっと、「情熱的な女性」なんだと私は思います。

33歳の時に、日銀出身の夫「四十郎さん」とご結婚をされております。
あのころの時代では、お見合い結婚が当たり前の頃かと想像するのですが、実は熱烈な恋愛結婚だったそうです。
いつの時代でも、恋愛は本人の強い意志が大切なのかもしれませんね。

そして、女性の「生き方」はきっと「恋愛感」とも通ずるものが、あるのではないでしょうか・・・。

ここ数年のビューティ―業界では「ナチュラル・メイク」をベースに口紅も自然な色、淡いピンク系やブラウン系が主流でした。 特に20代・30代女性にはこの傾向が多く見られています。
ちなみに、私の場合は普段から「ローズ系」が好きなので、いつもローズ・ピンクを選ぶことが多いのですが・・・これは例外の様ですね。

2002年の春・夏の「口紅」の「キーワード」
「光」・「ツヤ」・「輝き」と言った感じでしょう。
「パール」や「グロス」がマーブル状・ラメ状に、それぞれのカラー・バリエーションに織り込まれているものが目立ちます。
シャネルやランコム、エスティローダー、クリスチャン・デイオールや資生堂など各社がこの春「新作」として「グラマラス」に発表をしています。

「光」を表現した「口紅」と言うのも、これはきっと「21世紀の新しい女性像」なのかもしれませんね。


〜 ファイル 2 〜
「 芦田 淳 (あしだ じゅん) 」


次に私の感じる印象としては、例えば「国際会議」や「空軍基地や難民キャンプ地」また、「NHKのインタビュー番組」など様々な場面から拝見して、やはり基本的にはスーツ姿が多いのですが、現地用にラフなパンツスタイルの場合でも、とても「エレガント」なテイストがお好みな様だと感じます。

関係者にお話を伺いしたところ、だいぶ以前からデザイナーの芦田淳さんとの交流が深く、スーツやコートなど芦田さんの服を着ることが、とても多いそうです。

芦田淳さんと言えば、皇室のファッションには欠かせないデザイナーのお一人で、美智子皇后陛下をはじめ他の妃殿下方もご愛用されていると言われている 日本ファッション界の第一人者です。

*芦田さんのデザイン・コンセプトは     
「 elegant(品性) & practical(実用性) 」


これを見ると、パワフルで現代性に満ちたエレガンスな緒方さんの生き方にも、とても重なる部分を実感いたします。


〜 ファイル 3 〜
「 アクセサリー & マニキュア 」


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ナチュラルなパール系のピンクです。
日本人女性らしい、「しっとり」とした落ち着いたムードを感じます。
同じピンクでも色のトーンを濃くすると、色気と強さを同時に感じる様な気がいたします。
TPOや気分によって「色」を変えて見るのも自分にとっても刺激になるのかもしれませんね。
緒方さんを拝見していると、なぜか手元に目がいってしまいます・・・。

それは「マニキュア」・・・70歳代で「マニキュア」です。
そして、ややボリューム感のあるブローチやネックレス、リングと言ったアクセサリーにも大変「こだわり」がある様です。 
年齢的なこともあるかもしれませんが、基本的には「ゴールド・ベース」が、お好みの様ですね。
関係者のお話によれば、全てリアル(本物)をつけていらっしゃるそうです。
それは確かにそうでしょうね・・・。

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最近のブローチは、スワロフスキーやガラスビーズなど透明感のあるカラフルな素材が立ちます。デザインはかわいくてガーリッシュ、コートやセーターだけでなくデニムなど カジュアルなコーディネートがポイントです。 マーカサイトと言う金属的な光沢感を出す白鉄鉱のビーズ類が、最近クラシカルなテイストでは増えてます。
パールやガーネット、アメジスト等とのコンビネーションにも良いバランスです。

ここ数年のアクセサリーの傾向は・・・

以前の小ぶりで、「シルバーベース」のもが多かったのに対して、最近では「ゴールドベース」に変わり、やや大きめでゴージャス系が目立ってきています。
「スワロフフスキー」(クリスタルで、透明なものからカラフルなものまであります)や「天然石」などとのコンビネーションが最近のトレンドです。

アイテムとしても、ネックレス・ピアス・リング・ブレスレットの他に、「ブローチ」の人気が高まり、20代の若い世代もコートやセーターなどに 付けて、エレガンスファッションを楽しんでいる方が多いようです。

以前、日本で70年代半ば頃から80年代に「ニュウトラ」「ハマトラ」と言われた「コンサバ系」「エレガンス系」のお嬢様ファッションが話題になりました。ところが最近では再びその傾向が回帰あって、その必須アイテムとしてゴールド系のブローチをはじめアクセサリーが、とてもコーディネートにマッチしていて良く合うんですよね。

私の個人的な好みから言わせて頂くと、女子大生やOLの方が「エレガンス」にオシャレをしている姿を見るのはとても気持ちが良く、好感が持てますね。

緒方さんが、お手元へのこだわりが大変強いと言いましたが、「マニキュア」は「国際会議」をはじめ様々な場面では常に欠かせないそうです。
これには正直なところ驚きました!!
海外での経験が多い方なので、「女性としてのマナー」と言う意味で、おそらく今までに、自然と身に付いた日常的なことなのでしょうね。


< クローズド・ファイル >

緒方さんを取材して見て感じることは、女性として充分に「気品」を備えている一方で、仕事に対しては常に心から「使命感」に燃えている!!
その姿勢が日本だけではなく、世界中に「存在感」として強い影響を与えていると言うことです。
実際にこの私も、そんな緒方さんの取材を今回の様にする事などは、今まで全く考えていなかったのですが、テレビや新聞などから自然と常に気になる存在となって、ニュースだけではなく、出来ればもっと女性としての部分を知ってみたいと感じて、取材をしてみようと言う気持ちになったのです。

緒方さんの魅力のひとつに「年齢」があると、私は思います。
略歴を見たときに私は、とっても「強い希望」を感じました。
いくつになって「挑戦」はできるし、また「するべきなんだっ!」と言う。

これは今現在の日本の状況に置き換えても、今こそ誰もが持つべき大切な「スピリット」ではないでしょうか。 

先日、NHKの「ETV2002」シリーズ、テロ後世界はどこへ向かうのか 「アフガン復興への道」で緒方さんは、難民支援に、「経済支援だけでは決して未来につながらない、後々まで残っていく最も大切なものは「教育」です。 そして、それは「健康」でなくては出来ないことで、そのためには「安全の確保」が必要です」とおっしゃってました。

最近では「お金」ではなく、例えば家を作るための「資材」を日本から送って、それを現地の人々が、自分たちの力で家を建てるような援助をしているそうです。
だいぶ以前の支援のイメージとは、もう発想が違ってきているんですよね。

これからは、アフガニスタンの人々が教育を通して「言葉」を学び、様々な「文化」と触れ合って、そこからまた新しい「文化」が生まれていくような、そんな国へと発展していけば良いと、強く感じます。
「学びたい」と願っているアフガニスタンの多くの子供たちのためにも、もっとたくさんの学校ができて誰もが「希望」を抱ける豊かな環境となれば本当に良いと思いました。 

今回、緒方さんの取材を通して、ファッションだけでなく様々なことを考えると言う意味で、このような機会が持てたことは私にはとても貴重な時間でした。

アフガニスタンに、一刻も早く平和な時が訪れることを心から深くお祈りしたいと思います。

※注:ここで紹介した写真は、緒方さんの持ち物ではありません。
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