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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第107号
*** *** 早いもので、もう12月。今年も残りわずかになりました。
*****v***** 衆議院選挙で、何人かのメンバーが議席を失ったり、
********* 福島瑞穂議員が党首になったり、有村治子議員に子供が
******* 生まれたり…と、「ヴィーナスはぁと」にもいろんな出来事が
*** ありました。みなさまは、どんな1年でしたか?
* 今回も「どうすれば女性議員が増えるか」がテーマです。
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目次
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■ 「どうすれば女性議員が増えるのか」
井上美代(参議院議員・共産党・東京)
■ 「どうやって女性議員を増やすか」
福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)
■ 編集後記
■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「どうすれば女性議員が増えるのか」
井上美代(参議院議員・共産党・東京)
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女性議員が増えるための大前提は、男女平等がどこまで実現しているか、
民主主義がどこまで構築されているかと関係すると思います。男女平等は民
主主義を計る尺度ではないでしょうか。とくに、男女の差別賃金や、その結
果としての社会保障における男女格差がどうなるかと関係してくるのです。
いま、地方議会の女性議員は4604人。総定数に占める割合は7・6%
で過去最高となっています。全国3256議会中2036議会に女性議員が
進出し、これもまた過去最高を記録しています
(市川房枝記念会調査・6月1日現在)。
政党では日本共産党が最高で1291人(10月現在)で、他党の合計を
超えていますが、戦後選挙権を得て47年、女性議員は総定数の1割にも満
たないという現実は、まだまだ男性優位の議会となっています。21世紀、
女性議員がもっと多くなるよう、努力しなければなりません。
では「普通の感覚をもったすぐれた女性をどうすれば国会へ送れるか」と
いう観点から見れば、女性は生活に直接触れながら、政治への関心を深めて
います。幼いいのちを通してその子の生きる時代を展望し、少しでもいい社
会にと考えるものです。
今では、自らを1市民として、生活者になって社会と政治を見つめる女性
たちは多くなっています。人々の暮らしのこと、平和のこと、環境、食べ物
のことなど必死で考え、行動する女性が増えています。その実践の中で当た
り前の政治を求める感覚を鍛えているのです。言い換えれば生活そのものが
女性の政治意識を高めていくことにつながっているのではないでしょうか。
議員になるには選挙によって国民の信任を得なければなりません。それに
は、一定の費用がかかります。財政力のない女性がどうすれば選挙に出るこ
とができるでしょうか。費用をもっていなくても、カンパや党が援助し、女
性の生活感あふれる鋭い感覚を議会に吹き込むことができます。
子育て真最中の女性を候補者にするなら、子育てや家事、保育を手伝って
くれる人を派遣し、家庭での労働を援助することによって、候補者、議員と
して活動を保障することが何よりも大きな援助につながります。日本共産党
の場合にも、本人の努力はもちろんですが、そうした援助の結果が地方議員
の数に反映しているのだと考えています。
また、今日本では、小選挙区制と比例代表制の選挙が行なわれています。
小選挙区制では1つの区域から1人しか当選しない場合、「女性に何ができ
る」という考え方が今も残っていますので、トップ当選を勝ちとるのは至難
なことです。日本では比例選挙部分を減らす提案もありますが、女性の立場
からすれば女性議員の多い北欧など比例部分を増やすことによって女性議員
の活動の場を保障すべきだと考えます。
ちなみにスウェーデンでは比例代表制となっていて女性議員の割合は
45.3%です。小選挙区制を採っているアメリカは14.3%、イギリス
は17.9%という低さです(いずれも2002年)。スウェーデンでは女
性の職場進出が進んでいますが、それにより労働者としてあるいは納税者と
しての権利意識を持つようになったと思います。女性が社会の矛盾に気づく
ようになり、それが政治の場にも進むことになったのです。
当選すれば、多忙な仕事に忙殺されます。家庭と仕事を両立させることは
もう1つ困難です。家族にも議員の多忙のあつれきはかかっていきます。そ
れら困難をどうプラス方向に変えていけるか、これからの課題です。実践的
行動によって、議員に必要な力が鍛えられれば、いよいよ女性議員が家庭と
の仕事を両立させて頑張る時代の到来です。1日も早く女性が男性と力合わ
せ、活躍する環境と条件がつくられるよう、ご一緒に頑張ろうではありませ
んか。
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「どうやって女性議員を増やすか」
福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)
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女性議員を増やすためには、選挙制度として、比例代表制をとることです。
ヨーロッパの国では、比例代表制で、女性の国会議員が、増えています。
スウェーデンやノルウェー、ドイツなどに行って、本当にそう思いました。
チバン・カンバン・カバンがなければ、当選できないというのは、本当にお
かしいです。
わたしは、5年半前、参議院の全国比例区で、当選しました。社民党1位
だったために、全国を、「こんな政策を実現するので、どうか社民党と書い
て下さい」と駆け回って、訴えました。
地元の選挙区がないので、冠婚葬祭に行ったり、盆踊りに何百回行ったと
か、運動会をはしごして挨拶にいかなきゃということは、ありませんでした。
もちろんいろんな人やいろんな現場の声は、極力聞いてきましたし、ドメス
ティック・バイオレンス防止法を作ったり、また今はよりいいものを作るた
めにDV法改正案をつくったりと、立法や政策にエネルギーを使ってくるこ
とができました。
公職選挙法が、改正になって、今度は、個人名を書いてもらうことにもな
りました。全国を個人名を書いてもらうために、かけまわらなくてはなりま
せん。こんな制度だと、大きな組織のバックがなければ、本当に大変です。
組織出身ではない立候補者にとっては、途方にくれてしまう選挙制度で、
わたしにとっても、大変だという思いを強くしています。
政党が、順位をつけることの問題点は、確かにあります。しかし、ヨーロッ
パでもそうだし、日本でもかつて、市民運動出身の女性などが、この全国比
例区で、当選できてきたのです。わたしが、5年前に、当選したときも、
1位と3位は、女性で、2位と4位は、男性でした。社民党は、党則で、クォ
ター制をうたい、比例代表制だったからこそ、女性と男性が半々であったと
思います。
衆議院の小選挙区は、51対49で、49の方が負けてしまうというシス
テムです。少数者の意見が、国政に反映されにくくなるし、民意と国会の議
決との間に、大きなズレが生じてきます。
そして、この小選挙区のなかで、世襲議員が増えていっています。それは、
チバン・カンバン・カバンを強固なものにしていかなければ、勝てないとい
うこの制度のもとでのある意味必然です。
このような制度のもとで、女性が勝ちにくい(と言ってももちろん勝って
いる女性もいるわけですが)のは、当然です。
選挙制度を変えていかなければ、女性は増えていかないでしょう。
第2に、女性の立候補者を増やし、応援をしていくことです。そのような
NGO活動にも随分励まされています。わたしも今まで5期「福島みずほと
市民の政治スクール」をやってきました。今、5期目です。そのなかから、
女性の自治体議員が誕生しました。
そして、社民党は、統一自治体選挙で、女性と若者に対し、一般の男性に
比べて、選挙のお金を多くだすことをしています。といっても何十万単位な
のですが。女性については、女性議員を増やす方法として、採ってきた応援
策なのですが、今年は、若者にも適用を拡大しました。
女性の候補者を増やすには、女性で、活動に参加する人を増やすこと、女
性が活躍できるように、環境を作っていくことなど様々な課題があります。
でも元気な女性が明らかに政治を変えていきます。
「女性と政治スクール」などで、多くの女性たちと一緒に勉強をして、そ
れこそ一緒に未来を切り開いていきたいと考えています。
多くの心ある元気な女性たちが、政治家になって、一緒にがんばっていけ
ることが、わたしの夢であり、希望です。
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編集後記 ロゼッタストーン・弘中百合子
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井上議員も、福島議員も、「いまの選挙制度では、女性議員が増えない」
と指摘しています。
選挙制度は、このままでよいのでしょうか。それとも、圧倒的に少ない女
性議員を増やすためには、選挙制度を変えることも必要なのでしょうか。
前回、小宮山議員から、「クォータ制」についての提案がありましたが、
これに対して、読者から「男女同権とクォータ制は矛盾しないか?」という
指摘がありました。男女同じ制度がよいのか、しばらくは、女性議員を増や
す方向に制度を変えるべきなのか、みなさんはどう思われますか?
女性議員がどうすれば増えるのか、読者のみなさんも、ぜひ、ご意見をお
寄せください。これから少しずつご紹介していきたいと思います。
※「ヴィーナスはぁと」へのご意見、ご質問は vheart@rosetta.jp まで
お願いします。
お手数ですが、お寄せいただくご意見に
1)「掲載可」か「掲載不可」か
掲載してもよい方は
2)「匿名希望」か「実名可」か
3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か
をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを
紹介する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。
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「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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◇衆議院
小宮山洋子(民主党・東京) 武山百合子(民主党・北関東)
水島広子 (民主党・栃木)
◇参議院
有村治子 (自民党・比例) 井上美代 (共産党・東京)
岡崎トミ子(民主党・宮城) 千葉景子 (民主党・神奈川)
八田ひろ子(共産党・愛知) 広中和歌子(民主党・千葉)
福島瑞穂 (社民党・比例) 吉川春子 (共産党・比例)
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。
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■次号予告
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次回の発行は、12月11日です。
有村治子議員(自民党) 岡崎トミ子議員(民主党)
が登場します。
※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。
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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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