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2002年4月11日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第21号

  ***   ***  このところ政治への不信感、絶望感が広がっています。
 *****v*****  「いっそ子どもに政治をまかせたい」とか、「ロボットの
 ***********  ほうがマシ」とか、過激なコメントも寄せられています。
  *********  ヴィーナス議員」たちは、いまのこの状況を、どんなふ
   *******  うに思っているのでしょうか。その後、いくつかアンケート
     ***  の回答が寄せられたので、今回も「政治とお金」の問題を中
      *  心にお届けします。少し長くなりますが、じっくり読んでみて
    ください。
   「北朝鮮問題」については、再び延期します。ごめんなさい。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
■「政治とお金」アンケート
  瀬古 由起子(衆議院議員・共産党)
  小宮山 洋子(参議院議員・民主党)
  吉川 春子 (参議院議員・共産党)
  川田 悦子 (衆議院議員・無所属)
  有村 治子 (参議院議員・自民党)


■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

■編集後記


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「政治とお金」アンケート
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
「ヴィーナスはぁと」では、「政治とお金」について、以下のような項目で
ヴィーナス議員にアンケートを取りました。

1)政策秘書は置いていますか。その人はどういう役割を果たしていますか?
  名義を借りたことはありますか?
2)秘書は全部で何人ですか。秘書のお金の一部を寄付されることはありま
  すか?
3)政策秘書に関しては、システムの不備も指摘されています。たとえば、
  「秘書給与」として一括して議員に支払い、その内訳は議員それぞれにま
  かせる、という案もありますが、どう思いますか?
4)政策秘書は必要ですか?
5)政治の世界はお金がかかるといわれますが、みなさまの台所事情はいか
  がですか? なにが一番大変ですか?
6)お金のある人しか政治家になれないのでは、政治が限られた人だけのも
  のになってしまいます。志のある人が政治家になれるようにするには、
  どうすればいいでしょうか。
7)今回の辻元議員のようなこと(秘書の給与を政治家の経費に使う)は、
  政治の世界でよく行われていることですか?
8)辻元議員が女性なのに目立ったから叩かれた、あるいは鈴木氏を非難し
  た仕返し、という意見もありますが、どう思いますか?
9)今回の辻元議員の行為と、それをめぐる騒動についてどう思いますか?
  一番の問題はなんだったのでしょうか。
10)永田町は特殊な世界なので、素人が飛び込むとわからないことも多いと
  聞きます。新人議員を教育するシステムは、国会にあるのでしょうか。
11)最後に、政治不信になっている国民に、メッセージをお願いします。
12)(秘書の方へ)
  もしよかったら、今回の件に関して、ご意見をおきかせいただけません
  か?

※辻元氏はすでに辞職していますが、アンケート文章は作成時のままの
 「辻元議員」になっています。ご了承ください。

■◇■==============================================================
 瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)の回答
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1)政策秘書について

置いています。私自身は、党国土交通部会長をしており、彼は国土交通政策
分野の大ベテランで何本も論文も書いている有能な人物です。豊かな経験と
知識をもつ彼は、文字通り部会の事務責任者として重要な役割を果たしてい
ます。

彼を含め私の公設秘書は3名いますが、全員がそれぞれの分野で政策立案活動
に参加しています。現在でもこの3名のうち、政策秘書の資格者は2名いま
す。ですからもちろん名義を借りるなどということは全くありません。

2)秘書は全部で何人ですか。秘書のお金の一部を寄付されることはありま
  すか?

3人です。議員への寄付はありません。日本共産党の国会議員は個々の議員が
秘書を採用するのでなく、党中央委員会の職員から公設秘書にふさわしい人
の推薦を受け、採用することとしています。したがって自分の親族を秘書に
登録している議員は一人もありません。

党本部職員の給与を基準にして、国から支給される給与との差額は、一人ひ
とりが自主的に党に寄付し、寄付された同額を国会議員団会計にもどし国会
の中で議員団の活動をささえるために、調査や資料収集、政策立案活動をお
こなう共同の経費として出されています。もちろん政治資金規正法にのっと
り寄付は公表され、透明で公明正大に処理をしています。

3)「秘書給与」として一括して議員に支払う方法について

一括して議員にはらうということになれば一層経費の流用が横行することに
もなりかねませんし、秘書のみなさんの身分を不安定にすることにもなりま
す。政策秘書制度を作る際、名義貸しはもちろん近親者の採用をさけるとい
う方向があったのに、守ってないことが問題です。

4)政策秘書は必要ですか?

必要です。法案審議、国会質問、行政監視、国民の要求などの調査活動や政
策立法の提言など議員の活動を支える上で、なくてはならないスタッフです。

5)みなさまの台所事情はいかがですか? なにが一番大変ですか?

台所事情は、日本共産党にとっても楽ではありません。しかし日本共産党が
他党とちがうことは、企業、団体からの献金や自分の支持しない政党まで税
金が支払われる憲法違反の政党助成金を一切受け取らず運営していることで
す。

なぜそれができるかとおもわれるでしょう。機関紙「しんぶん赤旗」の販売、
党費、個人寄付等で全ての経費をまかなっているからです。ひも付きのお金
が一切ないために、純粋に国民のために働くことができると自負しています。

そのために私たち国会議員も含めて党へのカンパや、機関紙の購読を訴えた
り、国民の浄財を募る先頭にたっています。大変ですがとってもやりがいの
ある日本共産党ならではの仕事です。

6)お金がなくても志のある人が政治家になれるようにするには?

私も看板、地盤、カバンなく、11ヶ月の子どもを背負った1人の「主婦」とし
て市会議員になりました。もちろん全て党営選挙で、宣伝カー、選挙事務所
も党が準備し、洋服、靴などは地元のみなさん、友人、知人がカンパをして
くれました。国政選挙は地方議員と違ってお金は一定かかりますが、やはり
国民の中にはいり、国民の中で活動することに徹することが財政面でも支え
ていただくことになるのでしょうか。

7)秘書の給与を政治家の経費に使うことは、よく行われている?

他党や他議員のことはよくわかりませんが、名簿をみると身内を秘書として
登録している議員も多く問題です。日本共産党ではおこなわれていませんし、
あってはならないことです。

辻元議員の問題を契機に実態を明らかにし、本来の主旨に沿った方向で改善
すべきです。疑惑のある議員や政党は自らの責任で解明して国民に明らかに
すべきです。

8)「女性なのに目立ったから叩かれた」or「鈴木氏の仕返し」説について

社民党の調査委員会の報告でも政治規制法違反で、記者会見で国民に虚偽の
説明をしていた辻元議員は国会議員として政治的道義的責任をとって辞職し
たのは当然です。これは女性、男性だからにかかわらず問われることです。

追及される与党からすれば野党に弱点があれば攻撃してくることはありうる
ことです。だからこそ野党は自浄能力がないと追及される立場にたたされま
す。今回の辻元氏の辞任についてもまだ国民への疑問は払拭されていません。
辻元氏と社民党の疑惑解明への誠意ある努力が求められています。

さらに改めて鈴木宗男、加藤紘一両氏の責任がきびしく問われています。小
泉首相が「本人が決めること」と責任逃れをしてきたことは重大です。鈴木・
加藤の疑惑を徹底解明することや証人喚問と議員辞職は当然です。

9)今回の辻元議員の行為と、それをめぐる騒動について

「政治と金」について政治家は、金権・癒着・流用など国民の税金を食い物
にしたり、ごまかしたりすることはあってはならないということを肝に銘じ
ることです。不正が明らかになった以上、本人、政党が国民に納得できるよ
うに説明ができる自浄能力と責任が求められていること。そこが欠落もしく
は不十分なため起きた事態です。

10)新人議員を教育するシステムは、国会にある?

私達日本共産党議員は、新人、ベテランとも教育を受ける機会は大変多いの
です。党としても努力をしています。今日の政党政治のもとで、各政党が当
然蓄積を生かし、新しい発想をも取り入れた新人教育が必要でしょう。政党
に属していない議員も含めて各院での新人議員の研修の充実が求められます。

11)政治不信になっている国民へのメッセージ

辻元氏の例は「政治家と金」のあり方についての今日の問題点が浮き彫りに
なったものであり、税金の使い方というものがどんなに厳密でなければなら
ないかという国民の判断を明らかにしたものであったと思います。

鈴木問題と外務省の関係なども不十分ですが、国民の怒りのなかで関係者の
処分がされています。BSE問題での武部農水相の責任問題も大詰めです。
今後も引き続き鈴木・加藤両氏の「居座り」やそれをかばいつづけてきた小
泉内閣に国民の監視がおこなわれることが大切です。

党や政治家が歪んでいても、それを許さない国民の良識は健在です。引き続
き政治に関心をもってください。そして腐敗した政党や政治家は選挙で審判
を下すことが必要です。

今国会ではこの後、国民に戦争参加を強制する有事法制や医療制度の大改悪
など重要法案が次々と提案される予定です。悪法はどんなことがあってもス
トップしなければなりません。国民の力を結集すれば必ず政治は変ります。
私たちも引き続きその先頭にたちます。

※編集部注:この回答は、加藤氏の辞職以前にいただいたものです。

12)(秘書の方の意見)

私は、国会議員の公設秘書を30年近く勤めています。それだけに今回の政
策秘書の件については残念なことだと感じるとともに、公設秘書制度の改革
を強く感じました。

日本共産党の公設秘書は、政策、第1、第2の区分に関係なく、すべて、政
策、立案に携っており、議員を補佐しています。

しかし、悩みもあります。国政への期待と関心が高まる程、電話や来客、あ
るいはメールも多く寄せられます。3人の秘書が平等にそれに当たっていま
すが、それでも6時頃までは主として、その業務に追われます。したがって、
資料を読んだり、ものを書く時間は午後6時以降となり、ついつい勤務時間
も長くなります。又、時には家に仕事をもち帰ることもあるのです。

また私たちは、できるだけ多くの国民、専門家、団体の意見を聞くために外
にも取材に出かけ、各種のNGOなどとの連携にも努力しています。

今回の件は残念なことですが、すべての政党が、ほんとうに議員の立法、政
策活動を支える仕事をやっていれば、今回のような事件は起こらないはずで
す。又、公設秘書が、このような仕事をやっていれば、公設秘書(政策秘書)
の活動の充実のための体制整備にも国民の理解が得られると思います。

(政策秘書より)

■◇■==============================================================
 小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)の回答
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1)政策秘書について

政策秘書は、置いています。私の政策を一緒に作ったり、政策を作るための
資料を収集したり、本来の政策秘書の仕事をしています。名義を借りたこと
はもちろんありません。

2)秘書は全部で何人ですか。秘書のお金の一部を寄付されることはありま
  すか?

秘書は3人です。その他に、ボランティアで、勉強会の企画をしてくれたり、
英語の資料を訳してくれたりする人はいます。秘書のお金は、全額秘書が受
け取っています。寄付をされたことは、ありません。

3)「秘書給与」として一括して議員に支払う方法について

議員に秘書給与として、一括して渡すことで、よいと思います。ただ、税金
や雇用保険などの扱いが困るという話もあり、検討していく必要があると思
います。

4)政策秘書は必要ですか?

政策秘書は、必要です。アメリカでは、議員の政策スタッフが30人くらい
いると聞いています。これまでは、与党から政府提出として出される法案が
多く、その政策スタッフ?は、官僚でした。いま、野党から議員立法で、ほ
んとうに必要な法案を作ろうとするときに、政策秘書は必ず必要です。

調査室のスタッフなどに資料収集などを手伝ってもらうこともありますが、
こちらも人手不足です。私も民主党の議員たちも多くの議員立法を作ってい
ますが、1本の法案を作るには、これまでの法律との整合性など、膨大な作
業が必要なのです。私は、議員の本来の仕事は、ひとりひとりが生きやすい
社会を作るための立法作業だと考えています。

5)みなさまの台所事情はいかがですか? なにが一番大変ですか?

お金のかからない政治をと心がけていますが、大変です。政治家の歳費は多
いとお考えかもしれませんが、事務所の維持費や、私の場合、情報提供が仕
事のひとつと考え、ニュースレターや、FAXニュースなどを頻繁に発行し
ています。

ニュースレターを1回全国に出すだけで100万円単位でお金がかかってし
まいます。皆さんがメールを使ってくださればよいのですが、現状はそうで
はないので。

また、選挙にお金がかかることも問題です。特に参議院の比例を個人名を書
くようにしたことで、お金か組織のない人は当選しにくくなり、逆行してい
ます。こうした仕組みにも是非、関心をもってください。

6)お金がなくても志のある人が政治家になれるようにするには?

選ぶ側の皆さんが、どういう基準で政治家を選ぶか、また、小さい頃からの
政治教育(政党教育ではない)、民主主義教育が必要だと考えます。

7)秘書の給与を政治家の経費に使うことは、よく行われている?

1人150万円までなら、きちんと手続きをすれば秘書からの寄付も認めら
れているので、している例は多いと聞いています。

8)「女性なのに目立ったから叩かれた」or「鈴木氏の仕返し」説について

辻元前議員が目立ったからということは、あると思います。でも、している
ことが間違っていたことは確かです。

9)今回の辻元議員の行為と、それをめぐる騒動について

辻元前議員の問題は、もちろん名義借りをして、政治資金規正法に違反して
いたことは問題です。また、事実とは違う会見をしたり、危機管理がなって
いなかったことが問題だと思います。提起された秘書の問題は、与野党でしっ
かり協議する必要があることは言うまでもありません。

10)新人議員を教育するシステムは、国会にある?

新人議員を教育するシステムというものがあるわけではありません。私は、
4年前に議員になったとき、先輩議員や党のスタッフに、ずいぶんいろいろ
なことを聞きました。

本人が、きちんとした人にわからないことを尋ねれば、解決することは多い
と思います。

11)政治不信になっている国民へのメッセージ

政治家がえりを正すことは、必ず必要です。一方で、このひどいといわれて
いる議員も国民の皆さんが選ばれているのです。情報の提供と、判断、一緒
に、市民の皆さんが望んでいらっしゃる政治を創っていきたいと思っていま
す。

■◇■==============================================================
 吉川春子(参議院議員・共産党・比例)の回答
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1)政策秘書について

 政策秘書は置いています。私の、NPOの優遇税制法案や天下り法案など
の立法活動の時も法制局との協議などを一緒に行うなど、政策・立法活動の
仕事をしています。また、国会論戦のための調査、資料の収集、法案の分析
を行うなどおおいに活躍しています。その他私の日程把握など一般の秘書業
務もこなします。私のインドネシア従軍慰安婦問題調査にも同行しました。
 名義を借りるなどということはありません。

2)秘書は全部で何人ですか。秘書のお金の一部を寄付されることはありま
  すか?
4人(公設秘書2人、政策秘書1人、私設秘書1人)です。秘書は日本共産
党中央委員会に寄附しています。

3)「秘書給与」として一括して議員に支払う方法について

親族・近親者の公設秘書採用の禁止、公設秘書の氏名公表などが必要と思い
ます。

4)政策秘書は必要ですか?

必要です。
政府からの法案は毎年通常国会に100本以上出るのをはじめ、法案が毎年
多数出てきます。これらを分析、時によっては対案の作成が必要です。政策・
立法活動をサポートするスタッフは必要です。

私は参議院議員3期目の時、マスコミ調査で45本の法案を提案し、参議院
議員中トップでした(朝日新聞調査2001.4)。立法府のメンバーとし
て、議員としての立法活動を旺盛に進めるため、政策・立法活動を担う政策
秘書はなくてはならない存在です。

5)みなさまの台所事情はいかがですか? なにが一番大変ですか?

日本共産党の場合は国会議員の選挙や日常活動について党が財政的に責任を
もっています。

6)お金がなくても志のある人が政治家になれるようにするには?

 (1)参議院比例代表選挙の非拘束名簿式には多くの問題点があるので見
    直す必要がある。
 (2)供託金が高すぎるので引き下げる。

7)秘書の給与を政治家の経費に使うことは、よく行われている?

そんなことはあってはならないことです。

8)「女性なのに目立ったから叩かれた」or「鈴木氏の仕返し」説について

「キジも鳴かずば撃たれまい」、信州のおせんが渕の民話にもそんな言葉が
でてきますが、私は違うと思う。これは政治資金規正法違反、その他の法律
に触れる行為なので許されません。また政治家は不正を厳しく追及するので
すから、自らの身は常に清潔にしておかなければならないというのが教訓だ
と思います。野党はなおさらです。

9)今回の辻元議員の行為と、それをめぐる騒動について

私の回答は、8)と同じです。
10)新人議員を教育するシステムは、国会にある?

私たち国会議員は、新人もベテランも国民によって、日々教育されています。
基本は自分がどれだけ意欲的に勉強するかです。その気になれば、国会図書
館、参議院調査室、政府のどの省でもすぐに頼めば説明に来てくれます。ま
た所属政党が面倒をみるのだと思います。

11)政治不信になっている国民へのメッセージ

鈴木議員、加藤議員は自民党の金権体質そのものです。地元への利益誘導を
するような議員は結局どこかで政治をゆがめ、国民に不利益をもたらしてい
るのです。共産党は企業団体献金を禁止する法案を国会の度に提案していま
すが、他の党がのってくれないのです。次の選挙で清潔な党を大きくしませ
んか。

■◇■==============================================================
 川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)の回答
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1)政策秘書について

残念ながら置いていません。名義借りはありません。

2)秘書は全部で何人ですか。秘書のお金の一部を寄付されることはありま
  すか?

公設2人、私設2人(有償と無償)

3)「秘書給与」として一括して議員に支払う方法について

一つの提案だと思います。その場合、秘書の身分、待遇が保障されるような
システムをつくらなければならないと思います。(最低限の給与を決めるな
ど)

4)政策秘書は必要ですか?

公設秘書全員が政策立案能力が必要、差をつける必要なし。

5)みなさまの台所事情はいかがですか? なにが一番大変ですか?

人件費と事務所維持費がけっこうかかります。もう少しシステムが整い、調
査研究費に回せるといいですね。

6)お金がなくても志のある人が政治家になれるようにするには?

国民が政治家を選ぶ際、容姿やパフォーマンスや元気のよさにまどわされず
に、きちんと政策と過去にどういう立場に立って何を取り組んできたかを見
極めていくようにならなければならないと思います。そうすれば、声が大き
かったり、宣伝力のある人だけが選ばれるということはないと思う。

7)秘書の給与を政治家の経費に使うことは、よく行われている?

たぶん行われていると思う。

8)「女性なのに目立ったから叩かれた」or「鈴木氏の仕返し」説について

まったくないとは言い切れないと思います。ただ辻元氏の対応にも問題があっ
たと思います。

9)今回の辻元議員の行為と、それをめぐる騒動について

辻元氏が20日の記者会見で嘘をついたということ、さらに25日の記者会見で
真相にフタをしてしまったこと。疑惑の追及をしてきた人が、自ら嘘をつき、
情報を隠蔽してはならない。辻元氏はつらくても全てを明らかにすることが
大事。党を守るのではなく、人々の信頼に応えることが今、大事です。
辻元氏も加藤氏も結局人々を信頼していないやり方をしている。

10)新人議員を教育するシステムは、国会にある?

ありません。

11)政治不信になっている国民へのメッセージ

政治不信になるのは当然であり、私もやめたい心境になります。でも、もし
多くの人が政治に愛想をつかして無関心になれば、政治はもっと腐っていき
ます。投票率50%以下という状況が政治家から緊張感を奪っているのだと
思います。どういう政治にしていきたいのか一人ひとりが考えていくことが
大事。政治家に任せるのではなく、政治に参加していく姿勢、行動が国民に
求められています。

■◇■==============================================================
 有村治子(参議院議員・自民党・比例)の回答
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今回与野党ともに、秘書に関連する疑惑がたて続けに報道されました。本当
に残念です。と同時に、条件が整わない環境の中で、昼夜一生懸命誠実に働
いている秘書・スタッフが永田町に少なくないことも、事実です。彼らと共
に働いている同僚議員として、ぜひこの事実もお伝えしたく、皆さんにご報
告致します。

●政策秘書について

政策秘書は、規定通り1名います。秘書から寄付を受けたり、名義を借りたり
したことは、一切ありません。政策で勝負できるような世界になっていける
よう、有権者・候補者・秘書・議員それぞれが試されている時だと感じてい
ます。議員が専門分野で質問・立法して、その職務を全うするためにも、や
はり政策秘書は必要だと痛感します。政策秘書を活用できるかどうか、政策
秘書にどんな成果をあげてもらえるかは、結局議員本人の技量・能力にかかっ
ていると思っています。

選挙で落ちれば、議員本人同様、公設秘書も同時に職を失うリスクを持って
います。そのリスクを乗り越え、人格・能力ともに信頼できる人が、政策秘
書の職務に魅力を感じられるよう、公設秘書の処遇は整備しておくべきだと
考えます。その上で、各議員が国益のためにどれだけ効果的な働き方ができ
るのか、政策秘書の成果責任を問い続けることが重要だと考えますが、今回
の一連の疑惑報道では、その議論が抜けているような気がしてなりません。

●選挙や議員活動をする上での資金について

最もお金がかかるのは、やはり選挙に向けての活動ですが、自発的な勉強会
を運営するための「議員連盟 月会費」に加えて、毎日事務所を切り盛りし
ていくのにも、常にコストが発生します。私は比例(全国)区で当選しまし
たから、全国的に出張することも少なくありません。スタッフが同行する出
張の場合にも、新幹線・飛行機・宿泊費等のコストが、当然かさみます。

マクドナルドで勤務していた会社員時代にも、日銭を稼ぐことの大変さを実
感しているので、議員事務所としても、調査研究などお金をしっかりかける
領域と、事務所備品など倹約できる領域を見誤ることなく、コスト意識を徹
底するように呼びかけています。

一般的に、選挙に必要と言われる地盤(ジバン⇒票田)・看板(カンバン⇒
知名度につながる経歴)・鞄(カバン⇒資金)を持ち合わせていなかった私
が、比例(全国)区で、公認を受けたのも、なんとか当選できたのも、自民
党では極めて異例のことです。毎日の生活を一生懸命切り盛りするごく一般
的な納税者の声を、政権政党に反映していくことが、与えられた仕事だと日々
感じているので、この点では、条件が整わなくても志のある人が、選挙に果
敢に挑戦しつづける実例・実績を増やしていかなきゃいけないと思っていま
す。

●辻元 元議員関連の報道について

他の議員事務所がどのような運営をされているのか立ち入ったことを聞いた
ことがないので、他の事務所で辻元 元議員のようなことが、頻繁に行われ
ているかどうかは、実直なコメントですが、分かりません。今回の一連の動
向を、設問にあったように「鈴木議員を非難した仕返し」とか「女性なのに
目立ったから」という次元でとらえていたら、本質的な問題の解決には決し
て至りません。今回の突然の雑誌報道は、内部告発だったと一部報じられて
いますが、それ以外の情報を私は持ち得ていません。報道の真相も含めて、
当事者の方々が説明責任を果たされることを期待したいと思います。

辻元 元議員については、既に多くの方がコメントされているので、いただ
いた質問の主旨に沿って、別の視点から考えてみたいと思います。私は去年
初めて選挙に立候補し、タスキをかけた経験を通じて、選挙において名前を
書いて投票していただくことがいかに困難なことかを、身を以って実感しま
した。この経験から、当選・落選の区分なく、与野党を問わず、どのような
規模の選挙であれ、勇気を持って選挙に立候補した方々に対し、心からの敬
意を持つようになりました。たとえイデオロギーや、所属政党、政策実現に
向けての手段が違ったとしても、選挙の修羅場をなんとか生き抜いてこられ
た相手に、人生の先輩として一定の敬意を持つようになったのです。

国会議員が有権者の大事な一票を託して頂いて、私達納税者の大切な税金の
使い途を決める職責をおっていることを考えれば、与野党ともに持たれる疑
義に対して、しっかりとこれに立ち向かうべきだと思います。その上での持
論ですが、各議員とも、選挙において少なくとも数万人の有権者の信託を受
けて衆・参どちらかに登院しているわけですから、相手の人格まで徹底的に
否定するような中傷は、与野党ともに自重して、政策議論でこそ、精一杯堂々
と論争を展開するのが、筋だと考えます。この点では、たとえ持論に強い信
念や自信があったとしても、とりあえず先方の意見に耳を傾け、異なる意見
を持った相手にも一定の敬意を持てるかどうか、各議員の人間性が問われて
いるのではないでしょうか。

●永田町に飛びこむということ

質問に対して端的にコメントすると、国会にはやはり、カリキュラムの整っ
た「新人養成講座」「オリエンテーション」というものはありません。基本
的に道を切り拓いていくのは「本人次第」という土壌なのかもしれません。
秘書や地方議会の経験のない他の新人議員と同様、私も試行錯誤を重ねて学
ぶ毎日を送っています。失敗には、「日常のミス」と「絶対犯してはいけな
い失敗」があると思います。政治倫理や人間性が問われるような「絶対犯し
てはいけない失敗」に関しては、事務所のスタッフ全員と厳重に話し合いを
重ね、これを厳しく自戒するよう努めています。
新人養成ではないのですが、私が所属する自民党の場合は、ほとんど毎朝、
部会とよばれる勉強会があり、ここで各法案が出される背景や専門家の意見
を聞いたり、議員同士で意見をぶつける場があり、所属議員はどの部会にも
自由参加の上、持論を述べることができます。
(部会については有村のホームページhttp://www.arimura.tv/hajimeni03.htm
に記してありますので、関心がある方は「<はじめに> 与党、政権政党の
議員になってみて」の項目をご覧ください)

また、去年の参議院選挙で当選した自民党同期新人議員が21名いるので、
「21の会」という同期会を結成し、ここで具体的な勉強会を立ち上げたり、
新人の喜怒哀楽を分かち合っています。「あっ、みんなも悩み、苦しんでい
るんだー」と新人議員同士、「へこむ」ことの少なくない日常の仕事につい
て本音で語り合うだけでも、随分救われた気持ちになることもあります。国
会のすごいプレッシャーの中で、張り詰めた緊張をときほぐしてくれる貴重
な「励まし合い」の場です。

●「ヴィーナスはぁと」の読者、国民の皆さまに…

やはりこんな時期、こんな時代だからこそ、奇をてらうパフォーマンスでは
なくて、それぞれの分野で、誠実に仕事に取り組んでいる人が評価される土
壌を求めていきたいですし、機運が高まってほしいと思います。国会におい
ても、特にテレビうけするパフォーマンスだけが歓迎されるのではなくて、
この「ヴィーナスはぁと」のように、各人の地道な活動が活きてくるような
政治風土を、読者の皆さんとご一緒に求めていきたいです。少数派かもしれ
ませんが、視聴率・購読率のみに先導されるのではなく、各議員の地道な活
動を、真面目に報道しているメディアの皆さんにも、ぜひ「ふんばり続けて」
いただきたいと思います。

政治・食の安全・金融・教育・ビジネス…どれも相互信頼の基にしか成り立
たない営みなのに、その根本的な基盤となる「信頼」が揺らいで、システム
そのものがぐらついているのが、現在の日本の状況だと私は見ています。こ
の回復には、仕事に結果を出していくための「信頼できるパートナー」を探
すための時間・労力・コストをかけ、厳しく確かな目で、そのパートナーを
育てていくことを、私たち一人ひとりが、それぞれの分野で始めていくこと
が大事だと思っています。まだまだ充分ではありませんが、その一環として
私は、日本の子どもたちに「ボクも選挙に出たい!」「私も政治家になりた
い!」と思ってもらえるような信頼回復の日が来ることを信じて、「未来の
有権者」が政治に興味を持つためのNGOの活動や学生団体、中高生の国会イン
ターン受け入れなど、彼らの「第一歩」を積極的に応援しています。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子 (民主党・栃木)  山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

                         計16名(敬称略)


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  編集後記
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「ヴィーナスはぁと」や「ロゼッタストーン」に寄せられる声を読んでいる
と、国民は政治家に、「正直さ」と「いまの政治を壊す破壊力」を求めてい
るようです。政治家が信頼を取り戻し、本来の「政策論争」ができるように
なるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。それでも、これまで出てこ
なかった問題が次々に明るみにでてくるのは、国民が政治に関心を持つよう
になった成果だと思います。
政治家には自ら情報を公開していく努力、国民には関心を示し続ける努力が
必要ではないでしょうか。また、自戒をこめていうならば、マスコミは重要
度よりも、新しい話題、目立つ人物の話にとびつく傾向があります。本当に
大切なものは何なのか、報道を受け止める側に冷静な視点が必要です。

次号からは通常の形式に戻りますが、追加のアンケートが届いた場合は、そ
の都度、紹介していきます。ヴィーナス議員へのご意見、ご質問、励ましの
お便りなどお待ちしております。

(ロゼッタストーン・弘中百合子)

ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。


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■次号予告
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次回は「北朝鮮対策」を中心にお届けします。ご意見、ご質問、お待ちして
おります。

  ◆福島瑞穂 (社民党)
  ◆武山百合子(自由党)
  ◆川田悦子 (無所属)
  ◆山口わか子(社民党) ほか

※回答議員は変更になる場合もあります。

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 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
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