2001年11月19日発行
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはあと』 臨時増刊(11/19)号
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*********** 前回紹介しきれなかった、有村治子議員からの
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******* メッセージをお送りします。
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有村治子(自民党・参議院・比例)
「『明日の日本のために、体を張って仕事をしよう!』という気概を持った
若い世代がいないのは、これこそ国家的な危機だなぁ・・・ と」
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◆自己紹介
・奨学金に助けられてアメリカの大学院(修士課程)に留学し、国際マネジメント
の修士号をとってきた元日本マクドナルド社員。
・桜美林大学や企業研修の講師をして自分の学費を稼ぎながら、青山学院大学の大
学院(博士課程)で国際経営学を研究する社会人大学院生。
・サラリーマンの夫と2人暮らしの30代の主婦、でもあります。
・苗字の「ありむら」の一部をとって、ずっと「ア〜リ〜」とか「アリちゃん」と
いうニックネームで呼ばれています。
◆ロゼッタストーンの読者の皆さまに・・・
今回指定された文字数がとても少ないので、文字数削減に随分努めてみましたが、
真剣に読んでくださる皆さまには、私自身やっぱりどうしてもお伝えしたい!と思う
ことを真剣に書きたいと思うようになりました。このため、「う〜っ」と悩んだ末に、
800字程度というリクエストの範囲で、聞こえのよい文章を並べるよりも、800字にこ
だわらず、現在までの実直な経過を報告することを選びました。今回のこのロゼッタ
ストーンさんの企画に賛同した女性議員は、すべてボランティアで、それぞれの考え
るところを、皆さんと共有すべく、たまる一方の仕事の中から時間をしぼり出して、
文章を書いている方がほとんどだと思います。生真面目になっちゃったかもしれませ
んが、私も少ない睡眠時間をさらに短くして、精一杯取組んで書いてみたので、ご一
緒いただければ嬉しいです!(ニコッ)
◆ 企業人・社会人学生・大学講師として感じた危機感
日本マクドナルド(株)で人材開発の仕事をし、とても充実した会社員生活を送っ
ていましたが、現場で生じた疑問を解決するために、大好きだったマクドナルドでの
仕事を離れて、国際経営学を研究するために大学院の門をたたき、博士課程に社会人
として編入しました。その経験の中で、日本には社会人が新たに能力を伸ばし、その
後職場に戻るような仕組みが、まだまだ発達していないことを実感。向学心のある人、
頑張っている人間がきちんと評価される仕組みを作っていかなきゃ、汗をかいて自ら
道を切り開いていこうとする人が、日本に見切りをつけ、どんどん海外に出て行って
しまうゾ・・・と危機感を募らせました。
大学生を前に教鞭をとっていたところ、「政治家になりたい」と胸を張って言うハ
タチ前後の若い人が、ほとんどいないことに気付きました。「明日の日本のために、
平和を守るために、体を張って仕事をしよう!」という気概を持った若い世代がいな
いのは、これこそ国家的な危機だなぁ・・・と感じました。将来の自国や、出身地の
期待を背負う想いで各国から留学を果たしていた社会人が集っていたアメリカでの大
学院(修士課程)留学時代を思い出し、現在の日本には、「私も、政治家になりた
い!」と次世代の人々に夢を持たせることのできる、政治家の実例が少ないこと実感
したのです。
◆ 「私なりに、できることをやってみよう!」
閉塞感が漂う日本。ある日思い立って、政治家に、手紙を書くことにしました。相
手は、テレビ・雑誌報道などを通じて、10年以上前から尊敬していた衆議院議員の
野田聖子さん(元郵政大臣)です。問題意識を掲げた上で、できるだけ誠実な手紙を
書くよう心がけ、「高い志を持つけれども資金力・組織力を持てない若い世代も、政
治に参加していける動きを創りたい。そのために私自身も精一杯頑張りたいです」と
いう手紙を記しました。すると、政治の世代交代と女性議員の増加を唱えられていた
野田聖子さんから、すぐに連絡があり、間もなくお会いすることになったのです。一
国民からの手紙を取り上げ、すぐに真摯な行動をとって下さった野田聖子筆頭副幹事
長(当時)の実行力・直観力に、心から感激しました!・・・その後しばらくして、
参議院の比例区(全国区)で、自民党公認候補として立候補する話があったのです。
選挙までもう半年を切っていた2月の末のこと。選挙に出たとしても、引いたとして
も沸いてくる、とんでもないプレッシャーに、私は何度も吐き気をもよおし、オドオ
ド慌てふためく毎日でした。
◆ 私が出なきゃ、今までどおりの選挙になってしまう・・・
・・・しかし考えようによっては、これは<私達>にとって、1つのチャンスにな
ることに気づいたのです。自民党が私のような知名度のない一般の人間を比例区(い
わゆる全国区)で公認するのは、今までには全くなかったことです。「自民党」と言っ
ただけでヤジが飛び、内閣支持率が一桁台に落ち込んでいた時期だったからこそ、無
名の私に出馬の話があったのでした。今回もし私がこの機会を見送ったら、私のよう
な「毎日の生活を一生懸命切り盛りしている」若い世代の女性が、推薦される日はも
う来ないかもしれない・・・。私が立つことによって、政治に関心を持つきっかけが
少なかった学生の皆さんや、日々の生活に追われるOL・主婦層、政治に望みを託すこ
との少ない会社員の方々が、政治家をもっと身近な存在に感じたり、「私もできるこ
とから始めよう!」と主体性を強められるのであれば、私の出馬も意味があることに
違いない、と思いはじめたのです。予想される落選後の社会の厳しい仕打ちについて
も、夫と現実的に話し合い、悩んで悩んで悩みぬいた末、大学院博士号取得のために
今まで私なりに精一杯とりくんできたことを脇において、討ち死に覚悟で、選挙に出
馬することを決意しました。
◆ 自民党比例、唯一の「一般生活者候補」となって
結果、自民党比例区(全国区)候補の中で、特定の業界団体の出身ではない、官僚
の出身でもない、知名度を誇る有名人でもない、というただ一人の「一般生活者候補」
となりました。政治は力と力のぶつかり合いですから、自民党、民主党・社民党など
のように、特定の団体組織の代表を全国区に出馬させる従来型の選挙も、大切なこと
でしょう。でも、毎日の生活を一生懸命切り盛りしている人が、政権政党に入ってい
こうとする動きを実践することも重要です。私たち国民の大多数が、「毎日の生活を
一生懸命切り盛りしているフツーの人」だからこそ、その声を代弁し、これを実質的
に法律を作り仕上げている、政権政党の自民党に届けていくことが、求められている
姿だと信じています。
「志を高く掲げ、歯を食いしばって、どんなに苦しくても涙は見せず、最後まで笑
顔でにこやかに戦い抜こう」と思っては見たものの、25万枚のビラ、7万枚の選挙ポス
ターを全国に配って消化する組織や知名度は、「一般生活者」の私には当然なく、一
握りの希望さえも、持ち続けるのが困難な闘いでした。噂やデマが錯綜し、人を極限
状態に追い込む選挙について、実際にタスキをかけた一人としてあまり多くを語りた
いとは思いませんが、選挙とは「現代に残された唯一合法的な戦争である」というの
が、修羅場を見た私の率直な感想です。実際に候補者となってみて肌で感じる、選挙
の持つ「破壊力」の凄さには、がく然としました。選挙を経験した今、与党であれ、
野党であれ、衆議院選挙であれ村会議員選挙であれ、選挙に立候補した人には、当選・
落選の結果に関わらず、立候補を決めたその勇気に対し、心からの敬意を持つように
なりました。
◆ 「へぇ、自民党にあなたみたいな人もいるんだねぇ〜」
小泉政権が誕生して、政治に対する関心は一気に高まりました。ミニスカートをは
いた茶髪の女子高生のみなさんも、街頭で立っている私の話に耳を傾けてくれるよう
になった現在、一人でも多くの方と「共に知恵を出し合って、働いていきましょう!
ぜひご一緒ください」という気持ちで一杯です。
正当に一生懸命ふんばっている人が、きちんと評価される社会をめざし、21世紀の
日本の舵取りに責任を負う若い世代が、政治に参加できる動きを創っていきたいです。
当選後、希望通り、文教委員になりました。大学院でも、会社員時代も、人の可能性
を引き出す人材開発にとりくんできた私は、日本の子供たちが世界の子供たちとわた
りあっていける、生き抜く力をはぐくむ教育と、「もう一人産んでもいいかなぁ」と
思える社会の実現にむけて働きかけたいです。そして「先進国の中の、後半グループ」
に落ちつつある日本の国際競争力が高くなっていくことを願っています。
一部の人間が、排他的な雰囲気の中で意思決定をしていく政治ではなく、代議制民
主主義の中で、『わかりやすく、参加しやすい、議論しやすい』政治の土壌を少しず
つ、しかし確実に創っていくことをめざし、「今日の活動はその前進につながったか
な?」・・・と夜中、布団に入りながら考える毎日を送っています。ときどき、
「へぇ〜。自民党にあなたみないな人もいるんだぁ・・・(私は○○党の支持者だけ
ど、)これからの活動、応援するよ。」とおっしゃってくださる方にお目にかかると、
本当に嬉しく、勇気が出ます。
(うわぁ、もう朝の4時5分だぁ〜。サラリーマンの夫は、「いつものこと」と、
当然私の夜なべに愛想をつかし、『明日(実際には今日)』の出勤に備えて隣で寝て
います。私自身も、もちろん『明日』も、会合やら、打ち合わせやら、食事会やら一
杯スケジュールが入っているので、今日はこの辺にて、もう寝ますネ。グットナイト、
です・・・)
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編集後記
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有村さんが書いているように、ヴィーナス議員たちは、お忙しいなか、全員ノーギャ
ラで参加してくださっています。それだけ、市民との情報交換を真剣に望んでいる人
たちだと思います。読者のみなさまも、どうぞ、御意見、御感想をお気軽にお寄せく
ださい。
御意見、ご要望はこちらまでお願いします。
vheart@rosetta.jp
(ロゼッタストーン・弘中百合子)
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■次号予告
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次回は、11月22日(木曜日)発行。執筆者は
水島広子議員(民主党)、武山百合子議員(自由党)、
石井郁子議員(共産党)、千葉景子議員(民主党)、山内惠子議員(社民党)、
八田ひろ子議員(共産党) の6名です。
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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはあと』
編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
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