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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年12月27日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第117号  ━━━━━━━━●

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今年も残りあと5日。みなさま、お正月を迎える準備はできましたか?今回
は2004年最後の「未来総理」です。自民党の西村康稔議員が小泉内閣最
大の目標「郵政民営化」について、自論を述べてくれました。また、
有村治子議員からは、「教科書問題」について意見が届きました。

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   ミスター円・榊原英資氏や、評論家・中島梓氏、表現インストラ
   クター・山田ズーニー氏らが、日本の「人間関係」の問題点や
   希望を語っています。未来総理の西村康稔議員(自民党)、
   鈴木康友議員(民主党)、松下新平議員(無所属)にも「政治と
   人間関係」についてインタビュー。

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  目次
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 ■ 「郵政民営化についての私の考え方」
       西村康稔(衆議院議員・自民党・兵庫)

 ■ 「一年の感謝とともに教科書問題を考える」
       有村治子(参議院議員・自民党・比例)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

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 ■ 「郵政民営化についての私の考え方」
           西村康稔(にしむらやすとし・衆議院議員・自民党・兵庫)
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1.「郵政民営化」は、小泉総理によれば「改革の本丸」とされる。一方で、
私の後援会の会合などで「今の郵便局に不満がありますか」と聞いてみると、
約8割の人が「不満はない」と答える。一体、今の制度のどこに問題がある
のか、何をすべきなのか、私なりの考えを述べてみたい。

2.最大の問題は、郵政3事業のうち郵貯、簡保に集まっている350兆円
の使い途(出口)である。すなわち、これまで、特殊法人をはじめ多くの無
駄な事業に流れていたことである。このことが日本の金融システム全体を歪
めてきたのであり、民営化論の一つの大きな根拠となっているのである。
(なお、このことについて、郵便局の方々に責任はない。)

3.一方、郵便事業については、日本全国津々浦々どこへでも均一料金で届
けてくれる。このいわゆる「ユニバーサル・サービス」は今後とも維持すべ
きであり、このことについての反対意見はほとんどないのが実情である。
(「営業時間を長くしてほしい」とか「休日も配達してほしい」などの改善
すべき点はあるが。)

4.以上のことを踏まえ、閣議決定された政府案を巡り様々な意見が出され
ているわけであるが、今後の制度設計に当たって何点かの論点を指摘したい。

 (1)現在の郵政公社を4つの事業会社、即ち、「郵便会社」、「郵貯会
     社」、「簡保会社」、「窓口ネットワーク会社」と、これらを総括す
     る「持株会社」に分けることとしているが、最大の課題は地域に拠点
     を置く各事業の窓口となる「窓口ネットワーク会社」の経営が成り立
     つかどうかである。この点、「ユニバーサル・サービス」の維持のた
     めにも、全国の(特に地方、田舎の)郵便局が存続するように制度設
     計をすべきである。(もちろんよく指摘されるように、東京、大阪な
     ど大都市部の狭い範囲に郵便局が近接しているところについては、再
     編が必要である。)

 (2)一方、「郵貯会社」、「簡保会社」については、日本の金融システム
    を歪めてきたとの観点から、民間との「イコール・フィッティング」
    (対策な競争条件)とするため、1)新規の契約については政府保証を
    なくす、2)所要の税金を納める、3)預金保険機構に加入する、等所
    要の措置を取るとともに、逆に制約となっている1000万円の限度額
    をなくすことも必要である。

 (3)そして、既存契約分と新規契約分の勘定を分けた上で、1)優遇条件が
    なくなる中で、新規契約をどう増やしていくか、2)そしてその資金を
     どう運用するのか、の課題がある。これらの課題をクリアしないと、そ
     もそも「窓口ネットワーク会社」の存続自体が極めて難しくなることも
     理解しておかなければならない。

私の現段階での考えは、

  1)「郵貯会社」、「簡保会社」においては、外資系金融機関からも含
       め、大胆に人材を採用し、魅力ある金融商品を開発・提供する。

  2)運用については、大半を安定的な運用とする必要があり、また一方
       で、今後借り換え・利払いのために増加が予測される国債発行の受け
       皿となる国家的要請もあり、引き続きやはり国債・地方債での運用を
       基本とすべきである。

  3)また、住宅ローンなど融資事業については、地域密着型の金融機関
      (地銀、信金、信組)に対する民業圧迫の懸念もあり、当面行われな
      いこととするのがよいのではないか。(もし、融資事業を行うことと
      するなら、地域分割し、地場の金融機関との統合も視野に入れるべき
      である。)他方、地域の金融機関が保有している中小企業向け債権を
      100社、200社の単位で買い取り、即ち100〜200億円くら
      いの規模で証券化し、投資家に販売する業務を行ったり、そのリスク
      の低い部分を引き受けたりする事業は検討に値すると思う。

  4)さらに、運用の一部は投資信託などを通じて株式市場に流入すべき
      であるし(仮に1%として3.5兆円もの金額)、また、民間の投資
      ファンドに委託することにより、ベンチャー企業などへの「リスクマ
      ネー」ともなるよう、制度設計できないものかと思う。(例えば10
      億円単位ずつ何社かで運用を競争させることも一案だと思う。)

 (4)また、これらの新会社の方々の身分については、「窓口ネットワーク
      会社」の方々は「裁判所の特別送達」等の公的業務を扱うことから
      「準公務員」・「みなし公務員」的な身分を保障し、他の事業会社の
      方々については民間企業と同様とするのが適当ではないか。

5.以上、現段階での私なりの考えを述べたが、政府として、「何故、郵政
   公社ではできないか」「何故、民営化を急ぐのか」をしっかり説明するこ
   とが大事である。上述のとおり、「金融システムの健全化」のために民営
   化の議論(特に「出口」の議論)が必要なのである。多くの国民は、現在
   の郵便局のシステムに不満を持っていないのであり、「郵便局で各種のチ
   ケットが買えるようになる」とか「海外に郵便を送るのに、外国の企業で
   はなく日本の郵便局にやってもらった方がいい」とかの説明では国民は納
   得しないし、むしろ「そんなことは望んでいない」との声も聞こえてきそ
   うである。結果的に、そのような利便性が上がったり、事業の拡大の効果
   もあるかもしれないが、本質的な話ではない。しっかりと「本質」を議
   論・説明することが必要である。

(最後に、余談であるが、よくマスコミの方から「民営化に賛成ですか、反
対ですか」と聞かれる。「郵貯・簡保の資金を公的管理から切り離し、民間
との競争関係の中に置く」という観点からは「賛成」であるが、「全国の郵
便局を『効率性』の観点(即ち民間企業の発想)のみでその存続を判断する」
という視点に立つものとすれば、絶対に「反対」である。このように考える
と、おのずから改革の道筋が見えてくるように思う。)

★西村康稔ホームページ   http://www.yasutoshi.jp/

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 ■ 「一年の感謝とともに教科書問題を考える」
               有村治子(ありむら治子・参議院議員・自民党・比例)
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 国会の会期が終了した12月上旬以降、議事堂周辺で野党の方々と出会うこ
とはめっきり少なくなりましたが、与党議員は、連日の予算折衝で、最後の
「かけこみ陳情」も続いており、来年度の予算骨子が固まるまで、各省庁と
自民党本部と自室を往来する毎日が続いています。私自身も参議院文教委員
会の質問で被災地支援についてとりあげましたが、今まで数日取り組んでき
た文部科学省関連の予算では、新潟県中越地震や相次ぐ水害などで被災した
学校の復旧や被災学生への奨学金、耐震化補強工事支援などに新規予算が付
き、ほっとしています。今週中には、財務大臣と各省の大臣が個別に行う大
臣折衝も終わり、最終決着がつくので、その後ようやく仕事納めも視野に入っ
てきそうです。

 今回は近況報告に加え、子供たちが教育現場で使う「教科書」について、
最近私・ありむらが感じていることを記したいと思います。前回の採択では
扶桑社の「新しい歴史教科書」が話題になりましたが、来年平成17年は、歴
史教科書を含む、中学校の教科書選定を行う年にあたります。「子供たちに
何を教えるか」という課題は、「将来どんな日本人になってほしいか」と同
義であり、これはとりもなおさず、「私たちが、どういう生き方をしたいの
か」という大人自身への問いかけでもあります。

 全国の教育委員会で、さまざまな論議が繰り広げられることになるでしょ
うが、教科書選定の過程で、国民的な関心が高まり、私たちの愛する子や孫
がどんな教科書で学ぶことになるのか、教科書を通して反映される私たちの
価値観・歴史観を確認する機会になれば良いと思います。

 来たる1年は、戦後60年という節目の年。今まで「戦前の反省」という名の
もと、反動が強かった「戦後教育」の総決算を、より公平な視点で行える時
期にきているような気がします。どの国の歴史も、光と影の部分がある中で、
その両面を適切なバランスで、複眼的に学ぶことが肝要だと私は考えます。
連綿と受け継がれる命のつながりの中で、子供たちが、人間として持つべき
自尊心や誇り、日本人としての規範や責任を実感できるようになれば、とて
もありがたいです。私たちの日々の暮らしが地球規模の営みと、より一層連
動していく国際社会にあって、意見や宗教観などが違う人々と対等に渉りあっ
ていくために、大事な要素だと考えるからです。

 「ヴィーナスはぁと」「未来総理」読者の皆さま、今年もお世話になりま
した。乳飲み子を抱えた新米母親も、お蔭さまでとにかく1年が過ぎました。
かつての出産前のように、静かな夜中に原稿を仕上げることができず、出稿
スケジュールに穴をあけることもあった中、お励ましの言葉を下さったり、
弘中編集長をはじめ、辛抱強く待ち続けて下さった読者の皆様、本当にどう
もありがとうございました!どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

感謝

ありむら治子 拝

有村治子ホームページ http://www.arimura.tv/index1.htm


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 編集後記               弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 今年も「未来総理」をご愛読いただき、ありがとうございました。なるべ
く多様な意見を紹介したいと始めたメルマガですが、最近は、投稿する議員
が限られてきているのが残念です。来年からは、議員本人の原稿に加え、先
日ご紹介した「未来総理」レポーターたちが活動をはじめます。自筆原稿と
はまた違った面白さがあるのではないかと思います。どうぞお楽しみに。

 なお、来週1月3日はお正月のため、「未来総理」をお休みさせていただき
ます。では、みなさま、どうぞよいお年を!

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。


 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
   とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
   い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
   す。ご協力、よろしくお願いいたします。

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 次号予告
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 次回の配信は、1月10日です。

 石破 茂議員(自民党)  近藤昭一議員(民主党)
 鈴木康友(民主党) 福島瑞穂議員(社民党)
 達増拓也(民主党)が登場する予定です。

 また、未来総理レポーターが福島豊議員(公明党)を直撃します。

 ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

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 未来総理メンバーの紹介
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 「未来総理」には、超党派の29名が参加しています。   (敬称略)

◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)    吉良州司(民主党・大分)
  楠田大蔵(民主党・比例九州) 近藤昭一(民主党・愛知)
  近藤洋介(民主党・比例東北)  鈴木康友(民主党・比例東海)
  達増拓也(民主党・岩手)     樽井良和(民主党・比例近畿)
  樽床伸二(民主党・大阪)    手塚仁雄(民主党・東京)
   中塚一宏(民主党・神奈川)   中根康浩(民主党・比例東海)
  長島昭久(民主党・東京)     西村康稔(自民党・兵庫)
   福島 豊(公明党・大阪)   三日月大造(民主党・滋賀)
   細野豪志(民主党・静岡)   丸谷佳織(公明党・比例北海道)
   山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)   小林 温(自民党・神奈川)
   桜井 充(民主党・宮城)     福島瑞穂(社民党・比例)
  藤末健三(民主党・比例)   松下新平(無所属・宮崎)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒『未来総理』プロフィール
各議員のホームページにもリンクしています。

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発行人・編集人:弘中百合子
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