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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年6月21日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第92号  ━━━━━━━━●

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 国会が閉幕し、すでに街は参議院選挙ムードです。なによりも気がかりな
のが投票率。国会のゴタゴタを見て、みんなが投票に行く気をなくしている
のではないかと心配です。どうぞせっかくの1票の権利を無駄にしないでく
ださいね。誰に入れるといいか、どの政党が期待できそうか、「未来総理」
も参考にしてください。

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  目次
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 ■ 「初めての国会体験記」
     中根康浩(衆議院議員・民主党・比例東海)

 ■ 「通常国会が終わりました」
     丸谷佳織(衆議院議員・公明党・比例北海道)

 ■ 「不法滞在外国人問題を考える」
     上田 勇(衆議院議員・公明党・神奈川)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

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 ■ 「初めての国会体験記」
         中根康浩(なかねやすひろ・衆議院議員・民主党・比例東海)
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 皆さん、こんにちは。

 前回の「幼保一元化」についての提言に対しましては、多くの方よりご意
見、ご感想をお寄せ頂きましたことに感謝申し上げます。子ども政策、子育
て政策に対する関心の高さを改めて実感いたしました。

 民主党としては、7月の参議院選に向けて「子ども家庭省」構想を掲げてお
ります。国民の皆様からのより一層のご理解をお願いしたいと思います。

 子ども政策といえば、159通常国会の最終局面において、審議された法
案に「児童手当法」がありました。法案の主な内容は、支給年齢をこれまで
の小学校入学前までを、小学校3年生終了時(9才)までと変更するものでし
た。

 私はこの法案に対して、6月8日の衆議院厚生労働委員会において、質問
に立たせていただきました。

 私の論点の主なポイントは、
1.児童手当制度は、少子化対策として有効に機能しているかどうか
2.今回の変更点である小学校3年生ということに合理的な理由が存在するか
3.有効性がなく、変更に理由がなければお金をばらまくだけになってしま
    うのではないか
4.参院選に向けての人気取りではいけない
 というような点でした。

 事実としてわが国の出生率は、児童手当制度創設後も全く歯止めがかかる
ことなく低下し続けて、ついにはつい最近、6月10日に発表された数字は、
1.29というもので、多くの国民にショックを与えたのは記憶に新しいとこ
ろです。

 もともと少子化対策は、何か一つの政策で対処するようなものではなく、
社会全体のあり方、男性のライフスタイルを変えていく、大きな作業となり
ます。そして、児童手当制度は、そもそもそのおいたちは、「多子貧困対策」
として、創設されたものです。このようなものを無理やり少子化対策として
活用しようというところに無理が生じ、十分な有効性を発揮していないので
す。

 私のこのような主張について、公明党の機関紙である公明新聞は、「中根
康浩衆議院議員の発言はひんしゅくものである」とか、「民主党は少子化対
策に消極的である」などと論評していました。

 しかしこの公明新聞の理解には、誤解があると申し上げなければなりませ
んでした。従って、6月11日に「独立行政法人医療基盤研究所法案」の質
問の中で私は与えられた30分の時間の冒頭部分で、改めて民主党の「子ど
も手当」構想について説明した上で、私ならびに民主党としては、むしろ政
府以上に、子どもに関する政策について努力を傾注していることを訴えさせ
て頂きました。

 ちなみに、民主党の「子ども手当」では、
1.所得制限なしで
2.義務教育終了時まで
3.支給額も真に少子化対策として有効なものを
4.扶養控除、配偶者控除を見直す
 ことを財源として実施するという内容ですし、少子化対策としては、女性
が仕事と子育てを両立しやすい社会環境を整備していくことに重点をおいて
いくということを強く主張しています。具体的には、やはり保育所などの充
実や、男性が育児休暇をとりやすくするというようなことです。

 国会の最終局面で、年金法案の影に隠れるように、十分な議論をしないま
ま、たった1日の委員会審議だけで、翌6月9日の本会議で採決という日程
ありきということで、そこに子育て支援、女性支援を真剣に考えていく姿勢
が、政府から伝わってこなかったのは残念でなりません。

 十分な議論が行われなかったといえば、今国会での最重要法案とされてい
た年金法でもそうでした。昨年11月に初当選し、初体験の今国会でしたが、
当選以前に抱いていたものと違和感を感じることも沢山ありました。

 最も強く感じた印象は、国会というところは、本会議や委員会などの開催
そのものが駆け引きの対象となるということでした。だから、質問の準備を
していても、やれなかったことや、逆に全く用意していない時でも、急遽や
ることになったり、バタバタの連続でした。

 時には、年金法案阻止のため、物理的抵抗を行ったりもして、まさに体を
張っての国会論戦という感じでした。

 この歴史的なシーンでもあった年金審議について、厚生労働委員としてま
さに真正面から向き合い、最前線で取り組ませていただいたことは、感謝し
なければならないと考えています。

 年金法案にからめて、社会保険庁の保険料ムダ使いについても活発に議論
し、様々な福祉施設、カワグチ技研、選択エージェンシー問題、障害者スポー
ツ問題にも独自の戦いをさせていただきました。他方、委員会質問の他、「質
問主意書」も駆使、多用させていただき、政府の考えやデータを多く入手す
ることも出来ました。

 初めての国会参戦にしては、思い切ってやり切ることが出来たと、自分で
は思っていますが、国民の皆様からのご審判はいかがなものになるでしょう
か。

 6月4日の徹夜国会における参議院での「肉体労働」に対して、懲罰動議
にかけられたことについては反省すべきはしていきますが、一つの激励でも
あると受け止めています。

 今後もしっかり、張り切って頑張ります。何卒よろしくお願いいたしまし
て、初めての国会の体験記とさせて頂きます。

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 ■ 「通常国会が終わりました」
         丸谷佳織(まるやかおり・衆議院議員・公明党・比例北海道)
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 96年10月に初当選させていただいてから7回目の通常国会を終えまし
た。以前と比べると審議の中での外交案件の比重が増えたことを実感してい
ます。

 当初外務委員会に所属した時には、「外交なんて票にならないのに」と言
われたものです。そんな雰囲気が日本の外交を歪めたことに繋がるのでしょ
うが、ここ最近は随分国内の興味が外交に移り、世界の中での日本の在り方
を考える事は(票になるとかならないとかとは全く別次元で)大変良いこと
だと思います。

 今は時局講演会などでもイラクの問題や北朝鮮の問題など、参加者の方々
から質問や意見を多くいただくようになりました。外交政策は国の根幹に関
わる重要事項であるとともに、国民のコンセンサスを得る努力が必要不可欠
な繊細な仕事でもあると思います。

 その観点からイラク復興支援を考えると、現在イラク支援特別措置法に則っ
て行われている支援活動は国民の理解を得ながら進められていると判断し、
この活動は継続するべきであると考えます。

 6月30日にイラクの暫定政権が発足し国連の安保理決議1546の要請
とともに、イラクにおける治安維持活動及び人道復興支援活動を多国籍軍、
国連組織、イラク人組織が担うことを表明し加盟国に協力を呼びかけていま
す。

 そこで我が国はどうするべきなのか?当然のことながら法律に則って活動
を決定するわけですが、活動の根拠となる法律はイラク支援特措法なのか、
或いは新法なのか?活動の切れ目ない継続を考えると、現行法の改正が妥当
と考えます。

 では、イラク国内における自衛隊の法的根拠はイラク暫定政権と地位協定
を結ぶのか、多国籍軍に参加するのか?私は暫定政権と協議があっても良い
と思うし、その上で多国籍軍の参加について審議をしてもよいのではないか
と思います。

 参加の仕方に指揮下に入っての参加、指揮下に入らない参加があるという
前提に基づき、指揮下に入らない参加をして行く方向になるのかも知れませ
んが、いずれにしても何故我が国の支援が必要なのかも含めて、丁寧な説明
が必要であってしかるべきだと思います。くれぐれもワンフレーズで終わら
ないように、誠実な対応を国民に求めてゆきたいと思っています。

 これを書いているうちに飛行機の時間が迫ってきました。短くてすみませ
んが、北海道に帰りますので、またいずれお会いしましょう。

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 ■ 「不法滞在外国人問題を考える」
            上田 勇(うえだいさむ・衆議院議員・公明党・神奈川)
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 今国会で、いわゆる「不法滞在外国人」対策の強化を図ることなどを目的
とした「出入国管理及び難民認定法」が改正されました。平成11年8月、13年
11月に続き、5年間で3回目の改正です。また、今回の改正では、平成14年6月
の「出入国管理政策懇談会」(法務大臣の私的懇談会)の報告を受けて、余
りに閉鎖的だと言われてきたわが国の難民認定手続きも改善されています。

 立てつづけて法律が改正された背景には、最近の犯罪増加、治安悪化の大
きな原因の一つが、外国人特に不法に滞在している外国人による犯罪の増加
にあるとの認識があります。こうした認識は、事実と異なり、誤解を招くも
のだという意見も多くありますので、あえてここでは断定は避けます。

 ただ、オーバーステイなどで滞在資格がない、「留学」や「研修」目的で
滞在が認められているにもかかわらず就業しているなど「違法な」状態で日
本滞在している外国人が、平成5年の30万人をピークに以降減少傾向にはある
ものの、依然として22万人(法務省調べ)以上存在するというのは異常な事
態といわざるを得ません。政府は、今後5年間程度の間に、この数を半減させ
るという方針を打ち出し、入国時の審査・管理や国内在留者の摘発の強化な
どに取り組もうとしています。

 なぜ、これほど多くの違法な外国人が在留することになったのでしょうか。
私は、日本の外国人労働者の受け入れを原則禁止している現在の入国管理制
度と、一定の数の外国人労働者が既に組み込まれている経済活動の実態の間
に余りにも大きな乖離が生じてしまったことに最大の原因があると考えてい
ます。

 また、政府も、入国管理の体制や要員が不備であったこともあり、制度と
現実の乖離を事実上黙認してきたとも言えます。今、すぐに違法に滞在して
いる外国人をすべて帰還させようとしたら、経済活動に大混乱が生じるのは
間違いありません。したがって、入国管理を強化するだけでは問題の本質的
な解決にはなりません。

 一方、現在、国では「ようこそ日本へ」とのCMを流すなど、観光客の誘
致に努めています。また、経済活動の活性化や雇用の創出を目指して、海外
からの直接投資の受け入れ拡大なども官民あげて推進しています。

 さらに、海外の優れた技術者、専門家に日本で活躍してもらうことを奨励
しているほか、社会福祉分野など将来労働力の不足が予想される分野での労
働者の受け入れについても各方面で真剣に検討されています。

 もちろんこうした施策と不法滞在外国人対策とは目的も次元の異なるもの
で、必ずしも矛盾するものとはいえませんが、実際の入国審査・管理の実際
の業務においては相反する対応が求められることになります。

 私は、日本が国際社会に開かれた「共生社会」になっていかなければ、将
来の社会の活力も経済の成長も期待でないと考えています。そのためには、
徐々に外国からの定住者の受け入れを拡大していかなければならないと考え
ています。もちろん、移民労働者を受け入れているドイツやイギリスなどの
ヨーロッパ諸国の経験を参考にしながら、その功罪について慎重に検討して、
対応していく必要があります。

 経済活動のグローバル化が一層進展することは間違いありませんので、外
国から人材、技術、資金の流入は経済社会の活性化のために必要が増してい
くことは間違いがありません。また、日本が本格的な少子高齢社会を迎える
中で、さまざまな分野で労働力が不足していくのも必然だと思います。

 したがって、政府も経済界もこの問題を正面から捉えて、真剣に議論を開
始するべきときだと考えます。本質の問題を先送りして、小手先の対応を繰
り返し、切羽詰ってからドタバタと制度をいじることになると、長期的な国
家ビジョンに欠けた政策をとることになりかねません。

 日本という国のあり方の基本に関わる重要問題ですので、慎重かつ多角的
な分析や議論を重ねて、長期的なビジョンに沿った受け入れ体制を整えるべ
きだと考えます。


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   ●大特集「少子化」

   夫婦ふたりで仲良く暮らす篠田節子さん、一人っ子の息子を
  育てる石坂啓さん、不妊治療で子どもを授かった穴井夕子さん、
  これからはシングルマザーの時代だという岡田斗司夫さんらに
  インタビュー。有村治子議員、円より子議員、大脇雅子議員も
  「少子化政策」を語っています。

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  編集後記              弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 さて、いよいよ参議院選挙です。「未来総理」の参議院メンバーも、 自
民党の有村議員、小林議員以外は、今年が改選の年です。みんな無事当選し
て、戻ってきてくれることを祈りたいと思います。

 参議院選挙が終わると、また新しい仲間が増えるかもしれません。編集担
当としては、筆まめで締切を守ってくれる人がもう少し増えると、嬉しいの
ですが(笑)。

 「未来総理」も今回で92号。だんだん100号が近づいてきました。読
者と議員をつなぐ、100号イベントを開催したいと思っています。どんな
イベントがいいか、皆様のご意見もお聞かせください。

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
   とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
   い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
   す。ご協力、よろしくお願いいたします。

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  次号予告
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  次回の配信は、6月28日です。

  有村治子議員(自民党) 手塚仁雄議員(民主党)
  楠田大蔵議員(民主党)

  が登場する予定です。

  ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

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  未来総理メンバーの紹介
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  「未来総理」には、超党派の30名が参加しています。
   (敬称略・※が新メンバー)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)      上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)      吉良州司(無所属・大分)※
  楠田大蔵(民主党・比例九州)※ 近藤昭一(民主党・愛知)
  近藤洋介(民主党・比例東北)※  鈴木康友(民主党・比例東海)
  武正公一(民主党・埼玉)※    達増拓也(民主党・岩手)
  樽井良和(民主党・比例近畿)※  樽床伸二(民主党・大阪)
  手塚仁雄(民主党・東京)※    中塚一宏(民主党・神奈川)※
  中根康浩(民主党・比例東海)※ 長島昭久(民主党・東京)※
  西村康稔(自民党・兵庫)※    野田佳彦(民主党・千葉)
  福島 豊(公明党・大阪)※   三日月大造(民主党・滋賀)※
  細野豪志(民主党・静岡)     丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)     有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)     小林 温(自民党・神奈川)※
   桜井 充(民主党・宮城)※    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)


詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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発行人・編集人:弘中百合子
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