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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年4月19日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第84号  ━━━━━━━━●

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 イラクでの日本人人質事件は、無事5人が解放され、最悪の事態を免れま
した。この人質事件への関心は高く、たくさんのご意見をいただきました。
 一方、国会は、年金をめぐって、与野党の対立が続いています。今回は、
公明党の福島豊議員から年金についての原稿が届きました。
 以前お知らせした「国会ツアー」は今月28日を予定しています。詳しくは
編集後記で。

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   ●大特集「少子化」

   夫婦ふたりで仲良く暮らす篠田節子さん、一人っ子の息子を
  育てる石坂啓さん、不妊治療で子どもを授かった穴井夕子さん、
  これからはシングルマザーの時代だという岡田斗司夫さんらに
  インタビュー。有村治子議員、円より子議員、大脇雅子議員も
  「少子化政策」を語っています。

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  目次
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■ 「年金制度改革をどう考えるか?」
   福島 豊(衆議院議員・公明党・大阪)

■ 「イラクの人質事件について思うこと」(読者の声)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

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 ■ 「年金制度改革をどう考えるか?」
            福島 豊(ふくしまゆたか・衆議院議員・公明党・大阪)
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 現在、国会では年金制度改革をめぐって与野党の対決が続いている。また
昨年末以来、マスコミでも年金制度改革をめぐっての膨大な報道がなされて
いる。

 私自身、与党の年金制度改革協議会のメンバーとして、どのような改革を
実現するのかという議論に携わってきた。

 その中で感じることは、様々な報道がなされているが、国民の皆さんはど
れだけ何が本質的な問題か正確に伝わっているだろうかということである。

 民主党の年金制度の一元化を柱とする対案が国会に提出されており、一元
化=抜本改革という雰囲気があるが、はたしてそれは正しいか?

 日本の社会保険制度は大きく分けると職域保険と地域保険に二分される。
歴史的には職域保険のほうが古い。これは戦時下における政策的要請や被用
者の集団のほうが、所得の補足や保険料の徴収が容易であったことにもよる
が、戦後、職域保険にカバーされない地域の方々の年金や医療の給付をどう
カバーして、国民皆年金・国民皆保険を実現するのかということから地域保
険がうまれてきた。これが国民年金であり国民健康保険である。

 当初はこうした地域保険でカバーされる集団も一定の人口があり、一定の
所得水準もあったため、比較的堅実に運営されていた。しかし産業構造の転
換により、年金制度や医療保険制度は危機に直面することとなる。そうした
ことを背景として、年金制度は現実的な改革として基礎年金制度が創設され、
国民全体をカバーする一定の一元的な制度としてスタートするのである。

 基礎年金制度が擬制であるという指摘もあるが、こうした経緯を忘れて(も
しくは知らずして)政策を議論することはできないと思う。

 そして今、年金制度が直面する危機は予想を超えた急速な少子高齢化の進
行である。経済が低迷し、国家財政もきわめて危機的な状態にある中で、こ
うした少子高齢化のインパクトを経済成長でカバーすることはもはや不可能
である。となれば年金制度自体においてその解決の方途を探らねばならない。

 その視点から今回の改革で最も大切な要素は、保険料上限制と、マクロ経
済スライドの導入である。保険料の上限を定め、年金給付をよりゆるやかに
引き下げていくという改革である。

 もちろん既裁定年金の給付も引き下げるべきであるという指摘もあったが、
年金制度への不信をより強めることや経済への影響を考慮してこれは選択さ
れなかった。

  スウェーデンの年金改革も最低保障年金制度ともに、こうした保険料上限
制の導入と給付の自動調整が本質的な柱である。

 一元化は少子高齢化のインパクトへの回答ではない。被用者年金と国民年
金保険の加入者のグループの世代構成が著しく異なればそうしたこともあり
えようが、もはやいずれのグループも少子高齢化の影響を受けることにおい
ては同じである。従って一元化しても負担と給付の抜本的な見直しを行わな
ければならない点では何ら違いはない。


 そうした意味で一元化を抜本改革として位置づけ、主張することは国民の
理解をゆがめるものと言わざるを得ない。与野党問わず、またすべての国民
が関係するのが年金制度である。本質的な、また国民の理解を促す議論こそ
が求められている。


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 ■ 「イラクの人質事件について思うこと」(読者の声)
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●3人にだけ注目することに疑問を感じる

無事に救出される事を願います。しかしながら、本来ならば自己責任の範囲
での行動であると思います。自衛隊派遣と憲法違反であるとは思いますが、
自衛隊の派遣と人質問題は別に論じることが必要ではと思います。

情報が取れない事にご家族が政府に対して憤慨されているのは分かりますが、
情報はイラク人の人脈やシーア派の宗教家達、またはアルジャジーラのよう
な報道機関からしか得られないでしょう。米国でさえ、本当にイラクの情報
が詳細に取れていたら、今回のようなイラク戦争は行われなかったのではと
思います。北朝鮮内部の情報が取れないのと同じで、日本国政府でも現地人
からの情報を取るのが精一杯の状態だと思います。

この事件とは関係ないのですが、3人の人質がニュースの対象として大々的
に取り上げられているのは仕方のないことだと思いますが、日本国内での自
殺者の数は30000人以上と言われています。同じ日本人であるにも関わ
らずこの方達の問題が大々的でないのは何か疑問が沸いてきます。

もっと足元を見つめることを忘れずにと思います。(55歳・男性)

●この問題が起きたのは、若者のせいではない

未来総理83号を読んで大変ビックリしています。

特に「自作自演論」には怒りを超えて情けない思いです。どんな不満や僻み
があるのか知りませんが、よくも其処まで捻くれた見方が出来るものと感心
すらしてしまいます。

また与党幹部で国が出している警告を無視して勝手に渡航したのは「お上に
逆らった」、よくも厄介事を起こしてくれたと言わんばかりの発言もありま
すが、純粋な若者の真情を踏みにじるものです。

更に危険なイラクに行くのは自己責任との意見も、何となく突き放した非情
さで、囚われた3人が悪いと一面的な見方で、何が彼らを其処に駆り立てた
かの想像力が欠如しているのではと思います。

この問題が起きた本質は,情報操作をしてまで予防攻撃をして戦後の治安を蔑
ろにした米・英と、無条件に支援行動に走る日本政府の問題なのは明らかで、
イラクで捉まった若者が引き起こしたものではないと言う事です。(男性)

●やはり、自己責任

私は人質の方には申し訳ありませんが自己責任だと思います。ご家族、知人
の方にも覚悟の上、見送ったと思います。自衛隊を動かすのにいくら税金が
つかわれましたか?それを、撤退させ、落ち着いたら又、派遣するなど税金
の無駄でしょう。別にアメリカのご機嫌を伺うために残留させているなら
‘‘ふざけるな!’’と思いますが・・・。国連自体もアメリカ中心過ぎる
ので考え直し(見直し)すべきではないかと思います。(男性)

●人の命がいちばん大切

わたしは今回の件で一番心が重くなったのは、「自作自演ではないか」とい
う意見についてです。なんの根拠があって、そういう意見を表明されるので
しょう。その言葉によって、人質になった3人とその家族とその友人を著し
く侮辱してはいないでしょうか。

仮に自作自演だったとしたら、許しがたいことです。でも、それは自作自演
だったとが明らかになってからいくらでも、批判できることではないかと思
うのです。

わたしには彼らが自作自演だとはとても思えません。彼らがイラクへ向かっ
た目的だけを思っても、家族にあれだけの思いをさせてもなお、自作自演で
きる人には到底思えません。

それに彼らは自分たちが人質になったところで、自衛隊が撤退しないことは
充分知っているだろうと思われます。むしろテロリストのほうが、何もわか
らない段階でさえ「撤退はありえない」という首相の言葉に驚いたのではな
いか、とわたしは考えています。
 まあこれだって、根拠のある話ではありませんが。

私自身の考えは、国際貢献という名の下に、アメリカに認めてもらうためだ
けに、自衛隊をイラクに派兵したのは、間違いだと思っています。そして、
アメリカがイラクを攻撃したことは、いかなる理由があっても間違っていた
と考えています。 米兵もイラクの民間人も多数亡くなっているからです。

理由はそれだけです。でも、それ以上の理由は必要ないと思います。戦争に
反対する理由に、人の命が大事だという理由以外の何が必要でしょうか。

したがって今回の事件とは別の考えとして、一刻も早く自衛隊には撤退して
ほしいと思っています。 そして、彼ら3人の無事が少しでも早く確認され
ることを願っています。(30代・看護師)

●自衛隊の援助活動を中止しては?

抵抗する力もない人々を人質にするイラクの過激派とはどうゆう人間だろう?
フセイン体制のほうが良かったと思っているイラク人であろう。

アメリカも他の国の人民にお節介を焼きすぎる、独裁者の国民は逃げ出すか、
抵抗組織を作る他手段はないだろう。

仏教徒と違いイスラムの世界観はわれらには理解出来ないので、好きにさせ
る他ないだろう、此方に火の粉が来ない様に入出国を厳重にするかたはら国
内でも隣人(イスラム)の行動を注視すべきだ。

イスラム教は片手に剣を持ち世界を征服した歴史があるから、昔が懐かしい
のだろうが、迷惑な話だ!

日本の現実はアメリカの傘の下に居ないと、北朝鮮のミサイル攻撃に反撃出
来ないのだから困ったものだ。今までの日本の外交が間違っているから、拉
致問題が発生するのだ。

長い目でみてここは自衛隊が援助活動を中止したらどうだろうか?
(76歳  昔の若者)

●「自己責任」とは思えない

3人のご無事については、本当にうれしく思います。ニュースで無事な姿を拝
見できて、本当にうれしく思いました。

しかし、このニュースに関して批判的に「自己責任」という言葉が使われて
いますが、(「未来総理」第83号の読者からのご意見の中にもありました)
今回の事件は、本当に「自己責任」の範疇なんでしょうか。私には、そう思
えないんです。

今回の要求は、彼ら3人自身に対してではなく、「日本」に対してでした。
「日本国」が自衛隊という「軍隊」を送ってきたことに、期待に沿わない「人
道支援」を行っていることに対する不満を訴えたかったのだと感じています。

「自己責任」として、被害者を責める人たちは、今回解放された3人が、政府
の退避勧告に従ってイラクに入国していなければ、事件は起こらなかったと
いうのでしょうか。仮に、日本国内で同様の事件が起こった場合も「自己責
任」としてその被害者を責めるのでしょうか。現在の日本政府の政策の不十
分さ故に犠牲になった人たちを責める人たち、特に政治家たちを信じられな
いです。

今回の事件がなければ、ファルージャの現状を日本がこれだけ関心を持って
ニュースを見ることはなかったでしょう。自衛隊が派遣されているサマワの
「非戦闘地域」という言葉にふさわしくない現況も知ることはできなかった
と思います。

今回の事件は、そういう現実を知ってほしい!というイラクの人たちの叫び
だったんだと思いました。政府も改めて、自衛隊派遣の是非、その意義につ
いて見直してほしいです。(女性)

●小泉内閣の「自己責任」

3人の解放、本当に良かったです。「よく頑張ったね、お疲れ様」といいたい
です。今回彼らが解放された最大の理由は彼らがイラク人のために本当に役
に立つ活動をしてきたことイラク人から認められたからです。

もっとも支援が必要な人たちは、おおむね危険な地域にいます。ストリート
チルドレン、劣化ウラン弾の被害にさらされている人たちを支援しようとす
れば、支援する側も危険に身をさらさなければできないでしょう。戦場のリ
アリティーを伝えるジャーナリストもしかりです。自衛隊は人道支援として、
そのような活動をするのでしょうか?こたえはNOです。

今回の誘拐を引き起こした背景にはアメリカ軍のファルージャでの虐殺、別
の都市でのモスクへの攻撃などそれらに対するイラク人の憤りがあったと考
えます。自衛隊は人道支援といいつつ、米兵や弾薬を運んでいます。自衛隊
を送った小泉内閣こそ海外で活躍する日本人を危険にさらしている現状に対
して「自己責任」をとってもらいたいと思います。
(30代・海外在住)

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  編集後記              弘中百合子(ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 5人が無事解放されて本当によかったと思います。今回の人質事件は、私
たちに多くのことを考えさせてくれました。「事件が解決したからもう終わ
り」ではなく、今後とも、関心をもってイラク情勢を見守っていきたいです
ね。

 さて、予告した国会ツアーですが、4月28日(水)を予定しています。
 (国会が開催されない場合は、5月に延期になります)

 集合              :  10:40(参議院会館ロビー集合)
 本会議傍聴        :  11:00〜11:40
 昼食              :  11:50〜12:30
 国会(施設)見学  :  12:45〜13:45
 解散              : 13:50頃

 昼食代(1000円前後)は各自負担です。自民党の有村議員の体があい
ていれば、途中でフリートーキングタイムを設けます。(20分程度)

 詳細をお知らせしますので、参加される場合は、前もってご連絡ください。

 ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
   とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
   い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
   す。ご協力、よろしくお願いいたします。

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  次号予告
────────────────────────────────☆★
  次週の配信は、4月26日です。

  上田 勇議員(公明党) 野田佳彦議員(民主党)
  小池 晃議員(共産党)  樽床伸二議員(民主党)
  細野豪志議員(民主党)
  が登場する予定です。

  ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  未来総理メンバーの紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
  「未来総理」には、超党派の30名が参加しています。
   (敬称略・※が新メンバー)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)     上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)    吉良州司(無所属・大分)※
  楠田大蔵(民主党・比例九州)※ 近藤昭一(民主党・愛知)
  近藤洋介(民主党・比例東北)※  鈴木康友(民主党・比例東海)
  武正公一(民主党・埼玉)※    達増拓也(民主党・岩手)
  樽井良和(民主党・比例近畿)※  樽床伸二(民主党・大阪)
  手塚仁雄(民主党・東京)※    中塚一宏(民主党・神奈川)※
  中根康浩(民主党・比例東海)※ 長島昭久(民主党・東京)※
  西村康稔(自民党・兵庫)※    野田佳彦(民主党・千葉)
  福島 豊(公明党・大阪)※   三日月大造(民主党・滋賀)※
  細野豪志(民主党・静岡)     丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)     有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)     小林 温(自民党・神奈川)※
   桜井 充(民主党・宮城)※    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)


詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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