中沢志乃 ★★★★★
100点満点で10000点の映画!!映画を見て初めて「1800円では安かった…」と思った。映画のメイン・メッセージをはっきりと捉えるのが好きな私だが、 これは全体を、感情を感じる映画だと悟り、すべてを受け止め、映画が終わった後も呆然と、言葉を発したら気持ちが溢れ出そうで何も喋れなかった。
後で聞けば、一緒に行った彼も同様で、しばらくは2人とも微笑むだけで沈黙した。既に私の中では今年一番の兆し。 あえて何も批評せず、分析せず、ただただただただ是非とも!!見て欲しい。
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Nidaタキグチ ★★★★
あれ?金城武、激ヤセ? というのが、天才ピアニスト(エイドリアン・ブロディ)のファースト・インプレッションだった。 このために10kg痩せたらしいが、いじめられた子犬のような彼の頼りない表情は、あまりにもはまり役。薄幸の青白いオーラまでも見えてきそう。
だがそんな彼でも、背筋をピンと伸ばしてピアノを弾きだすと、内に秘めた激情がメロディーとともに饒舌に吐露されてくる。 ドイツ軍将校の前でもひるむことなく、ただ一身に弾きつづける。ただ、生きたい=弾きたいという本能的な行為。
二人の人間の本質的な強さが逆転する恍惚のシーンは、涙なしには語れない!!!
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にしかわたく ★★★★
感情に流れない、しっかりとした映画でした。『シンドラーのリスト』とは正反対ですね。 (私は『シンドラー』も好きですが・・・)それにしてもさすがポランスキー。ほとんど自伝的と言ってもいいテーマなのに、ひたすら静かに、淡々と撮っています。
それでいて、観客の存在を忘れることは一瞬たりともありません。不謹慎なまでの娯楽性。骨の髄まで映画監督です。 主役のエイドリアン・ブロディがいかにもピアニト〜って顔してて気に入りました。
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古東久人 ★★★★
戦争するとかしないとか世界が言い争っている現状を観ていると、人間っていつになったら過去の教訓を生かし、賢くなるのだろうと思う。 こういう映画を観ながら、「そう言えば昔の人間は愚かにも戦争なんてやっていたんだね」なんて語れる時代がくればいい。
いまこの時期に薦めないわけにはいかない映画だ。「ライフ・イズ・ビューティフル」と同じくらいの感動は与えてくれる作品に仕上がっている。 ロマン・ポランスキーといえば異才というイメージがあったが、70代を迎え、入魂の一作を世に問うた。それを「奇跡」と呼んだ、おすぎの気持ちもわかります。
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