真夜中の虹(page 84/280)[真夜中の虹]
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概要:
84へのお触りだった。でもHが来てからは、ママにお触りができなくなった。少しでも触ればHが怒り狂い、外に連れ出してボコボコに殴るからだ。ママのお尻や胸に触れない、それでいて料....
84へのお触りだった。でもHが来てからは、ママにお触りができなくなった。少しでも触ればHが怒り狂い、外に連れ出してボコボコに殴るからだ。ママのお尻や胸に触れない、それでいて料金はバカ高い。そんな店に客が来るわけがない。やがて京子さんはHの子を身籠った。Hは喜んだが、経済的にも精神的にも不摂生な生活がたたり、彼のアパートのトイレで流産した。彼は、にっちもさっちもいかなくなり、自分を責め続けて鬱になり、左腕を切り落とそうと包丁を振り下ろすも、包丁は腕を切り落とさず、いくつかの細かい傷痕を左腕に残し、京子さんから貰った横縞のセーターをボロボロにした。気がついたら、Hは自分だけの黒い闇の底にひとり嵌はまり込んでいた。最後は田舎に住む彼の家族が救済に入り、強引にふたりを引き離し、彼は田舎に連れ戻された。Hが困っている間、僕は電話ひとつしなかった。そして家族と楽しい時間を過ごしていた。自分を頼って上京してきた友達をほったらかしにしたのだ。Hの話はもう少し続く。