真夜中の虹

真夜中の虹(page 82/280)[真夜中の虹]

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82「京子と申します」車に撥ねられた殿様蛙のような顔をしたオバちゃんが頭を下げた。その人は、僕たちの母親ぐらいの歳の人だった。嫌な感じがした。別に人が誰を好きになろうと構わない。恋愛に年齢は関係ない。でも彼と、このオバさんの結婚だけはいただけない。どう見ても、年上のオバちゃんに弄ばれているとしか思えない。あいつはただ寂しいだけなんだ…。自分の夢を形にすることができなくて、大都会に翻弄され、ただただ寂しいだけなんだ…。Hは京子さんのことを話し始めた。京子さんには子供がひとりいて、いまの旦那とは正式に離婚はしていないという。まぁ、この人ならそれぐらいの過去があってもおかしくはない。それぐらい胡散臭い人で、若造では到底太刀打ちできないしたたかさと情念を持っていた。そして、普通は対