真夜中の虹(page 74/280)[真夜中の虹]
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74第一四話「朋友」そういえば、中学・高校の同級生である俳優志望のOのことを忘れていた。Oは、日大芸術学部映画学科演技コースに進み、一緒に劇団GAYAのオーディションを受け、一緒に初舞台を踏み、そして一緒に映....
74第一四話「朋友」そういえば、中学・高校の同級生である俳優志望のOのことを忘れていた。Oは、日大芸術学部映画学科演技コースに進み、一緒に劇団GAYAのオーディションを受け、一緒に初舞台を踏み、そして一緒に映画にも出演した。気がついたら、僕たちふたりは同じような道を歩み始めていた。そんなある日、もうひとり、中高の同級生が役者を目指し上京してきた。そいつは名前をHといった。Hは中学三年のとき、実家の自転車屋のお金二百万円を持って家出をしたことがあった。当時、岐阜に住んでいた彼は自分探しの旅に出ようと、アメリカへ家出することを決意。二百万円を懐に忍ばせ、とりあえず名古屋行きの電車が来るまでの間、駅前のパチンコ屋で時間をつぶしていた。のんきに玉を打っていると、隣に見たことのある男が座った。見たら叔父さんだった。そのまま御用となり、彼の一世一代の家出は数時間で幕を閉じた。Hはそのまま高校に進み、応援部に入り、何事もなく近畿大学に入学した。僕たちは東京と大阪に別れることになった。そんなHがゴールデンウィークに東京に遊びに来た。久しぶりの再会に、知っているかぎりの東京を案内した。といっても池袋周辺だったが…。