真夜中の虹(page 66/280)[真夜中の虹]
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概要:
66頃に亡くなり、その後は母親が女手ひとつで育てたが、母親も勝ち気な姐さん肌で、拳銃の暴発で指が四本しかなかった。親の血を受け継ぎ、高校ではその地区一帯を仕切る札付きの悪。しかし、演劇と出会い、日大芸術....
66頃に亡くなり、その後は母親が女手ひとつで育てたが、母親も勝ち気な姐さん肌で、拳銃の暴発で指が四本しかなかった。親の血を受け継ぎ、高校ではその地区一帯を仕切る札付きの悪。しかし、演劇と出会い、日大芸術学部に進み、卒業後はアマチュア劇団GAYAを主宰するまでになっていた。「なぁ、いつ退部しても、制裁とか加えたりしないから、人生の中で一度くらい芝居というものに関わってみてはどうだろうか」その場にいる人間を有無も言わさず惹きつけてしまう遠山先輩の口調に、僕は入部を決めた。入ったばかりの演劇部は思ったより忙しかった。入部したのが四月、その四カ月後の八月には、青森で開かれる全国大会が控えていた。それは、二・三年の先輩たちが前年に開かれた地区大会、県大会を勝ち抜いてきた結果であって、新入部員の僕たちの手柄ではなかったが、野球でいえば甲子園に出るようなもの、新入部員も歯車のひとつになり、全国大会へ向けての準備が始まった。大道具班の僕は、先輩の指示に従い、毎日材木に線を引き、ノコギリを引き、なぐり(かなづちのようなもの)をふり下ろした。遠山先輩を指導者に、全エネルギーを演劇部に注ぎ込んだ。青森での全国大会は楽しかった。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの曲をテーマ曲に使い、不良とオートバイを扱った我が校の作品は評判も良く、全国高校演劇大会で優秀作品に選ばれ