真夜中の虹

真夜中の虹(page 37/280)[真夜中の虹]

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概要:
37第七話「教祖」クリスマス。街中が賑わい、騒がしくなる。それが終わると、すぐに正月。街や人が意味もなく酔っぱらう。周りが騒げば騒ぐほど、僕は大人しくしていたい。クリスマス、正月、お祭り、結婚式等々....

37第七話「教祖」クリスマス。街中が賑わい、騒がしくなる。それが終わると、すぐに正月。街や人が意味もなく酔っぱらう。周りが騒げば騒ぐほど、僕は大人しくしていたい。クリスマス、正月、お祭り、結婚式等々、様々なイベントが一年を通して行われるが、他人と違う人生を歩んできたせいか、人と同じように素直に笑ったり喜んだりできない。だから毎年この時期は、現実逃避するために、映画や本に逃げ込むことにしている。そんな新年早々、小さな舞台に立った。役者としては三年ぶり、C型肝炎発病後は初めての演劇。出し物は「動物園物語」というエドワード・オールビー脚本のふたり芝居。この芝居は、とある日曜日の昼下がり、ひとりの中年男が陽光燦々たる公園のベンチで静かに本を読んでいると、もうひとり、少しおつむの切れかかった、これまた中年の男が話しかける、というところから物語が始まる。この上演時間一時間強のふたり芝居、かなりの集中力を必要とする。稽古中から体の具合が外側からも内側からも悪くなり、下痢、便秘、胸椎ヘルニアに首リンパ腫と一斉に悲鳴をあげ、いつ倒れるかわからないので、代役を立ててもらっての稽古になった。