真夜中の虹(page 264/280)[真夜中の虹]
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264あとは主に近所を散歩したり読書をしたりして時間を過ごし、早めの夕食を摂って、九時には就寝。ほとんど蟄ちっきょ居状態の毎日だった。そんな療....
264あとは主に近所を散歩したり読書をしたりして時間を過ごし、早めの夕食を摂って、九時には就寝。ほとんど蟄ちっきょ居状態の毎日だった。そんな療養中の二〇〇〇年五月十四日、俳優の三浦洋一さんがガンで亡くなった。四十六歳だった。三浦さんは、その昔、サラリーマンをしていた僕を、マスコミの世界に引き摺り込んだ人で、俳優としてもテレビ界の先輩としても素敵な人だった。特にマネージャーの中村さんとの間は、一心同体という言葉がピッタリで、人も羨む役者とマネージャーの関係だった。ある番組の打ち上げのときだった。辛いことの多かった現場から解放された三浦さんと中村さんは、当時まだ流行り始めだったカラオケで、三好鉄生の「涙をふいて」を歌った。泣きながら歌うふたりの姿に、男同士の友情を感じ、見ているこちらまで熱くなった。