真夜中の虹

真夜中の虹(page 263/280)[真夜中の虹]

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263第五一話「運命」ある日、気がついたら自分はC型肝炎になっていた。生きているのが嫌になった。僕はよく死にたくなる。でも、このときは本当に辛かった。来る日も来る日も体調は良くならない。日に日に身体は弱り....

263第五一話「運命」ある日、気がついたら自分はC型肝炎になっていた。生きているのが嫌になった。僕はよく死にたくなる。でも、このときは本当に辛かった。来る日も来る日も体調は良くならない。日に日に身体は弱り、何をする気も起こらない。ただジッと横になるだけの状態が続き、このまま生涯を終えるのではないかという大きな不安が、自分の身体を覆っていた。その頃の一日は、だいたい次のような感じだった。朝起きたら、まず飲尿療法。自分の尿を飲むのだ。実に不味い。次にじっくり三十分かけてのコーヒー浣腸。肛門にゴム製のチューブ管をつっこみ、コーヒーを流し込む。待つこと数分。泥のような便が、しばらく使っていない水道管から水が吹き出すように、体外に放出される。その臭気に思わず倒れそうになる。そのあと入浴。とにかく寒気が酷ひどくて仕方がないため、朝風呂にゆっくり一時間かけて入り、無理にでも汗をかいて、体内の悪いものを汗と一緒に体外に出す。それから、朝昼兼用(主に納豆御飯)の食事をすませ、昼寝。正午近くになると、急に身体が怠くなり、深い眠りに落ちるのだ。このまま死なないかと思うのだが、そのうちにどんよりと目が覚め、不快感に包まれたまま身体を起こす。