真夜中の虹(page 254/280)[真夜中の虹]
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概要:
254アニメなのに、なぜかボロボロと涙がこぼれて止まらない。あきらかに僕はおかしくなった。翌日も映画に行った。スピルバーグ作品「ターミナル」。これまた楽しいハッピーエンド映画なのに、気分は闇の底に落ちた....
254アニメなのに、なぜかボロボロと涙がこぼれて止まらない。あきらかに僕はおかしくなった。翌日も映画に行った。スピルバーグ作品「ターミナル」。これまた楽しいハッピーエンド映画なのに、気分は闇の底に落ちたまま。見終わったあと、いま居る場所から逃げたくなり、苦しくなる。帰りに寿司を食べたが、ほとんど味がわからなかった。わからないのはそれだけではなかった。初詣に出かけても、何をお願いすればいいのかよくわからない。次の日も映画を観たが、もう何も頭に入ってこない。家人に助けを求めようと呼ぶが、飲みに出かけてしまって帰ってこない。どこに行ったかわからない。待てど暮らせど、帰ってこない。やっと帰ってきたのが朝の四時半、僕の中で何かが壊れた…。それ以来、家人とは寝場所を別々にすることになった。僕たち夫婦はもう駄目かもしれない。いや、夫婦だけじゃない自分自身も…。とにかく、家人と話し合うことにした。離婚を念頭に入れ、お互い言いたいことを時間をかけて話す。病気のこと、仕事のこと、生活のこと等々。「わたしはいまのあなたに魅力を感じていない。もちろんいまの自分も良くないと思う。それに、わたしはいたって健康だから、きっとあなたの病気のことはよくわからないと思う…」そうか、わかってもらえないか…。寂しい思いがよぎるが、正直に話してくれたことに対して嬉しく思い、なんだかスッキリした。