真夜中の虹（page 237/280）[真夜中の虹]

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237この後、日を追うごとに熱は下がり、退院できることになった。肺炎の原因はクラミジア菌によるものだという。どうやら神戸で入った「現金ドロボウ」のいる銭湯がいけなかったようだ....

237この後、日を追うごとに熱は下がり、退院できることになった。肺炎の原因はクラミジア菌によるものだという。どうやら神戸で入った「現金ドロボウ」のいる銭湯がいけなかったようだ。せっかくの最後の舞台。準備万端整えてきたラストステージ。それも生まれ故郷の名古屋でのさよなら公演。それに加えて十年ぶりの里帰り、家人を仏様(姉と両親)に紹介し、墓参りもするはずだった。すべての予定がなしになった。最後の最後にうまくいかないところが僕らしいと言えばらしいのだが、悔しくて仕方がない。しかし、命が助かっただけでも良しとしなくては。人生は自分の思うままには進まない、またひとつ勉強になった。※追記この二〇〇四年の暮れの入院に続き、二〇〇八年の始め、二〇一一年の始めと二度入院し、二回とも集中治療室に入れられた。三年周期で生死の境を彷さまよ徨っている。予定では次の入院は二〇一四年、年齢で言えば五十四歳になっているはずだ。うちの父親は五十五歳で死んでいる。なんとか頑張らなくては…。