真夜中の虹

真夜中の虹(page 233/280)[真夜中の虹]

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233神戸公演も好評のうちに終了。しかし、やっぱり身体がものすごく怠い。打ち上げまでの間、銭湯で疲れをとることにした。劇場の近くにある古ぼけた銭湯に行くと、脱衣場に張り紙があった。「ここには現金ドロボウ....

233神戸公演も好評のうちに終了。しかし、やっぱり身体がものすごく怠い。打ち上げまでの間、銭湯で疲れをとることにした。劇場の近くにある古ぼけた銭湯に行くと、脱衣場に張り紙があった。「ここには現金ドロボウがいます。貴重品は必ず番台に預けてください」なんと物騒な銭湯なのだろう…。財布を番台に預け、久しぶりに大きな湯船に浸かる。頗すこぶる気持ちが良い。時間の許すまで、ゆっくりと公演の垢を落とした。風呂上がりの身体で打ち上げ会場に行き、シャンパンを少しだけ飲んだ。疲れた身体に急にアルコールを入れたせいか、妙に熱っぽい。そうそうに切り上げ外に出ると、今度は冷たい秋風が身体に凍みる。震えながらホテルに戻り、布団にくるまった。翌日、熱が出た。悪寒がするまま帰京し、近所のSクリニックへ行って、薬を処方してもらうが、それでも熱は下がらず、首のリンパ腺がモッコリと腫れてきた。次女が、肥満体の外人のホッペみたいだ、と指をさしてゲラゲラ笑う。不愉快だ。熱を計ったら三八度五分。解熱剤を飲み、布団を頭からかぶって寝る。次の日も熱は下がらず、体温計は三九度を表示。怠さがより一層増し、腰が猛烈に痛い。加えてもの凄い吐き気。しかし、何も口にしていないので吐くものがない。再びSクリニックへ行き、生まれて初めて点滴を受けた。