真夜中の虹(page 228/280)[真夜中の虹]
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概要:
228僕の誕生日のひと月前、家人とミミちゃんの入院する榊原記念病院に行くことにした。京王線で飛田給まで行き、そこからバスに乗った。バスを降りた目の前に、ホテルのようにきれいな病院があった。さぁ行きましょ....
228僕の誕生日のひと月前、家人とミミちゃんの入院する榊原記念病院に行くことにした。京王線で飛田給まで行き、そこからバスに乗った。バスを降りた目の前に、ホテルのようにきれいな病院があった。さぁ行きましょう、と家人が促すが、足が前に出ない。心の奥の頑固な自分が出てきたのだ。「今日はここまでにしとくよ、二年近くも会っていなかったのに急には会えないよ…」そう言い訳をして、僕だけロビーに残った。三十分後、家人が病室から戻ってきた。「点滴とチューブを付けていたけど、思ったより元気!大丈夫よ!」その言葉にひと安心し、帰りによくミミちゃんと行った中華料理屋で夕食を食べた。それから約ひと月後、ミミちゃんのお姉さんから電話があった。彼女が集中治療室に入ったから、お見舞いに行って欲しいと言う。急に具合が悪くなったようだ。榊原記念病院の集中治療室に入ると、ものすごくたくさんのチューブを付け、顔を普段の何倍も腫らしたミミちゃんがベッドに横たわっていた。僕の姉は膠原病で死んだ。姉も最後はたくさんのチューブを付けていた。でも、ミミちゃんのそれは、そのときのゆうに三倍はある。ああ、こんなになっちゃって……。彼女のお姉さんの説明によると、人工透析を始めたストレスで心臓が一度止まり、電気ショックで再び動き出したが、それでも意識が戻るかどうかはわからないという。ミミちゃんとの久