真夜中の虹

真夜中の虹(page 222/280)[真夜中の虹]

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概要:
222ている。先生に依存し、何の不安も背負うことのない皆の背中。それを見て、改めて人に依存する恐ろしさを知った。やっぱりやめよう…、講をやめ、ひとりに戻り、個人的に神事に関わっていこう。そう....

222ている。先生に依存し、何の不安も背負うことのない皆の背中。それを見て、改めて人に依存する恐ろしさを知った。やっぱりやめよう…、講をやめ、ひとりに戻り、個人的に神事に関わっていこう。そう決心した。このときの虹の話はその後、ある霊媒体質の女性に話したことがある。その人が言うには、それはお山の御祭神でもある大己貴神(おおむなちのかみ)の化身だという。三輪の神様は巳(蛇)様でもある。僕が見たのはその巳様のお腹のあたりだそうだ。以前にも、ある少年が深夜に山に入り、真夜中の虹を見てしまい、発狂して死んだという。それ以来、夕方五時以降の入山は禁止になったそうだ。ああ、恐ろしい…。人は決して神の領域に入ってはならない。真夜中の虹を見てしまった僕は、講をやめることになった。そして、御霊が入った自分の水晶玉をていねいに木箱詰めにし、押し入れの奥深くに仕舞い込んだ。数年後、引っ越しをすることになったとき、その箱が出てきたので開けて見たら、綺麗だった水晶玉に、たくさんのヒビが入っていた。それはまるで僕のように…。ああ、恐ろしい…。本当に恐ろしい…。