真夜中の虹(page 217/280)[真夜中の虹]
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概要:
217道を狭井神社へと進む。初めに異変を感じたのは、狭井神社の境内に足を踏み入れたときだった。お社の両端に光の柱が立っている…。それは直径一メートルくらいの光の柱で、地面から夜空に向かって真すぐ伸びてい....
217道を狭井神社へと進む。初めに異変を感じたのは、狭井神社の境内に足を踏み入れたときだった。お社の両端に光の柱が立っている…。それは直径一メートルくらいの光の柱で、地面から夜空に向かって真すぐ伸びていた。あれ…、映画の撮影でもやっているのかな…。しかし、撮影にしてはカメラもスタッフの姿もどこにも見えない。普段は冷静な心臓が、口から飛び出しそうなくらいドキドキしていた。次なる異変は、鎮魂のお祈りの最中にやってきた。いつものように正座をし、目を瞑り、手を胸の前で組む。お祈りがはじまり、いつにない静寂が境内を包み込む。二十分近く経ったころだった、瞑っている瞳の向こうで、何かが光っているのがわかった。何か黄金色のような輝きを持ったものが、瞼の向こう側にある。たしか、ここの拝殿は薄暗い蛍光灯がひとつあるだけで、他に照明らしきものは何もなかったはず。拝殿の奥も、木の格子の扉があるだけで、その向こうは真っ暗だった気がする。目を開けて確かめてみたい…。しかし、お祈りの間は目を開けてはいけないことになっている。でも開けたい…。結局、欲望が勝ち、薄く開けてみた。するとどうだろう、木の格子の透き間から、何か黄金色の物体が見え隠れしているではないか。その色の凄いこと凄いこと、まるで黄金の宝物が格子の向こう側に山積になっているかのようだった。自分だけが特別なものを見た気になり、冷