真夜中の虹（page 21/280）[真夜中の虹]

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概要：
21第四話「絶叫」久しぶりに家人と大ゲンカをした。普段はとても穏やかな人なのに、年に何度か大爆発をする。年に何回かならいいじゃあないですかぁ、と思われるかもしれないけれど、この大爆発が尋常じゃない、半径....

21第四話「絶叫」久しぶりに家人と大ゲンカをした。普段はとても穏やかな人なのに、年に何度か大爆発をする。年に何回かならいいじゃあないですかぁ、と思われるかもしれないけれど、この大爆発が尋常じゃない、半径百メートルにわたって響き渡る叫び声をこの人は出すのだ。あまりの狂乱ぶりにこちらとしては為す術もなく、ただただ恐怖で立ち尽くすしかない。まるで黄よもつひらさか泉平坂のイザナギの心境だ。僕の三大苦手なものに、女性の涙、叫び、猫なで声がある。中でも一番苦手なのが叫び声。なのに、過去に付き合ったことのある女性は、みな叫び声をあげた。この女性ならきっと叫ばないだろうと、割と大人しそうな方を選んでお付き合いを始めても、そのうち必ず「ギャー!!!」と叫ばれることになる。これは僕の女性の選び方に問題があるのだろうか、それとも女性の側に問題があるのだろうか……。いまもってわからない。しかし、過去にお付き合いをした女性に訊くと、絶叫の原因は完全に僕の性格にあるという。その人が言うには、なんでもケンカを始めると、僕は相手の女性をジワジワと言葉で追い込んで逃げ場を封じてしまうという。手も足も出なくなった女性はやがて叫ぶしか術がなくなるの