真夜中の虹(page 202/280)[真夜中の虹]
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概要:
202お棺に入ったばあちゃんの姿をホームの職員の方たちは、あきらかに身内のそれとは別の感慨で見つめていた。暖かく、優しく、悲しい対面がそこに....
202お棺に入ったばあちゃんの姿をホームの職員の方たちは、あきらかに身内のそれとは別の感慨で見つめていた。暖かく、優しく、悲しい対面がそこにあった。ああ、この人たちがばあちゃんの世話をしてくれていたんだ…。ばあちゃんをトイレに行かせ、食堂まで車椅子を押し、あの強烈な愚痴に、はいはいと相槌を打ってくれていたんだ…。そう思うと、こみあげるものを押し止めることができなかった。「ありがとうございました。祖母も喜んでいることと思います」涙ながらにそう言うと、「…わたしたちは、仕事ですから…」そこには、ばあちゃんの終わりの日々を一緒に過ごしてくれた人たちの、それぞれの思いがあった。なんだか涙で倒れそうになった。ホームの職員の方々を見送り、通夜振る舞いの席に戻ると、母の妹にあたる叔母が帰るとこ