真夜中の虹

真夜中の虹(page 194/280)[真夜中の虹]

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概要:
194表情は、それまでに見たことのない醜悪な人間の顔だった。実は、若いSさんは、若先生のお手付きだった。別にそれはいい。男と女の仲の話だ....

194表情は、それまでに見たことのない醜悪な人間の顔だった。実は、若いSさんは、若先生のお手付きだった。別にそれはいい。男と女の仲の話だ。勝手によろしくやってくれれば文句はない。その関係を神事に持ち込むからおかしくなるのだ。自分にとって都合の良い人間が、皆にとっても良いとは限らない。彼女は自己顕示欲が強く、はっきり言って人望がなかった。若先生はそれが気にくわなかったのだろう。彼女は自分にとっては特別な人なのだと、周りに知らしめるために大役を任せた。親心と言えば親心。しかし、それと神事はまったく関係ない。結局、玉に傷をつけるという、最悪の結果を生んだ。これが本当の玉に傷…。なんだかなぁ…。僕の心の中に大きなシラケ鳥が羽を広げ、音を立ててどこかへ飛び立とうとしていた。