真夜中の虹(page 189/280)[真夜中の虹]
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概要:
189極めつけは若先生を中心に不定期に行われる「闇の行」。この深夜十二時から行われる「闇の行」に出席できるのは、若先生に選ばれた四、五人だけだった。夜中に....
189極めつけは若先生を中心に不定期に行われる「闇の行」。この深夜十二時から行われる「闇の行」に出席できるのは、若先生に選ばれた四、五人だけだった。夜中にある人の家に集まって、神棚の前に座り、部屋の電気を消し、蝋燭を一本だけ立て、一時間近く鎮魂の行を行う。この「闇の行」を知っている人が聞くと、なんて危険なことをと嘆くに違いない。なぜ危険かというと、未熟者が行うと「祈り」が「呪い」に変わる可能性があるからだ。しかしその頃の僕たちは、自分が未熟者だということにも気がつかない大馬鹿者だった。自分たちこそ「選ばれし者」と自惚れ、いわゆる新興宗教の持つ危険な思い込みと勘違いにどっぷりと嵌まっていた。「無言の行」というのもあった。とにかく仕事のとき以外は口を利かずに過ごし、どうしても必要なときは筆談ですませるという、なんとも馬鹿馬鹿しい行だった。でも僕はやった。人か