真夜中の虹

真夜中の虹(page 182/280)[真夜中の虹]

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182第三六話「別世界」翌日は快晴だった。朝六時に起き、軽い朝食をすませ、いよいよお山に出発。二の鳥居をくぐると、昨夜の幻想的な雰囲気とはまったく違う爽やかな感じにまず驚く。大神神社拝殿で少し長め....

182第三六話「別世界」翌日は快晴だった。朝六時に起き、軽い朝食をすませ、いよいよお山に出発。二の鳥居をくぐると、昨夜の幻想的な雰囲気とはまったく違う爽やかな感じにまず驚く。大神神社拝殿で少し長めのお参りをしたのち、狭井神社わきの薬井戸で、昨夜と同じように清めの御神水をいただく。狭井神社の「狭井」は、百合の花を指すという。その昔、精神の病のことを、百の病気が合わさった病気ということで百合病といった。その特効薬として百合の根が使われた。だから狭井神社には、多くの病気治しの人々が日々全国からやってくる。お清めも終わり、裸足になる。本当に裸足で登りきれるだろうか…。お山の入り口でお参りの襷たすきを受け取り(このお山は参拝以外の目的では入れない)、緊張気味に神体山の結界の内側に足を踏み入れた。そこには道と呼べるようなものはなく、けもの道とでも言おうか、人が通る度にできた窪みのようなものが山の奥まで続いていた。十五分ほど歩くと三光の滝に到着。ここが三島由紀夫の小説の舞台になった場所だ。華厳の瀧のような日本的な豪快な瀧を想像していたのに、温泉などによくある「打たせ湯」程度の瀧