真夜中の虹(page 180/280)[真夜中の虹]
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概要:
180りを取り囲む。しかし、しばらくすると音はないのに、人の発する「気」が自己主張を始め、辺りがざわついてきた。澄んだ拝殿の空気が、それぞ....
180りを取り囲む。しかし、しばらくすると音はないのに、人の発する「気」が自己主張を始め、辺りがざわついてきた。澄んだ拝殿の空気が、それぞれの身体から流れ出す人間の持つ「欲」のエネルギーによって、濁っていくのがわかる。集中力が途切れ、邪念が心の中で騒ぎ出し、組んでいた両腕が痺れてきた。グラリと身体が傾く。おぉ、バランスが崩れてきた…そう思ったときだった。どこからともなく、「うぅぅぅぅぅぅぅ……」泣き声ともうめき声ともつかない声が聞こえてくる。拝殿に緊張が走る。ど、どうしたんだろう…、僕もちょっとビビってきた。すると、うめき声のする方へ誰かが向かっていった。「どうしたんですか」若先生の声だ。どうやら、その声の主に尋ねているようだ。「名は何という、どこから来た、助けてやるから