真夜中の虹

真夜中の虹(page 179/280)[真夜中の虹]

電子ブックを開く

このページは、電子ブック 「真夜中の虹」 内の 179ページ の概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると、今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
179ずに心を乱さぬこと等々。それぞれの自己紹介と深夜参りの注意が終わり、いよいよ深夜参りへ出発。宿を出て商店街を抜け参道に出る。僕たち以外そこには誰もいない。二の鳥居の前で二礼をし、いよいよ神社の本丸....

179ずに心を乱さぬこと等々。それぞれの自己紹介と深夜参りの注意が終わり、いよいよ深夜参りへ出発。宿を出て商店街を抜け参道に出る。僕たち以外そこには誰もいない。二の鳥居の前で二礼をし、いよいよ神社の本丸に足を踏み入れると、そこから急に砂利道になり、厳かな雰囲気に囲まれる。背筋が自然にピッとなり、五感がゆっくり開いていくのがわかる。両端には灯籠が立ち並び、その灯が夜霧に映え幻想的な雰囲気を醸し出す。うわぁ、きれいだぁ…。まるで異界へトリップしていくようだった。足の下には砂利が敷き詰められ、それが足の裏をほどよく刺激し、心地良い。宙に浮いた気持ちのまま祓戸社、本殿、神宝社、天皇社、など摂社・末社をお参りして、狭井神社に向かった。狭井神社には薬井戸という井戸がある。そこの水は御神水と呼ばれ、病気治しのために全国からお水を汲みに来る人があとを絶たないという。そのお水をゆっくり一気に飲み干す。たしかにそれは喉を優しく流れ、汚れた血が清められていく気がした。薬井戸から拝殿に回ると、そこには少し広めの祈祷場がある。そこで鎮魂の儀は行われる。靴を脱いで拝殿に上がり、正座をし、両手を胸の前で組み、目を瞑った。若先生が祝詞をあげ、エイッ、という掛け声と共に約一時間の長い鎮魂に入った。静寂が周