真夜中の虹(page 178/280)[真夜中の虹]
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178第三五話「憑物」奈良県桜井市三輪、そこに大神神社はある。三輪山に登るのは月に一度、第二水曜日の早朝。その前日に奈良に入る。東京駅から新幹線で京都まで行き、そこから近鉄線の急行で四十五分、大和八木駅....
178第三五話「憑物」奈良県桜井市三輪、そこに大神神社はある。三輪山に登るのは月に一度、第二水曜日の早朝。その前日に奈良に入る。東京駅から新幹線で京都まで行き、そこから近鉄線の急行で四十五分、大和八木駅で下車し、タクシーに乗って二十分ほど行くと、大きな鳥居が見えてくる。それが大神神社の一の鳥居。タクシーでこの鳥居をくぐるときには、必ず車内で二礼し、そして二の鳥居の手前でタクシーを降りる。そこから小さな商店街を抜けたところに宿がある。JR桜井線の三輪駅近くの民宿「万直し」。民宿に着いたらさっそく夕食、それがすんだら「お清め」の意味も含んだ入浴。民宿で銭湯切符を貰い、近所の銭湯に行く。そして、夜十時、「深夜参り」のミーティングが始まる。「深夜参り」というのは三輪山に入る前日の深夜、大神神社の本殿や摂社等を参拝することをいう。とくに狭さい井神社というところでは一時間近く「鎮魂の儀」という瞑想を行うので、その際の注意事項がこのミーティングで申し渡される。ミーティングに参加するのは、若先生に声をかけてもらった人ばかり十数人。ミーティングで言われたことは、参拝中は私語を慎むことと、瞑想中は周りで何が起きても決して目を開け