真夜中の虹(page 153/280)[真夜中の虹]
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概要:
153いし、芸人になりたいわけでもない。もちろん、それは芸人を馬鹿にしているわけではない。芸人になるには、自分は普通過ぎるのだ。芸人になるにはもっとどす黒い何かを持っていないと、とてもじゃないがやってい....
153いし、芸人になりたいわけでもない。もちろん、それは芸人を馬鹿にしているわけではない。芸人になるには、自分は普通過ぎるのだ。芸人になるにはもっとどす黒い何かを持っていないと、とてもじゃないがやっていけない。だから、このとき大将が、「そんなんじゃ、いい役者になれないぞ、人から愛されないぞ」そう言ってくれていたら、たぶん結果は違ったものになっていたと思う。最終的に芸人も役者もやることは同じ、でも、それに気がつくのはもっと後のことだ。このときは大将の言うことに反感を覚え、いつも現場の隅で拗すねていた。それとて、しっかり自分の考えを大将に伝える勇気があれば事態は変わっていたと思うが、そうする自信も行動力もそのときはなかった。「大将、僕は数字には興味がありません。そして芸人になる才能もありません」そう言えていたら、たぶん何かが変わっていただろう。おまけに、この頃はすでに河合監督に嵌はまっていた時期だったので、大将の言葉を素直に受け取ることができなかったのも事実。人は一度に何人もの人を愛せない。誰かが言った言葉を思い出す。自分にとって神様はひとりで十分だった。「マイルド欽ドン!」、収録最終日。バレーボールのコント中のことだった。大将はしつこく