真夜中の虹

真夜中の虹(page 142/280)[真夜中の虹]

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142ない。やがて、僕らは高校を卒業し、僕は東京へ、受験に失敗した彼はアメリカへ留学した。それから数年後、結婚した僕は妻子を連れ、留学中のボストンにある彼の住む家に遊びに行った。彼は歓迎してくれ、高校時....

142ない。やがて、僕らは高校を卒業し、僕は東京へ、受験に失敗した彼はアメリカへ留学した。それから数年後、結婚した僕は妻子を連れ、留学中のボストンにある彼の住む家に遊びに行った。彼は歓迎してくれ、高校時代、ふたりでよく名古屋の街をぶらついたように、ボストンの街を歩き、久しぶりに冗談を言い合っては笑った。その後、理由は知らないが、彼はアメリカの大学を中退した。日本に帰国し、地元の青少年のためにボランティアの仕事を始めたと、風の噂で聞いた。それはちょうどマスコミの仕事を始めて少し経った頃だった。ある日、NHKで撮影をしていると、目の前に懐かしい男が立っていた。「東京に出張に来たら時間が空いたんで、お前の家に電話したら、今日はNHKで仕事をしているからって言うから来てみたよ。誰か有名人に会わせて欲しい」その言い方は半分冗談、半分本気だった。きっとこの頃からだろう、彼から昔の面影が消え始めたのは…。自分に都合の悪くなった人間は切り捨て、イエスマンだけを周りに置くようになったと、誰かが言っていた。この頃は、仕事で名古屋に帰っても、彼にだけは会う気がしなくなっていた。その後、彼に会ったのは一度だけ。一九九九年の秋、友人Oの結婚式で僕は柄にもなく司会