真夜中の虹

真夜中の虹(page 141/280)[真夜中の虹]

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141歌を熱唱。落ちると思っていたら、予想に反して当選。別に本気で生徒会を仕切るつもりもないので、副会長にすべてを任せ、僕らと一緒に酒やタバコをやり、女子の尻を追いかけ回した。早稲田の合格発表に付き合わ....

141歌を熱唱。落ちると思っていたら、予想に反して当選。別に本気で生徒会を仕切るつもりもないので、副会長にすべてを任せ、僕らと一緒に酒やタバコをやり、女子の尻を追いかけ回した。早稲田の合格発表に付き合わされたこともあった。彼は自分の学力は横に置き、目標は早稲田一本。勉強もろくにせず、煙草とオナニーばかりしていた人間が早稲田に受かるわけがない。合格の掲示板には彼の受験番号はなかった。やけになった彼は掲示板の前で馬鹿笑い。合格と勘違いした万歳同好会が寄ってきて、万歳はいかがですか?と聞いた。彼は万歳三唱してもらい、記念写真まで撮ってもらった。数日後、その写真は彼の家に届き、机の上に飾られた。辛い思い出もあった。僕の親友が交通事故で死んだときだった。応援部の団長だった彼は、応援団の列に僕も一緒に並ばせてくれた。彼を中心に、霊柩車に向かって大声でエールを送り、見渡しのいい田舎道を車が見えなくなるまで叫び続けた。ふたりとも涙が涸れ、喉も嗄れた。童貞を捨てたくて、無闇矢鱈と女の子を追いかけ回した時期もあった。彼はどうしたら女の子がセックスに応じてくれるのかと、真剣に悩み、酒を煽っては自分の母親ぐらいの飲み屋のおばさんとディープキスをしていた。エネルギーを持て余していたとはいえ、このときばかりは正直驚いた。彼は将来の話になると、有名になりたい、できるなら総理大臣になりたいといつも冗談のように言っていた。もちろん、誰も本気にはしていなかったが、彼だけは本気だったのかもしれ