真夜中の虹(page 14/280)[真夜中の虹]
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概要:
14を脱がせると、皮膚も一緒にペロンと剥むけた。母親は僕を抱きかかえ、そのまま近くの病院まで走った。「だめですねー」「だめって?」「良....
14を脱がせると、皮膚も一緒にペロンと剥むけた。母親は僕を抱きかかえ、そのまま近くの病院まで走った。「だめですねー」「だめって?」「良くないってことです」「良くないって?」「命に関わるってことです」「なんとかならないのですか?」「ここではなんとも」「わかりました」短い会話が医者と母との間に交わされ、母は再び僕を抱いたまま走り出した。ここで粘ったりしないでアッサリと次の行動に打って出るのがこの母親のいいところ。向かった先は教会だった。医者がだめなら神様がいるさ。東京の青山にあるミッション系の大学を卒業した母は神様が好きだった。信じていたかどうかはわからないが好きだった。ドボーンと大火傷の子供を教会の聖水に浸けた。身体が冷えて青くなるまで浸け、出して、また浸けた。