真夜中の虹

真夜中の虹(page 132/280)[真夜中の虹]

電子ブックを開く

このページは、電子ブック 「真夜中の虹」 内の 132ページ の概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると、今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
132ド「サンハウス」の名ドラマー、浦田賢一。石田が口を開く、「なんで刀なんか持っていったがじゃ」答える鵬作。「わしゃ武士になったんじゃ、百姓....

132ド「サンハウス」の名ドラマー、浦田賢一。石田が口を開く、「なんで刀なんか持っていったがじゃ」答える鵬作。「わしゃ武士になったんじゃ、百姓じゃないきのう、高杉様からいただいた大事な刀なんじゃ」いきなり鵬作の頬を打つ、石田。「きさんのせいで!」鵬作、刀を握りしめ、「刀は武士の魂じゃ」坂を駆け下りる鵬作。これが、その日に撮るシーンのすべて。台詞の数はふたりで四つ。僕はたったふたつ。普通の現場では三十分で終わる長さ、朝八時には現場にいたから、遅くても午前十時には終わるだろうと踏んでいた。テストが始まった。僕は、若侍の青臭さを必死に演じた。「はい、もう一回」監督の声が響く。なんだか気に入らないみたいだ。今度はもっと気持ちを入れて演ってみると、さっきよりはうまくできた。カットがかかり、監督の言葉を待つ。