真夜中の虹(page 131/280)[真夜中の虹]
このページは、電子ブック 「真夜中の虹」 内の 131ページ の概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると、今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
131第二五話「監督」その日は、朝からとても暑かった。暑さと緊張で食事も喉を通らない。着付け部屋で衣装と鬘を付け、車に乗り込み、助監督の誘導で瀬戸内にある桟橋へ向かった。そこから小さな船....
131第二五話「監督」その日は、朝からとても暑かった。暑さと緊張で食事も喉を通らない。着付け部屋で衣装と鬘を付け、車に乗り込み、助監督の誘導で瀬戸内にある桟橋へ向かった。そこから小さな船に乗って、オープンセットが建てられているこれまた小さな島に着いた。現場は島の中腹。そこに、美術スタッフの手で建てられた小さなお墓があった。ドキドキしながら現場に向かう坂道を登り、頭の中では今日のシーンのイメージをさらっていた。鵬作は名もない百姓。それがある日、高杉晋作から名前と刀を貰い受け、奇兵隊の一員となった。初めての仕事は、百姓に化けての敵陣偵察。鵬作は、持っていってはならない刀を蓑に包み、隠し持っていた。高杉様から戴いた刀を、どうしても置いていくことができなかったのだ。途中で敵兵に会い、身分を訊かれた。鵬作は刀が見つかりそうになり、思わず抜刀してしまう。敵味方が混乱に陥り、仲間がひとり斬られた。すべての原因は鵬作の持っていった刀だった…。斬られた仲間の墓の前でジッと佇む鵬作と海援隊の石田英吉。石田を演じるのは博多のバン