真夜中の虹(page 127/280)[真夜中の虹]
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127第二四話「映画」「幕末青春グラフィティ?RONIN?坂本龍馬」これが、役者として事務所に所属して、初めて来た映画の仕事だった。もちろん過去にも「狂い咲きサンダーロード」「シャッフル」という石井總互監督の映....
127第二四話「映画」「幕末青春グラフィティ?RONIN?坂本龍馬」これが、役者として事務所に所属して、初めて来た映画の仕事だった。もちろん過去にも「狂い咲きサンダーロード」「シャッフル」という石井總互監督の映画に出演したことはあった。でも、それは学生が作る自主映画、何をどう演じたのかまったく覚えていない。というより演技プランも何もなく、ただ石井監督の言われるままに、走ったり叫んだりしていただけだった。でも今回は違う。ちゃんとしたメジャー映画だ。主演の坂本龍馬は武田鉄矢、高杉晋作に吉田拓郎、他に川谷拓三、柴俊夫、浅野温子、南果歩、等々豪華キャスト。監督は映画初監督の河合義隆。テレビ界では天才ディレクターと呼ばれていた人だ。事務所の社長からは「監督に絞られると思うから覚悟しておけよ」と威おどかされた。事務所から送られてきたシナリオにはすでに名前が入っていた。真っサラなシナリオに印刷で名前が入っているというのは、駆出しの役者にとってはとても嬉しいことだった。僕の役名は高杉晋作率いる奇兵隊三羽ガラスのひとり「鵬作」。もちろん監督と脚本家(因みに脚本の片山蒼というのは武田鉄矢のペンネーム)の創作で、残りの二役を榎木孝明さんと