真夜中の虹（page 115/280）[真夜中の虹]

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概要：
115第二一話「大将」「じゃあ、君やって見て」大将の言葉がリハーサル室に響く。久しぶりに味わう緊張に戸惑いながら、台本に書かれた台詞を声にした。別に面白くもなんともないコント....

115第二一話「大将」「じゃあ、君やって見て」大将の言葉がリハーサル室に響く。久しぶりに味わう緊張に戸惑いながら、台本に書かれた台詞を声にした。別に面白くもなんともないコント。これで爆笑なんかとれるわけがない。大将は「うーん…」と言ったまま、眼をつぶり考え込んでしまった。こちらは動くこともできず、大将の言葉を待つしかない。三十分は経ったろうか、痺れを切らした篠木ディレクターが助け船を出してくれた。「今日のところはこれで終わりにしませんか」そのひと言で、リハーサルは終わり、篠木さんと三浦さんがこちらにやってきた。「今日は仕事帰りのお疲れのところ、来てくれて本当にありがとう。僕たちはたった一日の本番に向けて、毎週こうやってリハーサルをしてるんです。できれば一緒に苦労していただけないだろうか」あくまでも僕が欲しいようだ。それはとても嬉しいことだけど、僕には守るべき妻と子供がいる。それに「お笑い」という分野には自信もないし、自分が演じることにあまり魅力も感じ