真夜中の虹

真夜中の虹(page 111/280)[真夜中の虹]

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111「ごめんね、じゃあ、よろしくね」電話は切れた。しばらくして、仕事場に電話が入った。「もしもし、わたくし、三浦洋一のマネージャーの中村啓介と申しますが」元気のいいキレのある声が耳に飛び込んで来た。電話の内容はこうだった。今日の夕方、麹町の日本テレビで番組のリハーサルがあるので、とにかくその前に三浦と話し合っていただきたい。仕事が終わってからならと条件を付け、その約束を承諾した。夕方、待ち合わせ場所の日本テレビ内のパーラーに向かった。そこは日テレ通りに面していて、すぐにわかった。パーラーの少し重たいドアを開けると、リーゼント頭の人が足を組んで座っている。三浦洋一さんだ。「あのー、わたくしー、中島陽典と申しますが…」そう言って頭を下げると三浦さんは席を立ち上がり、「いたよー!この子だ!あっ、はじめまして、三浦です。よかったー!会えたよ!捜したんだよ!」「は、はい」三浦さんは僕に会うために八方手を尽くし、必死に捜したことを一方的に話す。テレビに出ている人が、僕に向かって一生懸命話す姿に圧倒されていると、彼に隠れ、それまで見えてい